一応“仕掛け的な動き”に警戒を…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2024/12/20 11:15

◆ サプライズ・・・! - 日銀会合



「タカ派寄り利下げ」と捉えられたFOMCに続き、昨日の日銀会合は「利上げ時期先送り」が意識されました。

政策金利は想定通りの“据え置き”でしたが、これは“織り込み済”ということでサプライズはありませんでした。
ただ声明ならびにその後の植田総裁会見にて「当面利上げを見送る」との思惑が浮上したことはサプライズでした。

 『追加利上げの判断にはもう1ノッチ欲しい』
 『来年の春闘などの情報も必要』

昨日想定した“3つのシナリオ”の内、最も可能性が低いと見ていたのは「1月利上げ見送り示唆」でしたが、それを通り越す「当面利上げを見送る」へと傾いたからです。
このため“円売り”は加速する格好となり、NYタイム中盤にかけてドル円は“157.812円”へと駆け上がりました。

◆ ただ“ストップロスは一巡”と見るのが妥当なだけに・・・?


昨日の上昇幅を踏まえれば、“ストップロス”を絡めたと見るのが自然です。
このため目先は“利益確定売り”が入りやすいと見ますが、短期金融市場では「日銀1月利上げ」の確率を“50%程度”まで低下させたマーケットを形成しています。
このため「円先安観」が膨らみやすい中、上値を押さえるのは「円買い介入(口先介入含む)」くらいしか見当たらないのが実状…?

もっとも欧米勢にとって来週は、「クリスマス休暇」が待っています。
このため“新規のポジション形成”は手控えられやすく、“流動性は低下”すると見るのが自然です。
そうなると“仕掛け的な動き”の有無が今後の方向性を左右するといっても過言ではなく、いわゆる「介入催促相場」になる可能性が否めないところです。

週末でもあり、“ストップロス一巡→利益確定売り先行”が基本路線と見ますが、一応“仕掛け的な動き”にも警戒しておきたいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

159.441(7/12高値)
上値5:159.000(大台)
上値4:158.850(7/16高値)
上値3:158.623(7/17高値、ピボット1stレジスタンス)
上値2:158.000(大台)
上値1:157.862(7/19高値、12/19高値)
前営業日終値:157.434(+2σ)
下値1:157.000(大台)
下値2:156.716(12/17~12/19の23.6%押し)
下値3:156.038(12/17~12/19の38.2%押し、大台)
下値4:155.646(12/3~12/19の23.6%押し)
下値5:155.490(12/17~12/19の50%押し)
155.311(ピボット1stサポート)
154.942(12/17~12/19の61.8%押し、+1σ、大台)

《10:50》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想