【QAあり】テノックス、北海道新幹線の札幌延伸工事が佳境 今年度より配当性向からDOEに変更、より安定した株主還元を目指す

投稿:2024/08/22 13:00

本日の内容

若尾直氏(以下、若尾):みなさま、こんにちは。株式会社テノックス代表取締役社長の若尾です。本日はどうぞよろしくお願いします。

テノックスという名前はなかなか聞いたことがないのではないかと思いますが、私どもは、基礎工事会社です。したがって本日は、まず基礎工事とは何かというあたりからご説明したいと思います。その上で、テノックスはどのような会社なのか、それから強みが何か、これからどうしようとしているのかという4点についてお話しします。

テノックスは・・・

若尾:簡単に我々の会社のことをご説明します。ひとまず、工法開発型の基礎工事会社と覚えていただければと思います。

基礎工事とは

若尾:基礎工事とは「建築構造物や土木構造物の荷重を地盤に伝え、安全に支える構造を築造すること」です。なかなかピンとこないと思いますので、簡単にご説明します。

ご存知のとおり、我々の住んでいる地球は岩盤で丸く仕上がっています。その上に、土あるいは砂、あるいは水が覆いかぶさっているというのが、地球の構造です。岩盤は硬く、土は岩盤に比べると軟らかいです。これもご理解いただけているかと思います。

みなさまの机の表面を極めて硬い岩盤、スポンジを軟らかい土だと思って、テーブルの上にスポンジを置いた様子を想像してみてください。

そのスポンジの上に花瓶を置くと、絶対に倒れます。花瓶を倒さないようにするためにはどのようにしたらよいかといいますと、机の表面に到達する長さの棒をスポンジに突き刺します。このような棒がスポンジ内に20本あれば、花瓶は倒れません。

我々の仕事はまさに、地球の岩盤に向けて杭を作ることです。その上にビルや高速道路、港を作っていただきます。したがって、この地球上にあるビルや港湾など、ほとんどの構造物には杭が必ずあります。

テノックスプロフィール

若尾:スライドで示しているとおり、みなさまがお住まいの集合住宅や発電所、学校、病院は、すべてこの杭を使って建築されています。高速道路もそうです。これが建築物あるいは土木構造物の構造になっています。我々はこの杭を作る会社です。

基礎工事会社の種類

若尾:基礎工事会社には大きく分けて2つあります。1つ目は、工事特化型です。こちらはひたすら工事を行う、いわゆる工事会社です。

もう1つが、工法開発型です。こちらは自分で開発した工事の方法を特許のような知的財産に置き換えるとともに、その工事を行うという会社です。冒頭で「工法開発型の基礎工事会社」とお伝えしましたが、こちらがまさに、私たちの立ち位置ということになります。

後ほど簡単にご説明しますが、3つの大きな工法「テノコラム工法」「ガンテツパイル工法」「ピュアパイル工法」といった、我が社ならではの工法をもって工事に当たっています。

テノックスの身近な施工事例の紹介①

若尾:本日の会場は名古屋ですので、みなさまが日頃よくご存知の工事を2つご紹介したいと思います。

1つは「東海環状自動車道」です。すでに開通している区間もありますので、お使いになっていると思います。このうち大野神戸インターチェンジから養老トンネルまでの範囲は工区が3つに分かれており、大野神戸寄りの工区の68パーセント、養老トンネル寄りの工区の25パーセント、その中央に当たる工区の60パーセントは、我が社の杭を使って高速道路を作っていただいています。

テノックスの身近な施工事例の紹介②

若尾:もう1つは「名古屋第二環状自動車道」、いわゆる「名二環」も、名古屋西インターチェンジから飛島ジャンクションまでの工区のうち約30パーセントは、我が社の工法を中心とした工事で杭を作っています。

このように、みなさまの身近な日常の中で、我々の技術をお使いいただいているというのが、少しおわかりいただけたかと思います。

テノックス大型施工プロジェクトの紹介

若尾:加えて、今まさに旬を迎えている工事をご報告したいと思います。「北海道新幹線」です。現在、こちらの工事を盛んに行っています。

ご存知のとおり、新函館北斗・札幌間を結ぶ「北海道新幹線」は、2030年冬季オリンピック・パラリンピックの札幌招致が実現すれば、2030年までに開通する計画でした。完成すると、現在は特急で約3時間半かかるところが1時間で済むという、夢の新幹線です。

延長212キロのうち数多くの工区で、我々が開発したガンテツパイルという工法が使われています。この新幹線向けのガンテツパイル工法の合計受注残高は120億円です。まさにその工事が最盛期に入っていますので、動画でご紹介できればと思います。

(動画が流れる)

動画の途中で映った大きな山は、みなさまご存知の羊蹄山です。羊蹄山の麓にはニセコという有名なスキー場があり、非常に華やかな町なのですが、実は、土の中は大変難しい地質になっています。

動画でも「被圧水」と出てきましたが、これは地下水にものすごく圧力がかかった状態を言います。要は、羊蹄山の上に降った水がそのまま地下水になっており、非常に高い圧力がかかっていますので、穴を空けると水が噴き出すという状況です。極めて難度が高い工事です。

それを抑え込むのがガンテツパイル工法で、JRTT(鉄道建設・運輸施設整備支援機構)さまに採用いただきました。120億円の工事を受注し、まさに施工中というところです。開通した新幹線にお乗りになった時には、「足元にガンテツパイルが入っているのだな」と思い起こしていただければと思います。

テノックスの概要

若尾:それでは、テノックスがどのような会社なのかを簡単にご説明します。

社名は株式会社テノックスで、英文名はTENOX CORPORATIONです。所在地は東京の芝五丁目で、慶応大学のちょうど正面にあります。

設立は1970年で、54年経っています。代表者は若尾が務めており、従業員数は335名です。国内で11拠点、グループ会社は国内に4社、海外ではベトナムに子会社を持っており、現地で基礎工事を行っています。東証スタンダード市場に上場している会社です。

和島:次にご説明されるかもしれませんが、社長はどのような経歴をたどってこられたのでしょうか? やはり技術者ですか? 

若尾:私は1959年生まれの65歳です。スライド右側に経歴を記載していますが、実は大学を出てから3年前まで40年近く商社に勤めていました。テノックスとも付き合いが深かったので、テノックスに入れていただき、現在は社長を務めさせていただいています。

和島:どのような経緯で、社長になられたのでしょうか? 

若尾:もともと働いていた住友商事は、テノックスの株主のうちの1社です。三菱商事や住友大阪セメントも株主なのですが、これはそもそも、テノックスという会社を立ち上げた時に、住友商事や三菱商事が一緒に応援したという経緯があるためです。そのようなご縁で、昔からお付き合いがあり、今この場に座っていることになります。

和島:なるほど、わかりました。

テノックスの経営理念・長期ビジョン

若尾:経営理念と長期ビジョンについて簡単にお話しします。

「変化する社会のニーズに適応した技術の革新に積極的に取り組むことで、新たな価値と市場を創出する」「基礎工事を通し、社会に『安全』『安心』を提供し、すべてのステークホルダーが豊かさを実感できるサステナブルな企業を目指す」を長期ビジョンにしています。

長期ビジョンはなんとなく普通な感じがしますが、経営理念をご覧ください。経営理念には、「人間尊重」「技術志向」「積極一貫」の3つを掲げています。

これは54年前、会社が設立された当時に作られ始めた経営理念です。「人間尊重」とは、今まさに企業が問われている項目だと思いますが、54年前にすでにここに着目して取りかかったことは良い歴史だと思います。

テノックスという社名は、数字の「TEN」と非常に荒々しい雄牛を表す「OX」という2語から作られています。2つをつなげて「TENOX」です。中には中年もいたと思いますが、テノックスは10人の若者が立ち上げた会社で、54年前のベンチャー会社と言えます。

そのベンチャーの人たちが、「人間尊重」を高々と掲げて世に打って出たというのは、大変特徴的なところだと思います。この精神をしっかりと受け継ぎ、常に技術にチャレンジし、工法を開発して成長していくのが我が社の使命だと思っています。

テノックスの強み① 豊富な独自開発工法

若尾:テノックスの強みについてお話しします。先ほども少しお伝えした、3つの大きな工法について簡単にご説明します。スライド左側が「テノコラム工法」、中央が「ガンテツパイル工法」、右側が「TN-X工法」です。

先ほど、スポンジに棒を挿すと杭になるとお話ししましたが、「テノコラム工法」は、地面の中にセメントを注入してかき混ぜます。つまり、パイルのようなものを外から持ってくるのではなく、その場でセメントと水を土の中に注入しながらかき混ぜるのです。そうすると、セメントが硬くなって柱になり、杭になるという考え方の工法です。

大変効率的で、コストもかからない工法として、非常に愛用されています。これはまさに、我が社が建築用に作り上げた工法です。

先ほどから新幹線や高速道路のお話をしていますが、「ガンテツパイル工法」は鋼管の杭と、テノコラム工法をパッケージにしたものです。地盤改良を行い、その中に鋼管杭を打ち込むもので非常に性能が高く、被圧水に対してより高い対応ができます。

「TN-X工法」は、売上高としてはまだこれからですが、高い荷重に耐えられ、かつ地震に強い杭です。現在、投資が非常に進んでいるデータセンターによく使われています。

テノックスの強み③技術力

若尾:この写真は、きっとみなさまもご覧になったことがあると思います。能登半島地震の際に、金沢市郊外の内灘地区を写した写真です。ご覧のとおり、道路が波打って家が傾いています。こちらを液状化現象と言い、我々は今、これを防ぐために技術開発を行っています。

テノックスの強み③技術力

若尾:なかなか難しいのですが、液状化現象について簡単にご説明します。

液状化現象は3つの条件が揃うと発生します。緩い砂地盤で地下水位が高い地盤に、地震で大きな揺れが加わることによって、液状化現象が発生します。緩い砂地盤で地下水位が高い地盤はあちらこちらにあります。わかりやすいのは埋立地です。土地が若いために地盤が緩く、地下水位が高いです。

こちらもご記憶にあるかもしれませんが、東日本大震災の時に千葉の浦安地区でも液状化現象が見られました。土管が地面から突き出ている写真をご覧になったことがあると思います。あれも液状化現象です。

液状化現象とはどのようなものかといいますと、例えば、泥を瓶に入れて上下に振った時、土と水が分離し、下には土、上には水が溜まります。それが地面で起こるのが液状化現象です。したがって、液状化現象が起きると町中が水浸しになり、地盤が下がるという現象が起きます。あるいは、液状化現象が起きて、さらに横に動くとうねりになります。

幸い、液状化現象によって人が亡くなるといった大きな人的損害はほとんどないものの、財産が失われてしまうことがあるため、我々はぜひ防ぎたいと考えており、我々の技術を持って、地震による地盤の揺れを抑えようとしています。

テノックスの強み③技術力

若尾:我々は地震による地盤の揺れを抑えることを「ハイブリッド型液状化対策」と呼んでいます。地盤を固める「テノコラム工法」を建物の下に格子状に作ります。そうしますと、外からの揺れが抑えられます。ビルの下には必ず杭があり、ビルを支えていますので、この杭を格子状に地盤改良して囲ってしまうことで、揺れを抑えて杭が折れないようにするという技術です。

技術自体はこれまでもあったものですが、我々はそこからさらにチャレンジしています。この格子の間隔をなるべく広げると、当然コストが下がります。みなさまに使ってもらいやすくするために、数値解析でこの間隔を算出しています。

つまり、コンピューターの中で地震を起こし、その地震の波形が地盤改良体にどの程度影響があるかを計算します。「この距離なら耐えられる」という数字を出し、なるべくコストを抑えた液状化対策を行うことを、まさに始めたところです。

例えば、能登半島地震の際にも、地震直後から稼働することのできた病院が七尾市にありました。そこは、液状化対策をしっかりと行っていた免震構造のため、建物の被害がほとんどなかったそうです。特に基幹的な建物、病院や官公庁のようなところは、これから液状化対策を考えていくはずです。

もちろん、液状化が起きないような地盤であれば、これらの対策を行う必要はありません。ただし、先ほどお話ししたように、緩い砂地盤や地下水位が高い地盤はけっこう広い範囲に広がっているため、我々としては、少しでも安く仕上げてみなさまに使っていただきたいという思いです。

計算の様子をご覧いただきたいと思います。

(動画が流れる)

見てもなかなかわからないと思いますが、コンピューターの中で地震を起こし、壁にいかに影響が出るかを計算しています。これは大きなコンピューターとテクニックが必要なためなかなか難しく、JR総研さまのお知恵も借りながら取り組んでいます。

中期経営計画 (2024-2026年度)

若尾:テノックスの「これから」について、簡単にご報告したいと思います。

設立から54年経ったと言いましたが、我々は100年を目指しています。100年生き残る企業としてサステナビリティ経営をしっかりと作り上げていくというのが我々の方針です。

一つひとつはご説明しませんが、5つの大きな戦略を掲げています。「事業別戦略」「開発戦略」「環境・デジタル戦略」「経営基盤の強化」「資本効率経営の推進」を大きな柱にして取り組んでいきます。

サステナビリティ経営の取り組み

若尾:そのうちのサステナビリティ経営の例を2つご紹介したいと思います。

1つ目に、当社は杭打機の電動化を進めており、その試作機ができました。これは新幹線の車両を作る愛知の日本車輌製造さまと共同で、電動で動く杭打機を開発しました。

結果として、CO2の排出量を2割ほど削減できます。さらに非常に騒音が少ないというのが特徴的だと思います。

通常はディーゼルエンジンを使うのですが、モーターを使っているため音が小さく、この点が非常に役立つと思います。こちらは9月に東京ビッグサイトで開催される「地盤技術フォーラム 2024」に展示しますので、お時間あればぜひご覧ください。

サステナビリティ経営の取り組み

若尾:2つ目に、次世代型再生可能ディーゼル燃料(Neste MY Renewable Diesel、RD)、いわゆる廃油を使ったオイルで杭打機を動かすというチャレンジを始めています。

こちらを使えばCO2を90パーセント削減できます。現在は大阪府カーボンニュートラル技術開発・実証事業に承認いただき、今まさに工事を始めようとしているところです。

業績推移・数値目標

若尾:業績を簡単に振り返りたいと思います。スライドの棒グラフが売上高と経常利益、折れ線グラフがROEと経常利益率です。青い棒グラフで示したとおり、2020年度と2021年度が新型コロナウイルスの影響と北陸新幹線延伸事業が終わった影響もあり少し下がっているものの、これまでの業績は概ね横ばいです。

今後の中期経営計画では、今年度は売上高250億円、経常利益9億3,000万円、2026年度には売上高270億円、経常利益15億円を目指します。突然成長するように見えますが、北海道新幹線(新函館北斗・札幌間)の事業を120億円で受注しており、まさに今佳境を迎えているため、まったく根拠のない数字ではありません。

その上でさらなる成長を目指し、2026年度の売上高270億円と経常利益15億円を実現していきます。

投資戦略

若尾:営業キャッシュ・フローについてご説明します。

総資産180億円のうち、現預金が約80億円、自己資本が約127億円となっており、当社は現金を非常に多く持っています。中期経営計画では、こちらを積極的に投資と配当に回していきたいと考えています。

スライド左側の原資のうち、営業キャッシュ・フローは3年間で約38億円から40億円を見込んでいます。

また、現預金の83億円とその他のキャッシュ・フローを、既存事業に約30億円、成長分野に約30億円、配当に約10億円と、合計約70億円を配当と投資に向けるということで機関決定しています。

配当については今年からDOEを採用し、2パーセント以上を目標としています。これまでは配当性向で考えていました。しかし、より株主のみなさまに安定的に、安心して我々の会社を見守っていただけるよう、DOEは仮に赤字になっても配当を行うということを意味しますが、DOEをベースに着実な配当と還元策をとっていきたいと思っています。

株価推移 (2014年4月から2024年7月)

若尾:株価の推移です。スライドのグラフのとおり、日経平均株価とほとんど同じ推移をたどってきました。全体的に株安ということもあり、7月26日現在で1,190円というレベルですが、少し前は1,250円あたりで推移していました。

配当利回りは3.61パーセント、PBRは0.63倍です。東京証券取引所からの要請に関係なく、企業として1倍を目指します。PBR1倍達成はマストだと考えているため、確実に取り組んでいきます。

そのためにも、中期経営計画では、現在5パーセント程度であるROEを2027年度には8パーセントに引き上げる計画です。

株主還元方針

和島:配当性向よりも、株主資本配当率という考え方なのですね。こちらもよく聞かれると思うのですが、株主優待制度についてのお考えをお聞かせください。

若尾:株主優待については悩むところです。我々の製品を持って帰っていただいたり、杭をお届けしたりするわけにはいきませんので、どのような優待がよいのか悩んでいます。

「妙なものを優待にするよりも、その分を配当でお返ししよう」という考えで今日まできましたが、総会にも来ていただきたいですし、いかにわかりやすく我々の思いを受けていただくかという点でも、引き続き検討させていただければと思います。

スライドは株主還元方針についてです。左側がこれまでの配当の推移、スライド右側がこれからの目標のグラフです。これまでは配当性向ベースで配当を行ってきましたが、DOEに換算すると2パーセントだったため、今後3年間はDOE2パーセント以上を目安に実施していきます。

もちろん2パーセントにこだわるつもりはなく、どんどんと業績を上げて、2パーセントより少しでも多く、みなさまに還元することに努めていきます。

最後に

若尾:最後に、我々は建物や土木構造物を支えることが仕事であり、あちらこちらで我々の技術が生きています。そしてそれを支えていただけるのは、株主のみなさま、あるいは投資家のみなさまです。少しでも我が社のことをご理解いただき、ぜひサポートいただければと思います。よろしくお願いします。

質疑応答:海外展開について

和島:「海外展開については、どのようにお考えでしょうか?」というご質問です。

若尾:先ほどお話ししたとおり、当社はベトナムに子会社を持っていますので、ここをぜひ強化していきたいと思っています。その理由は2つあります。

1つ目は、ベトナムをはじめとする東南アジアはこれから成長する国・地域ですので、日本にばかりこだわらず、そこでしっかりと我々の技術を展開していきたいという思いがあるためです。

2つ目は、みなさまもおそらく懸念されていると思いますが、国内の人材が不足しているためです。これは我々にとって本当に大変な課題であり、簡単には解決できそうにありません。

したがってベトナムの方々を我々のレベルにまで教育し、日本人と同じように働いていただくということを考えています。日本に来ていただくことはもちろん、日本の業務をベトナムに移管することなどを通じて、会社の足かせになっている人材問題を解決したいと考えています。

以上の2つの理由から、ベトナムを強化していこうと取り組んでいます。

和島:先ほど、御社のさまざまな工法をご紹介いただきました。海外でも似たような問題があると思いますが、海外での御社の活躍について、短い期間ではなく、その技術が根づいて引き続き活かされていくというような理解でよいでしょうか?

若尾:今お話ししたベトナムでは、岩盤が地下50メートルくらいにあります。ここ名古屋ですと、おそらく岩盤は一番深いところで30メートルくらいだと思います。非常に深いところに岩盤を持つメコンデルタという場所で、我々は50メートルまで杭を入れることにチャレンジします。

そのような国は他にもたくさんあるため、まずはベトナムで我々の足場を築き、できれば次の国にも展開していきたいと考えています。

和島:人材のお話も出ましたが、今はどこでも大変だと思います。御社のように技術のある会社でも、やはり足元では苦労があるのでしょうか? 

若尾:これは本当にどこの企業でも、今一番悩ましい問題だと思います。我々は派手な会社ではないため関心を呼びにくいという点もありますが、それ以上にどの企業もみなさま苦しんでいます。

ベトナムの方々は非常に優秀ですので、待っていないで、外国の方々と一緒に働くことで成長していきたいと考えています。

質疑応答:M&Aによる人材確保の可能性について

和島:もし御社のような技術力のある会社があれば、M&Aで人材と技術を同時に確保するようなイメージはあるのでしょうか?

若尾:先ほど「ROE8パーセントを目指す」とお話ししましたが、ROE5パーセントの会社を8パーセントに持ち上げることは、かなり大変な仕事です。そのためM&Aによって、人材も含めて新たな機能を会社に取り込んでいきたいと考えています。

言い換えると時間をお金で買うかたちになりますが、それが成長の1つの方法でもあるため、積極的に進めていきます。そのため、先ほどお話しした成長分野投資の約30億円を積極的に活用し、取り組みたいと思います。

配信元: ログミーファイナンス

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