タカノ、グローバルな研究開発型企業へ 新中計では半導体、「新しいオフィス」への対応、医療/福祉分野に集中投資

投稿:2024/06/26 17:00

当社およびグループ会社の概要について

鷹野準氏:タカノ株式会社代表取締役社長の鷹野です。本日はお忙しい中ご参加いただき、誠にありがとうございます。ただいまより、当社の第71期決算報告を始めます。よろしくお願いします。

最初に、当社およびグループ会社の概要についてご説明します。スライドに記載のとおり、オフィス家具、ユニット(ばね)製品、エクステリア製品、画像処理検査装置、電磁アクチュエータ、健康福祉関連機器の製造販売という6つの事業を営んでいます。

関連子会社は国内に3社あります。ニッコーという販売会社では、機械、工具の仕入販売を行っています。タカノ機械では、主に画像検査装置のハードの部分の製作や、省力化機械の製造販売を行っており、タカノ以外との商売も行っています。

海外についてですが台湾鷹野(台湾鷹野股份有限公司)、こちらでは主に画像計測部門の仕事を行っています。また、上海鷹野(上海鷹野商貿有限公司)では当社の住生活関連の仕事を、香港鷹野(香港鷹野国際有限公司)では、当社の産業機器製品の仕入販売を行っています。そしてTakano of America Inc.では、産業機器製品の仕入販売や、家具の仕入販売等の一部を行っています。

昨年からスタートした新しい会社があります。1つはユーキ・トレーディングで、住生活関連として主に福祉関係の仕事をしています。もう1つは、深圳にある鷹野電子(鷹野電子有限公司)です。こちらでは、産業機器製品の仕入販売を行っています。

以上、タカノ本体および国内関連会社3社、海外5社が、当社およびグループ会社の概要となります。

2024年3月期連結決算実績(対前期比)

2024年3月期連結決算の実績です。売上高は前期比プラス9.3パーセントの251億7,300万円、営業利益は前期比88.1パーセントの8億8,000万円、経常利益は前期比92.8パーセントの10億2,300万円、当期純利益は前期比72.5パーセントの6億100万円と、増収減益です。

背景については後ほど細かくお話ししますが、大きな要因として部品・部材の値上げ、為替の円安があります。当社では部品・部材を輸入しているケースが多いことから、このあたりが影響しています。

また、価格転嫁も一部していますが、100パーセントしきれないところがあります。売上の中では、若干採算の悪いものが早期に売上として計上されたこともあり、増収減益となりました。

連結セグメント別売上高の推移

連結セグメント別売上高の推移については、スライド左側の棒グラフのとおりです。

セグメント別にご説明します。住生活関連機器は、前期比プラス6.7パーセントの119億8,000万円、検査計測機器は前期比プラス15.7パーセントの75億2,000万円となりました。

産業機器は前期比プラス10.4パーセントの32億4,600万円、エクステリアは前期比プラス2.1パーセントの9億3,600万円、機械・工具は前期比プラス2.8パーセントの14億8,900万円で、トータルの売上高は前期比109.3パーセントの251億7,300万円となりました。

連結セグメント別利益の推移

連結セグメント別利益の推移です。住生活関連機器はマイナス4,700万円、検査計測機器は2億6,600万円、産業機器は5億7,600万円、エクステリアはマイナス600万円、機械・工具は7,600万円で、トータルでは前期比88.1パーセントの8億8,000万円となりました。

大きな変化として、住生活関連機器は部品・部材の値上げや為替の円安がありました。こちらはアジアから部品・部材を仕入れているため、円安の影響を非常に受けた結果、スライドのような数字になっています。

検査計測機器も前期比で減少していますが、前の期に受注した中で付加価値が低いものの売上が、2024年3月期に計上されたためです。売上は伸ばしたものの、利益が圧縮されました。また、付加価値が高い半導体関連でブレーキがかかり、スライドに記載したようなかたちになっています。

産業機器は、前期比で14パーセントほど伸びています。売上・利益ともに伸びており、2024年3月期は好調に推移しました。

経常利益・当期純損益の推移

経常利益・当期純利益の推移です。スライドに記載のとおり、2024年3月期の経常利益は10億2,300万円、当期純利益は6億100万円で、1株当たりの当期純利益は39円50銭です。

総資産・純資産推移

総資産・純資産の推移です。スライドのグラフのとおり、前期比でほぼ横ばいです。その結果、2024年3月期の自己資本比率は79.5パーセント、1株当たりの純資産は2,071円60銭となりました。

2024年3月期キャッシュ・フロー計算書

キャッシュ・フロー計算書です。営業活動によるキャッシュ・フローは16億7,800万円です。投資有価証券の売却や売上債権の減少等により、このような数字となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローはマイナス5億700万円です。こちらは固定資産の取得や投資有価証券の売却によるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当の影響がありました。最終的に、現金等期末残高は84億6,900万円となりました。

主な設備投資内容・設備投資額推移

主な設備投資内容・設備投資額の推移です。推移はスライド左側のグラフのとおりです。

内容はスライド右側の表のとおり、トータルでは、前期比85.1パーセントの9億2,800万円となっています。

2024年3月期の主な設備投資の内容は、産業機器では複合加工機および旋盤等の機械装置、渦巻ばね製造設備です。合理化投資、内製化投資、動産にまつわる投資を行いました。

検査計測機器では、評価用検査計測装置の策定を行いました。

研究開発の状況

研究開発の状況です。研究開発費はトータルで7億6,700万円です。内訳は、スライド右側の表に記載のとおりです。

研究開発の内容として、住生活関連機器では環境対応で新素材の研究開発等を行っており、主に環境にやさしい素材の活用について研究しています。

また、金属3Dプリンターを活用した開発試作等も行っています。併せて、体外診断用医薬品および診断装置の開発も行っていますが、2023年11月に上市し、事業としてスタートしています。

検査計測機器では、高速・高分解能新型カメラおよび画像処理装置の開発、また、AIによる欠陥分類の開発・検討などを行っています。

新規事業開発関係(基礎研究)では、医薬関連機器の開発およびMEMS(微小電気機械システム)デバイスの開発を行っています。詳細なご説明は控えさせていただきます。

受注高・受注残高の状況

受注高・受注残高の状況です。スライドの左側が受注高の推移、右側が受注残高の推移です。

一番大きなポイントは、画像検査装置の受注残高がどのようになっているかです。2024年3月期の受注残高は54億2,400万円と、前期比で少し減少しています。こちらは、後ほど担当者からご説明します。

以上が2024年3月期決算(連結)のご説明です。

2024年3月期 事業別売上高(単独)の推移

2024年3月期売上高(単独)のご説明です。売上高はスライド右側の表に記載のとおりです。

まず、オフィス家具は103億円、画像計測は68億8,000万円、産業機器は30億4,600万円です。エクステリアは9億4,700万円、健康福祉は9億1,800万円です。

オフィス家具の売上は、前期比で4.5パーセントほど伸びています。こちらは非常に手堅い部門です。比較的変動が少なく、ある程度の売上確保が毎年期待できますし、実績も上げています。2024年3月期は、前期比でプラスとなっています。

画像検査装置は前期比プラス17パーセント強と、半導体関連の売上が上乗せされています。また、FPD(フラットパネルディスプレイ)で若干採算が厳しいものの売上が立ちました。

産業機器は、売上高が30億円近くあり、前期比で15パーセント強伸びています。こちらは、半導体関連や太陽光発電の装置にバルブが使われていることによるものです。

2024年3月期 検査計測装置(単独) 売上高の推移

検査計測装置(単独)の売上高の推移について、簡単にご説明します。

スライド左側のグラフは、検査計測装置品目別の売上高の推移です。一番右側が2024年3月期で、上から半導体、フィルム、FPDです。前期比で半導体は伸びていますが、フィルムは減少しています。こちらは今後、非常に期待できるところです。FPDも前期比で増えています。

スライド右側のグラフは、地域別売上高の推移です。どこに販売したかというグラフですが、2024年3月期は日本国内の販売が増えています。中国は、FPDの売上が立ったため増えています。また、台湾や欧米も増えています。今後は日本、台湾、欧米あたりが増加すると推測しています。

以上が2024年3月期決算のご報告です。

2025年3月期通期予想(連結)

2025年3月期の通期予想(連結)についてご説明します。売上高は240億円と、前期比で若干減少する予想です。

また、営業利益は4億2,000万円、経常利益は5億5,000万円と、前期比で大きく減少する見込みです。親会社株主に帰属する当期純利益は、5億5,000万円と予想しています。

2025年3月期は、全体の景気の見通しを厳しく見ています。為替の動向が非常に気になるところですが、円安方向に動く話も出てきており、「1ドル200円になる」という話もあります。すぐには円高に向かわない中、円安による影響が出てきていると感じています。このあたりが全体の景気に対して、若干の悪影響をもたらすと見ています。

半導体関連は厳しいところがありましたが、回復基調です。当社もいろいろと引き合いの話が増えているため、伸びていくと思います。2025年3月期に新しい注文が決まったとしても、売上が立つのは2026年3月期になります。よい方向に向かっているものの、2025年3月期は数字上での影響が出にくいと考えています。

4月から新しい期に突入していますが、こちらを最低限とし、それ以上のところを目指して進めていきたいと考えています。

1.タカノの経営理念・ミッションと中期経営計画基本方針

新中期経営計画についてご説明します。当社は2025年3月期(72期)を第1期として5年間の新たな中期経営計画を作成し、スタートしたところです。その概略について、ご説明します。

まず、当社の経営理念・ミッションと基本方針をお話しします。当社の長期経営方針は、「百年企業となる」です。この目標は、かなり前に立てました。なぜこのような目標を立てたかというと、「会社の寿命は29年」と言われるように、人間と同様に寿命があるため、事業を人並みに行っていてはダメだと思ったからです。

したがって、人が考えないようなことを考え、成し遂げられないようなことを成し遂げ続けることで、まずは百年企業になろうと考えています。「百年企業となる」のが最終ゴールではありません。こちらを1つの通過点として、隆々と百年目を通過したいと思っています。

ちなみに、当社は創業83年目を迎えます。あと17年経つと百年企業を通過しますので、隆々と通過するために尽力することが、長期経営方針の中に含まれているとご理解ください。

経営基本理念には、いくつかの言葉が盛り込まれています。「常に高い志を持ち、社会のルールを守り、世の中の変化を見すえ、持続的成長・発展を通じ、豊かな社会の実現に貢献する」ことが、基本理念となります。

中期経営計画スローガンは「ONE TAKANO & Growth」です。当社はご承知のとおり、多様な部門があり、さまざま技術・強みも持っています。それを各部門にとどめず、全社で総合力として発揮したいと思っています。そのような意味で、「ONE TAKANO & Growth」というスローガンを立てました。

中期経営計画基本方針の骨子は、技術開発を先行させることです。そして、新しい価値を提供することに併せ、グローバル化も積極的に進めていきます。キーワードは、「創意工夫」「挑戦」「覚悟」そして「Speed」です。

2.事業環境

新中期経営計画について、セグメント別の事業環境をお話しします。スライドのとおり、当社はいろいろな事業・セグメントにまつわる仕事・商売をしています。その事業環境の見通しを、スライドにまとめました。

医療機器・医薬品は、年率5パーセントから6パーセントの成長を予想しています。特に、最近始めた国内でのアレルギー検査が急成長しています。

今までは、アレルギー検査を検査センターに持ち込んで行うケースが多かったのですが、最近は、「自分たちのところで早く検査して結果を出したい」という、小さい病院やクリニックからのニーズが非常に強くなっています。したがって、このあたりの市場を狙っています。

医療機器・医薬品は、これから成長する分野だと思っています。当社の具体的な部門としては住生活関連機器部門で、メディカルや健康福祉が行っています。産業機器部門も、こちらに関連する仕事を行っています。

福祉については、高齢化が引き続き進んでおり、介護保険ビジネスは競争が非常に激しくなっています。こちらの事業環境としては、困っている方が多いため、問題を解決する商品やサービスを開発し、提案していくことを目指しています。このあたりのニーズは多々あると考えており、当社の福祉部隊が担当しています。

オフィス家具全体の事業環境として、今後5年間のオフィス供給は、過去5年間の平均を下回る見込みです。オフィスビルの空室率も高値で止まっています。この業界は価格が非常に高く、大きく売れることはあまりありません。むしろ今は新しい働き方や多様な働き方が求められているため、オフィスのニーズに変化が生まれています。

昔は「オフィスビル」と呼んでいましたが、最近は複合商業ビルとして、新しいビルが建っています。そこにはオフィスだけでなく、それ以外の多業種も入っています。例えば店舗やクリニック、場合によっては学校や法律事務所も入っています。このように多業種が1つのビルに入っており、ビルの環境が変わってきています。

今は新しいオフィスのあり方が問われています。そこには新しいニーズが出てきていますので、開発を強化し、引き続き進めていきたいと考えています。

半導体・電子部品、電池・エネルギー関連は、足元は若干足踏み状態ですが、中長期で見れば間違いなく伸びる業界です。こちらに関連している画像検査装置は、ウエーハの検査をはじめ強化していきます。それ以外にも、半導体にまつわる検査に取り組みたいと思っています。

また産業機器のところも、半導体装置の中に組み込まれる機能部品としてバルブがあります。それは、ガスの流量を制御するものです。そのようなことを私どもの産業機器部門で行っていますので、これから非常に期待できます。半導体・電子部品、電池・エネルギー関連は、積極的に投資あるいは技術開発等を進めていきたいと思います。

エクステリアに関して、エクステリアとはインテリアではなく、アウトドアという意味合いになります。特に、新型コロナウイルスが広がり始めたあたりから、アウトドアの生活が見直されてきていますので、エクステリアはまさにアウトドアで使う商品です。

私どもが特に取り組んでいるものに「オーニング」と呼ばれる日よけがあります。エクステリア業界が進んでいるのはアメリカ・ヨーロッパで、日本は遅れています。しかしながら、アウトドアの生活スタイルが増えていることから、「オーニング」市場もこれから広がっていくと見ています。例えば東京駅の近くや銀座など、いろいろな場所でこのような商品がかなり見られるようになりましたので、今後、期待ができます。

工作機械等は、当社のグループ会社であるニッコーが行っている事業です。お客さまは製造業が多く、円安の影響もあり、国内回帰も出てきています。したがって、国内に投資することもあります。また、人手不足によるFA・省人化投資も増加しており、自動化・省人化の設備や機械、システムが問われていますので、市場としては非常に有望だと思っています。

このあたりを、私どもが行っている部門の事業環境として捉え、「伸びるであろう」というところを積極的に伸ばしていきたいと考えています。

3.重点投資分野

重点投資分野について、投資のあり方や考え方をご説明します。スライドの表に記載のとおり、5年間の累計投資額を90億円にしたいと考えています。

事業構造改革として、成長市場への集中投資・高付加価値事業へのシフトのための投資を行います。具体的には、「半導体関連事業」「医療/福祉関連」「新しいオフィスへの対応」です。特に研究開発費に関しては、5ヶ年累計で約50億円の投資を考えています。

スライド右側のBCP強化についてです。事業継続のため、老朽化設備の更新を行います。最近は災害の被害が大きいです。災害は避けることができませんので、災害が起こっても、被害を最小限に食い止められるような環境作りが必要だと思っています。また、生産性の向上にも積極的に投資していきたいと考えています。

環境関連投資は、自家消費型太陽光発電の設置を進めています。また、開発の段階においては、「環境にやさしい商品づくり」ということで、環境にやさしい素材をできるだけ活用した商品開発も進めています。

DX化推進は、非常に重要なポイントになります。工場のDX化を進めるにあたり、次期基幹システムの構築を行っています。このあたりをきちんと進めることで、DX化をより進めていきたいと考えています。

以上が重点投資の具体的な内容です。

4.業績目標

業績目標についてです。スライドの表の一番右側が、最終年度である5年後の目標値になります。連結売上高300億円以上、連結営業利益30億円以上、連結営業利益率10パーセント以上を、具体的な目標値としています。

5.経営指標

当社は資産効率等が若干弱いと考えています。したがって、もう少し上げていかなければなりません。このあたりは、十分承知していますので、中期経営計画の目標を達成することによって、ROE約6パーセントへの向上を図ります。当然ながら、「6パーセント程度でよいのか」という見方もあると思いますが、5年後にはここをクリアしていきたいと思っています。また、EBITDAも45億円程度を狙っていきたいと考えています。

6.配当目標

配当目標は、中期経営計画の中でも謳っていますが、配当性向40パーセントを1つの目安として実行していきたいと思っています。

簡単ですが、以上が新中期経営計画のご説明です。

1.南平工場で 太陽光発電の電気利用開始

トピックスについてご説明します。1つ目に、当社の画像検査装置の生産拠点である南平工場で、昨年11月、太陽光パネルを新たに設置しました。こちらで電気使用量の20パーセントを賄う予定です。

同工場では地元の水力発電等の活用により、すでに100パーセントCO2フリー電力を導入しています。引き続き、ほかの部門でも行っていきます。

2.ルビーショップ リニューアルオープン

2つ目に、「ルビーショップ」がリニューアルオープンしました。「ルビー」は宝石のルビーを指します。私どもの商品にはソバのタネがあります。ソバの花は白いものですが、当社はルビー(ピンク)色であり、正式名称は「高嶺ルビー」です。当社エクステリア工場の隣でタネをまいているため、「ルビーショップ」を作ることで、地域貢献にもなっています。

エクステリア部門では、日よけを作っています。当社は日よけの端材でエコバックを作っており、非常に好評です。そのことを聞きつけた地元のSBC信越放送が取材に来て、放映されました。このように、端材で新しい商品を作り、販売も始めています。

この場所は、赤い花のソバのタネをまいて、地域の観光や活性化に貢献していますし、私どものエクステリア部門の展示場にもなっています。

3.地元の小学校で、モノづくり授業実施

こちらも環境にまつわるところですが、3つ目に地元の小学校で、「モノづくり授業」を実施しました。

当社にはファニチャー(家具)部門があり、椅子を作る際に出る生地の端材で、小学生を対象にクッションを作る活動を行っています。このような活動を通して、モノの大切さとともに「モノをつくる楽しさ」を子どもにも知ってもらいたいということで、数年前から始めています。

私からのご説明は以上です。

セグメント情報

鷹野雅央氏:検査計測部門担当の鷹野より、ご説明します。今後、どのような方針で取り組んでいくのかに絞って、お話ししたいと思います。

まずセグメント情報についてです。検査計測機器のセグメントとして、3つの事業体が含まれています。タカノ株式会社の検査計測部門、子会社であるタカノ機械株式会社および台湾にある台湾鷹野(台湾鷹野股份有限公司)の3つです。

これからご説明するのは、メインとなるタカノ株式会社の検査計測部門についてです。公開しているセグメント単位での数字とは若干異なりますので、はじめにそちらをご説明し、そのあと詳細をお話しします。

部門売上計画(計画:2025年3月期)

部門売上計画についてです。スライドのグラフをご覧ください。2024年3月期の売上実績は、約68億円で増収となりましたが、2025年3月期にかけては約61億円と、減収を見込んでいます。

この点に関して、グラフの薄いグレーの部分、FPD関係の減収が大きいと見ています。私どもが注目しているのは濃い青色部分、半導体事業の売上をどれだけ伸ばしていけるかだと思っています。ですので、全体としては減収を見込んでいます。

しかしながら、この点についてネガティブな認識はしていません。2025年3月期は、この半導体事業をどれだけ伸ばしていけるかに注目して取り組んでいきたいと思っています。また、新中期経営計画が始まり、3年、5年単位で半導体事業をどのように伸ばしていくかを考えていくことになると思っています。

部門戦略

半導体事業をこれからどのように伸ばしていくか、方針を端的にご説明します。スライドの左側をご覧ください。新中期経営計画の方針は、一言で言えば研究開発を大きく強化することです。

これまでを振り返ると、「半導体シフト」ということで、液晶パネル関係のビジネスから半導体事業に構造改革を進めてきました。その過程で「グローバル化」をかなり進めており、海外の販売が増えました。

具体的な数字をお伝えします。半導体シフトという観点において、これまでの半導体事業の売上構成は、20パーセント以下の状況でしたが、ここ数年で40パーセントを占めるところまで持ち上げることができています。したがって、それをさらに増やしていきたいと思っています。

またグローバル化においては、半導体の一製品に限りますが、これまでの海外展開比率5パーセント、10パーセントから54パーセントと、半分以上が海外での売上になる事例も出てきています。ですので、前回の中期経営計画では、半導体シフト・グローバル化を進められたと思います。

今回の中期経営計画に関しては、研究体制を強化したいと考え、数字を挙げています。研究開発関連費用は1.5倍に大きく増やしたいと思っています。こちらは、2025年3月期のタイミングで1.5倍という意味合いです。

新中期経営計画の3年、5年の単位で言えば、1.5倍はミニマムな数字だと考えています。こちらを3倍、4倍、5倍といった規模感にするためには、研究開発のテーマがなければなりません。テーマをお客さまからしっかりと拾って、研究開発の投資に反映していきます。

まずは1.5倍からスタートしますが、こちらを増やせるように、今回の中期経営計画はがんばっていきたいと思っています。

市場認識

市場認識について、半導体事業は、足元では受注環境が非常に厳しいところもありますが、技術革新が進んでいます。非常に明るい業界だと考えていますので、今後も邁進していきたいと思います。

簡単ですが、ご説明は以上です。

配信元: ログミーファイナンス

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