【IRアナリストレポート】メディカルシステムネットワーク（4350）

～薬局のネットワーク事業で業界No.1、地域薬局支援部門を拡大～

ポイント
・10月に、長期ビジョン「まちのあかりビジョン2035」を発表した。“誰もが自分らしく、安心して暮らしていくための医療インフラを構築し、生涯を見守る「まちのあかり」として健やかな暮らしに貢献すること”を目指している。当社のネットワーク「メディシスネットワーク」を活かして、地域住民と地域医療へのサービスを支える中心的存在になろうとしている。

・ビジョンを実現する3つの領域として、1）メディカル領域（BtoC）、2）メディカルサポート領域（BtoBtoC）、3）メディカルサプライ領域（BtoB）を定めた。メディカルサプライは医薬品製造販売と医薬品物流で、ネットワークの拡大を通して、メディカルからメディカルサポートへ、そしてメディカルサプライへと、ポートフォリオを拡大していく。

・2035年3月期の財務目標として、営業利益で100億円、ROEで15％を目指していく。こうした長期ビジョンに対して、次期中期計画（2027年3月期～2030年3月期）では、さらに具体的な実行戦略が打ち出されよう。2026年5月の決算説明会で公表されよう。

・医薬品ネットワークの加盟件数は、1.5万件は目指せよう。デジタルシフトも1.5～2万件が目標となろう。医薬品製造販売の取引先は1.5～2万件は視野に入ろう。医薬品物流も1万件は対象となる。そうすると、累計は5.5～6.5万件が視野に入ってくる。重複を除いていくと、4.5万件という目標は十分視野に入ってこよう。次は1施設当たりの取引額（付加価値）をいかに高めていくか。サービスの質の向上が問われる。

・今2026年3月期は増益に転換しよう。医薬品ネットワーク部門などの薬局支援4部門が、地域薬局部門の収益をカバーしてくることによる。薬局支援部門のネットワークはしっかり育ってきているので、次期計画においては、ここが成長ドライバーになろう。

・ネットワークの和集合が積集合に転換していくとともに、付加価値の向上が図れ、生産性と収益性がついてこよう。薬局支援部門が業績をリードするスピードが早まってくれば、株式市場での評価も高まってこよう。

目次
1.特色　薬局に独自のネットワークシステムを築く
2.強み　薬局のネットワークで圧倒的トップを確立
3.中期経営方針　新たなプラットフォームによる企業価値創造に向けて
4.当面の業績　2026年3月期は増益に転換へ
5.企業評価　医薬品ネットワーク部門を柱とした連携効果に期待

メディカルシステムネットワーク <4350>

企業レーティング	B
株価 （2025年11月19日）	496円
時価総額	152億円 （30.64百万株）
PBR	0.88倍
ROE	7.9％
PER	11.1倍
配当利回り	2.4％
総資産	71108百万円
純資産	16627百万円
自己資本比率	23.2％
BPS	565.3円

（百万円、円）

決算期	売上高	営業利益	経常利益	当期純利益	EPS	配当
2017.3	88865	2113	2109	571	19.3	10.0
2018.3	93977	3163	3250	1022	34.5	10.0
2019.3	98232	1428	1501	462	15.3	10.0
2020.3	105241	1615	1560	-895	-29.5	10.0
2021.3	104257	3429	3479	2198	72.5	10.0
2022.3	106685	3852	4313	2394	79.4	12.0
2023.3	109551	3163	3355	1610	53.4	12.0
2024.3	115361	3832	3825	1860	61.9	12.0
2025.3	122387	3154	3162	1262	43.2	12.0
2026.3（予）	125500	3400	3200	1300	44.5	12.0
2027.3（予）	132000	4000	3800	1700	58.2	14.0

（2025.9ベース）

（注）ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。
　
企業レーティングの定義：当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A：良好である、B：一定の努力を要する、C：相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/medelikarusisutemuneltutowa-ku202511.pdf

日本ベル投資研究所の過去レポートはこちらから