クレハが今期業績予想を下方修正、中国PVDF増強計画中止し熱収縮多層フィルム事業から撤退

配信元:みんかぶ
著者:MINKABU PRESS
投稿:2024/03/27 16:27
 クレハ<4023.T>は27日の取引終了後、24年3月期の連結業績予想の下方修正を発表した。今期の売上収益予想を30億円減額して1770億円(前期比7.5%減)、最終利益予想も30億円減額して75億円(同55.5%減)に引き下げた。中国においてフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)製造設備の増強計画を中止する。業務用食品包装材部門では、熱収縮多層フィルム事業の撤退も決定した。これに伴い、関連する損失などを業績予想に織り込んだ。

 同社は21年に中国・常熟市でのPVDF製造設備の増強を決めたものの、現地での環境政策の変更に伴いスケジュールの遅延が発生。米国インフレ抑制法の成立で、リチウムイオン電池関連の市場環境にも変化が生じた。中国から米国への輸出が難しくなるなか、いわき事業所(福島県いわき市)における製造設備の増強で当面の需要に対応できると判断した。中国での既存のPVDF製造設備は、現地および欧州向けに生産を継続する。

 熱収縮多層フィルム事業に関しては、欧州でのインフレによるコストの増加などを背景に、事業の継続は困難と判断した。これらを受けた業績への影響は25年3月期にも出ると想定するが、中国での設備増強計画の中止に関する手続きや会社清算費用などで精査が必要だとして、金額は未定としている。

出所:MINKABU PRESS
配信元: みんかぶ

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