【QAあり】ジャパニアス、IT関連需要増加を受け、更なる成長に向け積極的なエンジニア採用を実施 売上高は順調に推移

投稿:2024/07/26 08:00

Performance Summary 業績サマリー

西川三郎氏(以下、西川):みなさま、こんにちは。本日は、ジャパニアス株式会社の2024年11月期第2四半期の決算説明会にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。代表取締役会長兼社長の西川です。

本日は、時間も限られていますので、業績ハイライトと中期経営計画の進捗をご説明します。中期経営計画およびAppendixについては、後ほどご確認ください。

業績ハイライトについてご説明します。2024年11月期第2四半期は、IT関連の市況が追い風となり、需要が増加している一方で、さらなる成長に向けて積極的なエンジニア採用を実施したことにより、前年同期比で増収減益となりました。

Performance Trends 業績推移

経営指標として重視している、売上高と経常利益についてご説明します。2024年11月期第2四半期は、前期に引き続きエンジニアの需要が高い状況を受け、中途採用を中心に順調に採用しました。

この施策が奏功し、売上高については、前年同期比15.2パーセントのプラスに着地しました。ただし、経常利益は、上期に採用投資を集中させた影響から、前年同期比25.3パーセントのマイナスとなりました。

Analysis of Changes in Ordinary Profit 経常利益の増減分析

経常利益が前年同期比で減益となった要因について、増減の内訳からご説明します。IT関連受注の継続的好調を受け、売上高が伸び、利益が増加しました。これに対し、新卒を含む研修対象者が増加し、原価増となり、売上総利益が低下しました。

加えて、前年以上に採用を強化したことにより採用関連費用が増加し、さらに福利厚生の一部見直しや人員増に伴い、その他販管費も増加しました。これらの結果、経常利益は前年同期比で1億400万円の減益になりました。

Profit and Loss Statement 損益計算書

損益計算書です。エンジニア数の増強により、売上原価が増加しています。先ほどまでご説明していない部分として、若手育成に向けた人材の採用と教育体制の強化を進めた影響で、助成金収入がありました。あわせて、顧客からの受取手数料による営業外収益が、前年同期比で大きく増加しました。

Balance Sheet 貸借対照表

貸借対照表です。資産合計は45億2,100万円、負債合計は17億5,600万円、純資産合計は27億6,400万円となっています。

純資産については、主に当期純利益を2億300万円計上したこと、ならびに剰余金の配当として3億600万円を支出したことにより、減少しています。この結果、自己資本比率は61.1パーセントに低下しました。

Key Indicators 重視する経営指標①

経営指標の目標達成状況を測るために設定しているKPIの進捗についてご説明します。エンジニア数は期中平均で1,647名となり、前年同期比で247名増加しました。中途採用により、経験者、育成人材ともに、過去最高の採用数を達成したことによるものです。

また、4月に新卒49名が入社しています。その結果、前期末時点と比較すると、エンジニア数は179名増加しています。

Key Indicators 重視する経営指標②

稼働率については、新卒や業界未経験者などの研修が必要な人材が増加したことにより、前年同期比で期中平均2.4パーセントの低下となりました。4月に入社した新卒が研修期間となっていることに加えて、「J-College」においてIT関連基礎研修を育成人材へ実施していることによるものです。

エンジニアが参画するプロジェクトが終了した後、別の技術分野やより高度な技術を必要とするプロジェクトにも参画できるように、学び直しの機会を提供しています。

Key Indicators 重視する経営指標③

1人当たり売上高については、育成人材が増加していることが押し下げ要因となっています。一方で、既存エンジニアの単価改定効果もあり、期中平均では第1四半期よりも月額4,000円上昇しました。

エンジニアのスキルに合った適正単価での稼働を図るため、参画するプロジェクトの変更を進めていることが功を奏しているほか、育成人材の単価が昨年同等を維持していることによるものです。

Financial Results Forecasts 業績予想

今期の業績予想です。上期は、さらなる成長へ向けた採用投資を行ったことにより、経常利益の成長率が30パーセントを切っていますが、上期に増員したエンジニアが下期より順次稼働していくことで稼働率が改善されると見ています。

これに伴い、売上総利益率が良化し、売上高増加に伴い販管費率が低下することにより、経常利益は前年同期比25パーセントの成長をする見込みです。

Shareholder Return 株主還元

株主還元については、株主のみなさまへ利益を還元する機会を充実させることを目的として、当期より中間配当を実施しました。

今期の中間配当金は、1株当たり47円です。経営環境の変化に応じた機動的な資本政策を実行するため、上限金額1億円の自己株式取得を行うことを取締役会で決議しました。引き続き、株主還元に努めていきます。

Basic Strategies 基本戦略

中期経営計画の進捗についてご説明します。基本戦略における主な取り組み状況です。

事業戦略として、活動エリアを拡大させることを計画しており、静岡エリア、広島エリアで採用拠点を開所しました。新規事業である化学・バイオのオンサイト型開発支援、ならびに人材紹介事業とも順調に規模を拡大しています。

人材戦略としては、採用業務オペレーションを構築し、運用を定着させたことにより、多くの育成人材を採用できています。

「J-college」における研修ラインナップを充実させることで、採用した育成人材の他、既存エンジニアに対しても、リスキリングを進めていきます。その結果、エンジニアの資格保有者が増加してきました。

財務戦略としては、エンジニア増強のための採用費を計画以上に投資しています。採用活動の増加に伴い、面接等で用いる会議室が不足傾向となっており、本社オフィス内に個室型ワークスペースを導入しました。加えて、今まで一部外注していた新卒研修を完全に内製化しました。

Technical Field 技術分野

技術分野の状況です。IT関連の分野は、エンジニア採用と育成が好調であることから、前年同期比で高い成長率を維持しています。特にソフトウェア評価は、AGESTとの業務提携効果があり、大きく伸長しています。機械・電気分野は、底堅い需要へ着実に対応していきます。

Topics トピックス

上期のトピックスです。エンジニア採用数は、エンジニアの採用市況が激化している中でも、過去最高の採用数を達成しました。

化学・バイオのオンサイト型開発支援について、立ち上げ当初は経験者のみに絞って採用してきました。しかしながら、未経験者でも活動できることがわかりましたので、採用の幅を広げました。この結果、規模が順調に拡大しています。

資格取得について、「AWS」の需要増に対応するために必要な基礎レベルの資格取得を推奨したことで、保有数が増加しています。

質疑応答:M&Aの検討状況について

司会者:「M&Aの検討状況について教えてください」というご質問です。

西川:オンサイト型のビジネスに加えて、今後の成長を加速させるため、多方面の会社をセレクトしています。M&Aについては、慎重かつ大胆に今後進めていきたいと思っています。

基本的に規模は問わず、当社にとって相乗効果が極めて高いところを狙っていきます。当社の発展に寄与していく案件について、慎重にセレクトしていきたいと考えています。

質疑応答:下期の稼働率の見込みについて

司会者:「研修などがあったとはいえ、上期の稼働率がかなり低いように見えます。第3四半期、第4四半期の稼働率は、どのぐらいのペースで上げていくことが可能なのでしょうか?」というご質問です。

西川:上期は、過去最高の採用数を達成しました。私には「日本においてデジタル人材を増やさなければ、今後この国は立ち行かない」という強い信念があります。政府は「10万人のデジタル人材」と言っていますが、それでは足りません。

当社は、性別や経験の有無、文系か理系かを問わず育成することにより、デジタル人材に育てていきたいという強い思いがあります。それにより、若干教育が長引いたり稼働が遅れたりしましたが、こちらは上期についての現象です。下期には、急速に稼働率が改善しており、利益も増加していく見込みです。

質疑応答:未経験者の育成状況について

司会者:「上場時に比べて未経験者の採用が増えていますが、人材育成は順調なのでしょうか?」というご質問です。

西川:かっこいい名前ですが、川崎に研修センターとして「J-college」を新設しました。こちらで積極果敢な研修を実施しており、言語ならびにいろいろな資格を取らせる教育を行っています。

エンジニアの採用市場では、特に経験者については非常に熾烈な競争が展開されています。同業他社のみならず、他分野の他メーカーや他のサービス業についても、IT人材ならびにデジタル人材は引く手あまたです。

そのような中において、当社は経験者の採用についても、これまでと同じように成功しています。未経験者についても、デジタル人材を目指す強い意志を持つ人に限り採用しており、こちらの取り組みも順調です。

多少時間はかかっていますが、私は物事を短絡的に見ていません。スポットで利益が多少落ちても、1年間を通せば平準化していきます。エンジニアの増員に的を絞っているため、第1四半期、第2四半期の多少の減益は微々たることと考えています。

今回の株価下落について、PERの大幅な低下は自社株式取得の理由でもあり、私自身は非常に不満であると同時に、当社の実力はそのようなものではないと強く思っています。

当社の事業が成果を出せていないのではなく、株主のみなさまには、増収は発展の可能性があり、減収は育成の過程であるとご理解いただければ、おのずと答えは出てくると思っています。

質疑応答:採用関連費の増加について

司会者:「採用関連費用が増加していますが、1人当たりの採用費も増加しているのでしょうか?」というご質問です。

西川:現在の1人当たりの採用費は100万円程度です。昨年度よりはやや増加していますが、昨今の人材競争の中にあっては特に多いわけではなく、妥当な金額であろうと思っています。

投資をしなければ会社は成長しません。当社のようなオンサイト型ビジネスにおいて、投資とは人材投資以外にありません。人材投資を行えば教育を強化します。教育を強化すれば費用がかかり、稼働が若干落ちるのは当然のことです。

人材ビジネスにおける最大の投資は採用であると思っています。採用費の増加は人員の増加であり、決して失敗しているわけではないためご安心いただきたいと思います。

質疑応答:今後の投資計画について

司会者:「御社は無借金経営にもかかわらず、ROEが25パーセント程度と高くなっています。さらに利益成長を目指すために、多少リスクを取った投資を行ってもよいのではないかと思われますが、いかがでしょうか?」というご質問です。

西川:リスクを取った投資とは、新しい分野への投資、あるいは極端に言えばM&Aになりますが、M&Aは相乗効果がなければ意味がないと思っています。文化の違いもあるため、ただ同業他社を吸収し、エンジニアの数が増えればよいわけではありません。

私は、オンサイト型ビジネスの文化に非常にこだわりを持っています。一般的に「人材派遣」と言われるのが不服なのですが、広義で捉えれば、デジタル人材の養成機関だと思っています。したがって、人材への限りない投資は引き続き行っていきます。

当社とまったく異なる、日本でも稀に見るビジネスも模索しています。人材派遣ビジネスには多くの同業者がいますが、新しいビジネススタイルの人材関連会社を発掘、あるいは子会社にしていくための投資を考えています。

無借金経営で、規模としては余剰資金があるほうですが、資金があるなら使えばよいということではなく、有効活用できなければ意味がありません。投資は慎重に行っていきたいと考えています。

しかし、発展、成長のない会社は市場にいる意味がないという私の思いは、株主のみなさまに強く訴えておきたいところです。

質疑応答:単価の高い分野と低い分野について

司会者:「単価の高い技術分野と低い技術分野を教えてください」というご質問です。

西川:単価が高いのは先端テクノロジー分野です。「Salesforce」などのCRM、クラウドが非常に高く、月150万円から200万円の報酬を得ている社員もいます。一方で、ソフトウェア評価は単価が低いと思っています。

配信元: ログミーファイナンス

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