イノベーション Research Memo(6):2024年3月期上期は減収減益

配信元:フィスコ
投稿:2024/03/29 13:16
*13:16JST イノベーション Research Memo(6):2024年3月期上期は減収減益 ■業績動向

1. 2024年3月期上期の業績概要
イノベーション<3970>の2024年3月期上期の連結業績は、売上高で前期比12.4%減の2,110百万円、営業利益で同16.3%減の231百万円、経常利益で15.6%減の234百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同1.2%減の136百万円となった。特に主力のオンラインメディア事業の売上高が前期比17.9%減の1,458百万円、セグメント利益が同8.6%減の610百万円となったことが大きく響いたが、オンラインメディア事業の売上高のうち過半を占める「ITトレンド」は依然としてユーザー側のIT製品を探す意欲は強く、ITトレンド単体では前期比で2ケタ%程度の堅調な増収基調が続いたものの、オンライン展示会の開催による出店料が売上高のベースとなる「ITトレンドEXPO」において、2023年3月期は年間3回の展示会が開催されたものの、2024年3月期上期は開催がなかったことで大幅減収となった。なお、1回の展示会開催による平均売上高は2~3億円と同社の売上規模に比べて大きく、開催の有無やその規模が四半期業績の大きな変動要因となる点に留意する必要がある。なお、同社では2025年3月期は2024年3月期とは異なり、年複数回のオンライン展示会の開催を計画している。

2. 事業セグメント別動向
(1) オンラインメディア事業
オンラインメディア事業は、売上高で前年同期比17.9%減の1,458百万円、セグメント利益で同8.6%減の610百万円となった。主力の「ITトレンド」の来訪者数(延べ人数)は同7.1%減の980万人となった。コロナ禍以降のDXブームが一巡し、来訪者数は停滞気味となった。また、「ITトレンドEXPO」において、2023年3月期は年間3回の展示会が開催されたものの、2024年3月期上期は開催がなかったことで大幅減収となった。

(2) ITソリューション事業
ITソリューション事業は、売上高で前年同期比8.7%減の219百万円、セグメント利益で同3.0%増の61百万円となった。主力製品である「List Finder」の2023年9月末のアカウント数は前年比で減少へ転じているとみられ、1アカウント当たりの単価は横ばい基調で推移した。一方、新規事業である「コクリポ」は、機能追加のための投資などにより費用が増大するなかで新規アカウントの獲得に苦戦し、累計アカウント数は横ばいが続いている。

(3) 金融プラットフォーム事業
金融プラットフォーム事業は、売上高で前年同期比11.2%増の431百万円、セグメント利益で4百万円(前年同期は12百万円の損失)となった。独立系フィナンシャルアドバイザーの増員により体制が強化されたこと、また、デジタルマーケティングを活用した営業方法に切り替えたことで損益が改善した。ただし、まだ四半期の損益はほぼ収支均衡を挟んでの推移となっており、引き続きIFA事業の体制整備、効率化の進展が待たれる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)

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