ポバール興業、売上高過去最高達成、特殊設計機械事業が黒字回復 新工場建設等で減益も各種成長戦略が進行中

投稿:2024/05/28 13:00

目次

松井孝敏氏(以下、松井):みなさま、本日はお忙しい中ご出席賜り、誠にありがとうございます。ポバール興業株式会社、代表取締役社長の松井孝敏と申します。ただいまから2024年3月期の当社決算説明会を行います。よろしくお願いいたします。

本日は、決算概要、新中期経営計画という流れでご説明いたします。それでは決算概要について、管理部経営企画課の吉村よりご説明いたします

1. 2024年3月期通期決算概要〈連結〉

吉村仁利氏:決算概要についてご説明いたします。4ページをご覧ください。

2024年3月期の通期業績は、売上高35億8,900万円となりました。これは対前期0.7パーセントの増収であり、通期の売上高としては過去最高となりました。営業利益は3億1,700万円で、対前期 13.7パーセントの減益、経常利益は3億4,500万円で、対前期9.8パーセントの減益、当期純利益は1億8,500万円で、対前期27.5パーセントの減益となりました。

主な減益要因は、新工場立替えに伴う旧工場棟の解体にかかる費用によるものであります。一株当たりの年間配当は、1円増配の37円を予定しており、7期連続の増配となります。

1. 2024年3月期通期決算概要〈売上高〉

次に5ページをご覧ください。過去3年間の売上高の推移を示しております。2022年3月期より、毎期増収の結果となりました。

1. 2024年3月期通期決算概要〈営業利益・経常利益〉

次に6ページをご覧ください。過去3年間の利益の推移を示しております。営業利益では、2022年3月期より、毎期減益の結果となりました。

1. 2024年3月期通期決算概要〈営業利益・増減分析〉

次に7ページをご覧ください。2024年3月期の営業利益について、前期比での増減要因をご説明いたします。

売上高の増加によって 1,200万円の増益、原料価格高騰分の販売価格への転嫁で1,000万円の増益となった一方で、原料価格高騰の影響で1,000万円の減益、新工場建替えに伴う設備の移設費用で4,700万円の減益となりました。

これらの要因により、2024年3月期の営業利益は、3億1,700万円となりました。

1. 2024年3月期通期決算概要〈セグメント:総合接着樹脂加工〉

次に、8ページをご覧ください。2024年3月期のセグメント別の状況についてご説明いたします。

総合接着樹脂加工事業の売上高は、ベルト関連製品において、自動車・鉄鋼業界向けの需要が底堅く推移しました。

研磨関連製品においては、次世代半導体用の研磨パッドの売上が拡大した一方で、ディスプレイ用の研磨部材において、需要回復の遅れや、得意先の在庫調整による受注の減少の影響を受けたことで、前期比で0.9パーセントの減収となる29億2,400万円となりました。

営業利益につきましては、新工場建替えに伴う設備の移設費用が発生した影響により前期比で18.8パーセント減益となる3億7,100万円となりました。

1. 2024年3月期通期決算概要〈セグメント:特殊設計機械〉

次に9ページをご覧ください。特殊設計機械事業の売上高は、新規開拓を積極的に行った結果、食品業界向けの加工機、メカニカルシールなどの機械部品の受注が増加し、前期比で8.0パーセント増収となる6億6,400万円となりました。

営業利益は、売上が増収となった影響により黒字回復となる900万円となりました。

2. 業績推移

次に10ページをご覧ください。業績推移についてご説明いたします。

2022年3月に東京証券取引所に上場後、3期連続の増収となっております。一方で、経常利益率は、3期連続の減少となりました。

3. トピックス

次に、11ページをご覧ください。2024年3月期のトピックスをご説明いたします。

経済産業省が実施する健康経営優良法人認定制度により「健康経営優良法人 2024(中小規模 法人部門)」に認定されました。当社が健康経営優良法人に認定されるのは初めてとなります。

今後も従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮でき、いきいきと働くことが出来るよう、職場環境の整備や従業員の健康維持に取り組み、引き続き、健康経営を推進してまいります。

それでは、経営計画につきまして、社長の松井よりご説明いたします。

1 .前中期経営計画の振り返り

松井:それでは、経営計画についてご説明いたします。まず初めに、前中期経営計画の振り返りを説明させていただきます。

13ページをご覧ください。前中期経営目標の達成状況は、2022年3月期こそ目標を達成いたしましたが、2023年3月期、2024年3月期におきましては、目標は未達成となり、事業のさらなる成長性が課題となりました。

1 .前中期経営計画の振り返り

次に、14ページをご覧ください。2024年3月期は、売上高で過去最高値の35億8900万円を計上するものの、目標には未達となりました。

経常利益は、工場再構築を当初の予定より6ヶ月前倒しした影響により、目標未達となりました。

1 .前中期経営計画の振り返り

15ページをご覧ください。各項目の実施事項と今後の課題についてご説明いたします。

ソリューションビジネスでは、製品情報ホームページのリニューアルを実施いたしました。グローバル展開では、中国子会社におきまして、新工場への移転が完了いたしました。

成長事業・新規事業推進では、半導体研磨パッドの販路を開拓いたしました。生産の合理化では、新工場棟の建て替えを行っております。

共感力の浸透では、管理職研修を実施いたしました。サステナビリティへの取り組みでは、ガバナンス体制の整備を実施いたしました。

1 .前中期経営計画の振り返り

次に16ページをご覧ください。サステナビリティへの取り組み状況についてご説明いたします。

生産性向上の項目では、各事業での生産性向上6パーセントを目標に、作業効率の改善に取り組み、向上率8パーセントを達成いたしました。

環境の項目では、光熱費2パーセント、材料費比率1.5パーセント削減を目標に、材料ロスの削減、材料効率の向上、生産工程の改善に取り組み、材料費比率マイナス1.8パーセントを達成した一方、光熱費は、電気代の高騰による影響を受けプラス62.9パーセントと目標未達となりました。

社会の項目では、働きがい指標として、有給取得率の向上、労働時間の適正化等に取り組みました。有給取得率は、57.4パーセントから64.7パーセントへ向上、労働時間の適正化は、平均残業時間をマイナス0.8時間となる3.7時間に削減、外国人労働者につきましても、当社において9名を雇用する結果となりました。

一方で、男性の育休取得率は0パーセント、女性管理職率も0パーセントとなり、目標未達となりました。ガバナンスの項目では、ハラスメントのない職場を目指し、定期的に研修を実施いたしました。

2 .外部環境の認識・見通し

次に17ページをご覧ください。外部環境の認識、見通しについてご説明いたします。

世界情勢につきましては、地域紛争の長期化、各国の政策金利引き上げ等の要因により、 先行き不透明な情勢が続くものと考えられます。国内情勢につきましては、原材料・エネルギー価格の高止まり、賃金上昇によるインフレの進展、少子高齢化による労働力の確保が 厳しい状況になると考えられます。

環境問題につきましては、脱炭素社会へのシフトによる商流の変化が考えられます。そのような状況の中、当社グループにおきましては、アジア業績の下振れ、国内の労働力不足による人材確保が難航するなどの懸念が想定されます。

3 .新中期経営計画〈基本方針〉

次に18ページをご覧ください。新中期経営計画の基本方針と基本戦略についてご説明いたします。

新中期経営計画の基本方針は、当社は2027年に創業70年を迎えるにあたり「常に新しいサムシングを求め、現場視点でものづくりを発想し、チャレンジし続けることで、進化していきます」 とする経営理念に立ち返り、次世代に向かって新たな挑戦を始めてまいります。

そして、これからも常に現場の視点に立ち、職人集団としてのプライドをもって、お客さまの黒子的存在となり「モノづくり」を支え続けてまいります。

3 .新中期経営計画〈目標①〉

次に19ページをご覧ください。新中期経営計画についてご説明いたします。

今回発表いたしました2025年3月期を初年度とした中期経営計画は、売上高は、ディスプレイ用研磨部材で客先での在庫調整は終了し、半導体用研磨パッドの販路拡大等により、2027年3月期は38億円、2024年3月期比プラス5.8パーセントを計画しております。

営業利益につきましては、将来への基盤投資である開発投資・IT投資、人的資本投資を継続、推進しつつ、工程改善やDX導入などの投資効果を回収し、2023年3月期水準への回復を計画しております。

3 .新中期経営計画〈目標 前項以外〉

次に20ページをご覧ください。引き続き、中期経営計画の数値目標についてご説明いたします。

財務情報としては、2027年3月期目標として、経常利益4億1,300万円、親会社株主に帰属する当期純利益2億4,700万円、自己資本比率82.0パーセントを計画しております。

非財務目標では、2030年度を目標として、CO2の排出量を32パーセント削減、廃棄物重量を30パーセント削減、有給所得日数は1人あたり年間15日を、残業時間は原則0時間を目標としております。

3 .中期経営計画〈課題 ・重点実施事項〉

次に21ページをご覧ください。中期経営計画の重点実施事項をご説明いたします。

ソリューションビジネスの推進では、顧客ニーズの深耕とニッチ分野の発掘を進めてまいります。グローバル展開では、アジア地域内で最適な生産・供給体制の構築を目指します。

成長事業・新規事業推進では、次世代ウエハ用研磨パッドの改良・拡販を推進してまいります。生産の合理化では、生産効率を図るためロールストッカー、及びAGVを導入いたします。

共感力の浸透では、健康経営を推進してまいります。サステナビリティへの取り組みでは、CO2排出量削減、VOC排出量削減、廃棄物の縮減に取り組んでまいります。

3 .新中期経営計画〈重点項目〉

次に22ページをご覧ください。ソリューションビジネスの推進についてご説明いたします。

当社は、素材選定技術・接着技術・樹脂加工技術の3つのコア技術を駆使することで、他社との差別化を図ることができる最大の強みとしております。

この3つのコア技術を駆使し、お客様のニーズをくみ取り、最適な製品を提案するソリューションビジネスを強力に推進いたします。

3 .新中期経営計画〈重点項目〉

次に23ページをご覧ください。成長事業・新規事業推進についてご説明いたします。

販売が開始いたしました研磨パッドのさらなる改良により、販路の拡大を目指します。脱VOCの実用化を目指し、脱炭素素材を使用したサステナブルベルトの開発を行います。

3 .新中期経営計画〈重点項目〉

次に、24ページをご覧ください。生産性の合理化についてご説明いたします。

2024年12月の竣工を目指し、生産・物流効率を追求した工場を建設しております。完成後は、延べ床面積は従来の1.6倍となり、ロールストッカー、AGVの導入により、物流効率、生産能力の向上を目指します。

この設備投資による投資効果を回収し、さらなる基盤投資を行ってまいります。

4 .株主還元方針

次に25ページをご覧ください。株主還元方針についてご説明いたします。

当社は、連結配当性向30パーセントを基本に、安定的な増配の継続を目標としております。さらに、自己株式の取得、株主優待制度の維持・拡充も検討してまいります。

2024年3月期の期末配当につきましては、1株あたり18.5円、年間配当は1円増配の37円となります。また、2025年3月期は、中間、期末において19円、年間配当38円を予定し、8年連続の増配を予定しております。

当社からのご説明は以上でございます。大変長らくのご清聴、誠にありがとうございました。

配信元: ログミーファイナンス

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