ドル円、157円台で底堅い展開 上値にさらに強気に=NY為替概況
ドル円、157円台で底堅い展開 上値にさらに強気に=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル円は堅調な展開が見られた。東京時間に一旦156円台に下落していたものの、NY時間にかけて157円台に戻す展開。本日はクリスマス・イブで全体的に動意薄の中、ドル円は底堅い展開が見られている。
先週のFOMCと日銀決定会合を通過して、投資家はドル円の上値にさらに強気になっている模様。東京時間に加藤財務相が「行き過ぎた動きには適切に対応。政府のスタンスは従来から変わっていない」と述べていたが、一時的な反応に留まっていた。投資家を円買いに転向させるには高いハードルがあるとの指摘も出ていた。
ドル円の上値に強気になっている背景には、日米金利差の縮小により長い時間がかかるとの見方が広がっている点がある。一部のファンド勢は160-165円のレンジへの円安も想定し始めているという。
ただ、年末年始は流動性が低下するため、万一為替介入が行われると値動きが大きくなることから、いまは新たな円売りは仕掛けづらいとのコメントも出ていた。
明日はクリスマスで海外市場が休場の中、植田総裁の講演が予定されており、市場も注目している。先週の決定会合のハト派なトーンに調整の兆しがあるかを注視しているようだ。ただ、ドル円が下げの反応を見せたとしても、買いの好機と見なす可能性もあるとの見解も出ている。
ユーロドルは1.04ドルちょうど付近での振幅が続いた。ユーロドルは一旦下げを一服させているものの、買い戻しの気配までは見られず、依然上値の重い展開が続いている。
欧州経済の低成長と政治的混乱により、ECBが相当程度の利下げを迫られるとの見通しがユーロの上値を引き続き圧迫しているようだ。政治に関しては、マクロン仏大統領がバイル氏を新首相に据え、今年4人目の首相となる新内閣を発表。ただ、少数与党の政府が財政赤字縮小を目指す予算案に合意するよう野党を説得するのは難しいと見られている。
フランスは少なくとも来年夏まで解散総選挙も実施できず、しばらくは不安定な状況が続きそうだ。
ポンドドルは一旦1.25ドル台後半に上昇していたものの、NY時間に入って1.25ドル台前半に伸び悩んだ。1.26ドル付近に強い上値抵抗が観測され、上値の重い展開が続いている状況。
今年のポンドはG10通貨の中で最も輝きを放っていたが、10月以降の下落で、ドルにそれまでのトップの座を譲り渡している。投機筋がここに来てポンドロングを削減し始めているという。これまでは相対的に高いインフレが英中銀の利下げ余地を狭めるとの見方が強かったが、英中銀は先週の金融政策委員会(MPC)で金利こそ据え置いたものの、政策委員の3分の1が利下げを主張していたことでネガティブサプライズが引き起こされていた。
きのう発表の第3四半期の英GDPもゼロ成長に下方修正され、第4四半期のマイナス成長のリスクも台頭し始めている。そのような中、市場の想定以上に英中銀は利下げを実施するとの見方が浮上している状況。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
きょうのNY為替市場、ドル円は堅調な展開が見られた。東京時間に一旦156円台に下落していたものの、NY時間にかけて157円台に戻す展開。本日はクリスマス・イブで全体的に動意薄の中、ドル円は底堅い展開が見られている。
先週のFOMCと日銀決定会合を通過して、投資家はドル円の上値にさらに強気になっている模様。東京時間に加藤財務相が「行き過ぎた動きには適切に対応。政府のスタンスは従来から変わっていない」と述べていたが、一時的な反応に留まっていた。投資家を円買いに転向させるには高いハードルがあるとの指摘も出ていた。
ドル円の上値に強気になっている背景には、日米金利差の縮小により長い時間がかかるとの見方が広がっている点がある。一部のファンド勢は160-165円のレンジへの円安も想定し始めているという。
ただ、年末年始は流動性が低下するため、万一為替介入が行われると値動きが大きくなることから、いまは新たな円売りは仕掛けづらいとのコメントも出ていた。
明日はクリスマスで海外市場が休場の中、植田総裁の講演が予定されており、市場も注目している。先週の決定会合のハト派なトーンに調整の兆しがあるかを注視しているようだ。ただ、ドル円が下げの反応を見せたとしても、買いの好機と見なす可能性もあるとの見解も出ている。
ユーロドルは1.04ドルちょうど付近での振幅が続いた。ユーロドルは一旦下げを一服させているものの、買い戻しの気配までは見られず、依然上値の重い展開が続いている。
欧州経済の低成長と政治的混乱により、ECBが相当程度の利下げを迫られるとの見通しがユーロの上値を引き続き圧迫しているようだ。政治に関しては、マクロン仏大統領がバイル氏を新首相に据え、今年4人目の首相となる新内閣を発表。ただ、少数与党の政府が財政赤字縮小を目指す予算案に合意するよう野党を説得するのは難しいと見られている。
フランスは少なくとも来年夏まで解散総選挙も実施できず、しばらくは不安定な状況が続きそうだ。
ポンドドルは一旦1.25ドル台後半に上昇していたものの、NY時間に入って1.25ドル台前半に伸び悩んだ。1.26ドル付近に強い上値抵抗が観測され、上値の重い展開が続いている状況。
今年のポンドはG10通貨の中で最も輝きを放っていたが、10月以降の下落で、ドルにそれまでのトップの座を譲り渡している。投機筋がここに来てポンドロングを削減し始めているという。これまでは相対的に高いインフレが英中銀の利下げ余地を狭めるとの見方が強かったが、英中銀は先週の金融政策委員会(MPC)で金利こそ据え置いたものの、政策委員の3分の1が利下げを主張していたことでネガティブサプライズが引き起こされていた。
きのう発表の第3四半期の英GDPもゼロ成長に下方修正され、第4四半期のマイナス成長のリスクも台頭し始めている。そのような中、市場の想定以上に英中銀は利下げを実施するとの見方が浮上している状況。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。
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