チーフ・アナリスト藤根靖晃が、直近に発行された全レポートから独自の視点(ROE・財務レバレッジ・PBR水準等)で、注目銘柄をピックアップしています。
いすゞ自動車 <7202> 【1→1】
「2030年度に売上高6兆円、営業利益率10%以上、ROE15%以上を目指す」
4月3日に2030年度(31/3期)を最終年度とする中期経営計画を発表。中計では100年に一度の変革期においてグローバル市場で「商用モビリティソリューションカンパニー」への変革を目指す。最終年度の収益性目標は売上高6兆円、営業利益率10%以上、ROE15%以上とし、本中計期間にイノベーションで1兆円、既存事業で1.6兆円の投資(設備投資R&A)を実施する。新中計での戦略は理にかなっており、現実的で妥当とTIWは考える。また、TIWの計算では売上高は年平均8%強、営業利益は毎期2桁以上の高い成長を見込む中計となっている点もポジティブに評価できる。足下の業績は堅調であり、更には株価指標面にも割安感があるため、目標株価は2,650円を継続し、投資評価は「1」を維持する。
予想ROE:10.7% PBR:1.1倍、来期予想PER:8.5倍、来期予想EPS成長率:7%株価(4/19終値):1,930.5円 Fモデルによる理論株価:2885円(4月15日by高田悟)
パーク24 <4666> 【2+→2+】
「3月月次は中核の国内駐車場を中心に堅調な推移を示す」
4月15日に3月月次速報推移を発表。駐車場事業国内においては中心となるタイムズパーキングの売上高が前年同期比106.5%増となった。24/10期に入り5カ月連続で毎月5%以上の増収を確保した。モビリティ事業は、3月のタイムズカーの1台当たりの利用料は前年同月より伸長、会員数は前月より51千人増加の2,648千人になった駐車場事業海外においては、英国での駐車場稼働は緩やかに回復しており、豪州での駐車場稼働は漸増している。24/10期計画は上振れが見込めることなどに加え、コロナ禍で傷んだ財務の改善も着実に進んでいることや株価指標面にも特段割高感がないため、TIWでは投資評価は「2+」を維持する。
予想ROE:30.8% PBR:4.8倍、来期予想PER:12.3倍、来期予想EPS成長率:15%株価(4/19終値):1,718.5円 Fモデルによる理論株価:1630円(4月19日by高田悟)
太平洋工業 <7250> 【2+→2+】
「電動車用バルブ製品の新工場を建設」
4月17日に北大垣工場内に電動車用の熱マネジメントシステム向け各種バルブ製品生産の新工場を新設(2025年3月稼働)すると発表。電動車向けバルブ製品では特に電動車において熱マネジメント上で効率的なヒートポンプ式のエアコンシステムの採用が進む中でシステム内の冷媒を制御し、温度管理に不可欠であり市場拡大が見込める「電子膨張弁」に注力する。新工場はグローバルマザー工場として世界最小クラスの小型・軽量設計の「電子膨張弁」などを生産する予定。業績面では23/3期2Q(7-9月)を底に回復が進んでおり、24/3期は営業過去最高益での着地見込める中、実績PBR0.66倍の株価は評価不足とTIWでは考えるため投資評価は「2+」を維持する。
予想ROE:10.4% PBR:0.7倍、来期予想PER:8.7倍、来期予想EPS成長率:-21%株価(4/19終値):1,634円 Fモデルによる理論株価:2746円(4月19日by高田悟)
TIWではコンセンサス・データ等を利用して、独自に日経平均の今期予想ベース、来期予想ベースのROE、PBR、リスクプレミアム等を算出しております。(詳しくは、以下のサイトをご覧下さい)
〔 http://column.ifis.co.jp/category/market/tiw 〕
こうして算出したマーケット参考値と個別企業の株価指標を比較し、さらにアナリストの予想を加味して選択をしています。
※文中のROE、PBR、PER等の数値は、特に断りが無い限りは、レポート発行時に算出した値です。
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