“流動性低下”“手掛かり材料難”は如何ともしがたい…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2024/11/28 11:44

◆ さらに下落・・・ - 一気に“150円半ば”へ


さらに“下値模索”・・・。

月末要因に伴う「ポートフォリオ調整」と、米感謝祭を控えた「ポジション調整」が重なる中、幅広い通貨に対して“ドル売り”が進行しました。
一方で「トランプ関税発言」をキッカケにした“リスク回避→円買い”も顕著であり、主要10通貨の中で円は“最強通貨”の地位を占めました。
こうしてドル円には必然的に“下方圧力”がかかる格好となり、“200日移動平均線(昨日は152.006円)”を下回ったドル円は一気に“150.460円”へと売り込まれています。

◆ ただ「好調な米経済」は改めて示唆されており・・・


もっとも昨日発表の「米PCEコア・デフレータ」は“予想通り”でしたが、“前月比上振れ(前年比+2.8%)”となりました。
また「新規失業保険申請件数」も“7ヶ月来水準(21.3万件)”へ減少するなど、「好調な米経済」を意識するには十分な結果だったといえます。
このため前記安値を付けた後は“ドル買い戻し”が優勢となり、“151円台”に押し戻されて昨日の取引を終えています。

◆ 「抜けた方にはついていく」が前提となるが・・・?


こうして想定以上に“売り込まれた”ドル円ですが、本日は「米感謝祭当日」となり、明日の「ブラックフライデー」を含めて米国勢は“連休”に入ります。
“流動性低下”は如何ともしがたく、“手掛かり材料難”が強く意識される展開が想定されるところです。

テクニカル的に見て、前記“200日移動平均線割れ”は明らかにネガティブといわざるを得ず、“上値の重さ”は如何ともしがたいものがあります。
一方で昨日の下値を支えた“50日移動平均線(本日は150.600円)”はやや切り上がっていますので、“下値の堅さ”はより意識されると見るのが自然です。
「どちらに抜けるか?」が最大の注目となる中、しかし“流動性低下”“手掛かり材料難”が強く意識されるとあっては…?

「抜けた方にはついていく」を前提としつつも、目先は「同レンジ内での揺れ動き」と見ておきたいところです。
“流動性が回帰”するまでは…。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

153.226(11/27高値、日足・一目均衡表転換線、11/20~11/27の50%戻し)
153.106(週足・一目均衡表先行スパン上限)
153.000(大台)
152.754(ピボット1stレジスタンス)
152.532(11/20~11/27の38.2%戻し)
152.231(-1σ)
上値5:152.002(200日移動平均線、大台)
上値4:151.806(11/27NYタイム高値)
上値3:151.740(11/20~11/27の23.6%戻し)
上値2:151.488(11/27NYタイム高値後の76.4%戻し)
上値1:151.292(11/27NYタイム高値後の61.8%戻し)
前営業日終値:151.135
下値1:150.986(50週移動平均線、大台)
下値2:150.766(週足・一目均衡表基準線、月足・一目均衡表転換線、-2σ)
下値3:150.600(50日移動平均線)
下値4:150.460(11/27安値)
下値5:150.000(大台、ピボット1stサポート)
149.317(100日移動平均線)
149.197(週足・一目均衡表転換線)
149.093(10/21安値)
148.963(20週移動平均線、大台)
148.838(10/15-16安値、日足・一目均衡表先行スパン上限、ピボット2ndサポート)

《11:15》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想