「米大統領選・TV討論会」は波乱の芽も……!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2024/09/10 11:26

◆ “巻き戻し”先行 - 一時“143円後半”


昨日は週末の下落に対する“巻き戻し”が目立ちました。

「米9月0.50%利下げに踏み切るほど悪くはない」との思惑が改めて意識されたことが、“ドル買い戻し”を誘ったと見られます。
また昨日発表の本邦GDPが下方修正されたことも、“円売り戻し”として後を押した印象が否めないところです。
何より一時“1000円超の急落”を見せた日経平均が、終値ベースでは“急落回避(175円安)”となったことが、短期ポジションの解消につながったと見られるところです。
これを受けてドル円は、欧州タイム中盤にかけて“143.793円”へと値を戻す場面を見せています。

一方で今週の注目は「米大統領選・TV討論会(10日)」そして「米CPI(11日)」に傾斜しており、結果を見るまでは“一方向には動きづらい”というのが実状となります。
このためその後は米10年債利回り低下につれて上値を削り、“143円前半”へと押し戻されて昨日の取引を終えています。

◆ 基本は“小動き”と見るが…?


「米大統領選・TV討論会」は本日行われますが、NYタイムになります。
このため本日も“同様の展開”を想定せざるを得ず、それまで“方向感定まらず(揺れ動き)”と見るのが自然といえます。
ただ世論調査では“支持率拮抗”とも報じられていますので、それに伴う“思惑(期待感)”が台頭しないとも限らない点には注意が必要といえます。
何より先行きの見えない“不透明感”も台頭しかねないとあっては、現時点で方向感を定めるのは難しい…。

“小幅な揺れ動き(想定レンジは142.50-143.50円)”が基本と考えますが、NYタイム以降は“乱高下(同141.80-143.80円)”も意識しながら、引き続き神経質なマーケットと対峙したいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

145.117(9/3~9/6の61.8%戻し)
145.000(大台)
144.811(ピボット2ndレジスタンス)
144.589(月足・一目均衡表基準線、、100週移動平均線)
上値5:144.475(9/3~9/6の50%戻し、日足・一目均衡表転換線)
上値4:144.235(9/5高値)
上値3:144.020(9/6高値、ピボット1stレジスタンス、大台)
上値2:143.793(9/9高値、9/3~9/6の38.2%戻し)
上値1:143.537(-1σ)
前営業日終値:143.146
下値1:143.000(大台、9/6~9/9の38.2%押し)
下値2:142.779(9/6~9/9の50%押し)
下値3:142.532(9/6~9/9の61.8%押し)
下値4:142.128(ピボット1stサポート)
下値5:141.943(9/9安値、大台)
141.753(9/6安値、-2σ)
141.688(8/5安値)
141.111(ピボット2ndサポート)
141.000(大台)

《10:50》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想