“上値達成感”が台頭しやすい局面・・・!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2024/12/13 11:08

◆ 一時“反落”も・・・ - 再び“152円後半”


「米12月利下げ見送りの可能性」との一部報道は、一時ドル円を“151.793円”へと押し下げました。
一方で昨日の「米PPI」は“強め(総合:+3.0%/コア:+3.4%)”となり、これに「米30年債入札不調」が加わりました。
この影響から米10年債利回り“11月25日以来水準(→4.33%)”へと上昇する中、NYタイム以降は再び“ドル買い”が優勢となっています。
こうして“152.685円”へと持ち直したドル円は、本日に入ると“153円手前(本稿執筆時上値は152.955円)”へとさらに上値を伸ばすに至っています。

◆ やはり「米12月利下げ」は既定路線と見るべき・・・?


ただ前記「米PPIの上振れ」は、鳥インフルエンザに伴う“鶏卵価格急騰”が影響したという可能性が指摘されています。
このため“一時的な要因”との見方は強く、「米12月利下げ観測」を大きく後退させるには至っておりません。
短期金融市場では“幾分低下(98.6%→96.4%)”したものの、「米12月利下げを阻害する」とはいい切れないのが実状といえます。
そうなると“下値はしっかり”は継続するものの、このまま“上値模索再開”となるかは微妙といわざるを得ない…?

◆ それでも「日米金利格差縮小」は限定的・・・!?


テクニカル的には“200日移動平均線(本日は152.067円)”に支えられている滑降ですので、“もう一段の上値模索”少なくとも“下値の堅さ”は意識されると見られます。
ただ今朝方発表の「日銀短観」は、大企業製造業が“小幅改善(13→14)”したものの、同非製造業は逆に“小幅悪化(34→33)”していました。
こうなると「日銀12月利上げ観測」が大きく台頭する展開は想定しづらく、「日米金利格差縮小」との思惑も“限定的”となる可能性が否めない…?

“153円台”は目と鼻の先であり、回復しないとも限りませんが、“11/20~12/3の61.8%戻し(153.115円)”が“週足・一目均衡表先行スパン上限(153.124円)”と並んでいます。
“上値達成感”が台頭しやすい状況であるということは、しっかり認識しておきたいところです。
特に本日は週末でもありますので…。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

154.483(11/26高値)
154.334(+1σ)
154.173(11/20~12/3の76.4%戻し)
154.000(大台、ピボットハイブレイクアウト)
153.384(ピボット2ndレジスタンス)
上値5:153.226(11/27高値)
上値4:153.115(11/20~12/3の61.8%戻し、週足・一目均衡表先行スパン上限)
上値3:153.000(大台、ピボット1stレジスタンス)
上値2:152.845(12/11高値)
上値1:152.772(12/12高値)
前営業日終値:152.650(日足・一目均衡表基準線、週足・一目均衡表転換線)
下値1:152.236(20日移動平均線)
下値2:152.067(200日移動平均線、ピボット1stサポート)
下値3:151.976(50日移動平均線、大台)
下値4:151.793(12/12安値)
下値5:151.706(12/11安値以降の61.8%押し)
151.437(12/11安値以降の76.4%押し)
151.426(ピボット2ndサポート)
151.237(12/3~12/11の38.2%押し、50週移動平均線)
151.002(12/11安値、ピボットローブレイクアウト、大台)
150.902(12/10安値)
150.741(12/3~12/11の50%押し、日足・一目均衡表転換線、週足・一目均衡表基準線、月足・一目均衡表転換線)

《10:55》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想