~カラオケを超えて、新しいエンタメ・インフラ企業をめざす~
【ポイント】
・今2024年8月期の2Q累計(上期)のカラオケは極めて好調であった。カラオケだけで、スピンオフ前のカーブスを含めた経常利益を抜いた。これは画期的なことである。2020年8月期の上期の経常利益は5231百万円であったが、今上期は5542百万円であった。当時は6割以上がカーブスの利益であった。カーブスをスピンオフする時、カーブスに依存しない体制を作ると宣言したが、それがコロナ禍を経て実現している。
・なぜカラオケで大幅に稼げるのか。それは、コロナ下にあって業界が弱る中で、果敢な出店を継続したことによる。前期末のカラオケ店620店中、25%の158店をこの3年半で出店した。これが需要回復局面で、従来の既存店と遜色ない収益を上げている。まねきねこの集客力の高さが光っており、来期は営業利益で100億円を超えてこよう。
・2つの戦略を遂行している。1つは、プライベート エンターテイメント ルーム(PER)の実現を加速させており、もう1つはシェア拡大のチャンスとして、果敢な出店をM&Aを含めて展開している。駅前繁華街への新規出店を軸に、50店(平均30~40ルーム)ペースでしっかり進めている。
・昨年、本社を渋谷の道玄坂に移した。新しいエンタメ・インフラ企業を目指して、新立地をベースにブランド戦略を遂行している。働き方改革も進めており、人材の採用と定着にも寄与してこよう。
・次の成長戦略として、カラオケルームでの楽しみ方に、新しいデジタル技術を持込み、新商品や新サービスを開発していく。DXによる新規事業として、バーチャルキャラクターになれるカラオケサービスも順次拡大している。海外事業はコロナ禍で苦戦を強いられたが、ようやく黒字化が見えてきた。マレーシア、タイ、インドネシアを含めて、次第に加速しよう。海外事業は今期で黒字化し、来期には連結に入ってこよう。
・当社のカラオケの競争優位性は引き続き高い。「エンタメをインフラに」をビジョンに、「既存業種新業態」を軸に中長期的な成長を目指す。収益性は急ピッチで向上している。新しいコンテンツがヒットしてくれば、株式市場での評価も一段と高まってこよう。
目次
1.特色 「既存業種新業態」の余暇サービス提供企業
2.強み カラオケの首都圏展開で競争力を発揮
3.中期経営方針 カラオケからプライベートエンターテイメントへ
4.業務連携 アドバンテッジ アドバイザーズと提携し、成長を加速
5.当面の業績 本格回復が加速し、収益力が向上
6.企業評価 新たなエンタメの世界へ
企業レーティング | A |
---|---|
株価 (2024年4月30日) |
867円 |
時価総額 | 714億円 (82.3百万株) |
PBR | 2.46倍 |
ROE | 23.7% |
PER | 10.4倍 |
配当利回り | 1.6% |
総資産 | 59188百万円 |
純資産 | 28697百万円 |
自己資本比率 | 48.5% |
BPS | 352.0円 |
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2017.8 | 55283 | 6146 | 6354 | 3255 | 43.6 | 9.0 |
2018.8 | 61771 | 7858 | 8207 | 4426 | 54.4 | 10.0 |
2019.8 | 65840 | 9507 | 9562 | 6226 | 76.6 | 12.0 |
2020.8 | 43303 | 1147 | 1699 | -231 | -2.8 | 12.0 |
2021.8 | 20791 | -7628 | -3092 | -4144 | -50.8 | 4.0 |
2022.8 | 37995 | 2205 | 5331 | 3643 | 44.7 | 8.0 |
2023.8 | 54629 | 7667 | 7767 | 7104 | 87.1 | 12.0 |
2024.8(予) | 63000 | 9300 | 10000 | 6800 | 83.4 | 14.0 |
2025.8(予) | 68000 | 10500 | 10200 | 7000 | 85.9 | 16.0 |
(2024.2ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは来期ベース。2018年5月末で1:4の株式分割を実施。それ以前のEPS、配当は修正ベース。カーブスを2020年2月末でスピンオフ(1:2.109の株式分割に相当)。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/kosidaka202404.pdf
(開示)日本ベル投資研究所は、当社株式を1000株ほど中長期的に所有している。〔アナリストレポートの原則についてはこちら〕
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