*14:13JST デイトナ Research Memo(3):世界のバイクライダーのニーズに対応する商品・サービスを提供(2)
■デイトナ<7228>の会社概要
3. 事業領域
二輪事業(国内・海外)を主力に、アウトドア、電動乗物事業、リユースビジネス、GMD(「耕運機」「除雪機」「発電機」などの特機商材)、新エネルギー開発、産学連携事業などの新規事業を展開している。
(1) 二輪事業
二輪事業は、国内二輪事業及び海外二輪事業からなる。国内二輪事業は同社の基幹事業で、オートバイ用オリジナルカスタマイズ部品・用品の企画、開発、販売と、世界中から選りすぐりの部品・用品の輸入、販売を展開している。海外二輪事業では北米及び欧州をはじめ、アジア地域に向けた商品の企画、開発、販売を行っている。特筆すべきは、同社は正規代理店として海外の優れた商品を提供することのみを目的とはしていない点にある。一例を挙げると、日本語の取り扱い説明書を自社で作成するなど、日本のユーザーが買い求めやすい環境を整え、海外メーカーが日本人の感覚に寄り添えるよう助言する活動を行っている。この結果、海外ブランドから高い信頼を得ている。また、海外では、卸売業者や販売代理店といったディストリビューターの要望に応え、OEM供給なども手掛けている。主な事例としては、ミニモトクロスのエンジンを企画・開発、外注製造をし、ディストリビューターへ供給している。その他、インドネシアにおいては、首都ジャカルタのあるジャワ島を中心に販売網の整備を推進するなか、連結子会社PT.DAYTONA AZIAを拠点にアセアン地域に対して卸売業者向け販売事業を展開し、国内と同様に現地にてアセアン地域のニーズに合わせたオリジナルカスタマイズ部品・用品の企画、開発、販売を行っている。
(2) 新規事業
2022年7月に設立した新規事業部にて下記の事業を行っている。
a) 電動乗物事業
環境に配慮しながらも快適で効率的な交通手段であることをコンセプトに、新たな電動の乗り物を提案している。一例を挙げると、電動アシスト自転車のデザインを企画し、外注製造により商品化している。子乗せ実用車のイメージが強い電動アシスト自転車だが、利便性や快適性だけでなく、アシスト特有のバッテリーやモーターの存在を極力目立たなくするアイデアを盛り込むなど、デザイン性まで融合させることで高付加価値化を実現しており、ユーザーから高い評価を得ている。
電動アシスト自転車を展開する「E-MOBILITYグループ」は、新たな電動の乗り物として電動キックボード「Daytona Mobility DK01」を販売している。同社の電動アシスト自転車「DE01」をリデザインしたという車両は、12インチタイヤ、前後ディスクブレーキ、左右に分割されたステップボードなどを装備した公道走行可能モデルであり、同社独自の企画力、開発力を生かした商品として、新たなユーザーの獲得が期待される。また、同社は小型電動モビリティについて、高齢化の進む地方での移動手段などの用途も念頭に入れており、高齢者の安全に配慮した3輪型への展開など、今後の動向に期待が持てると弊社では考えている。
b) 新エネルギー開発
「新エネルギー開発グループ」が、化石燃料に代わる、または化石燃料使用量の削減により環境へ貢献できる代替エネルギーの研究と、それを実用化するための商品開発を行っており、「再生可能エネルギーの推進」及び「新エネルギーの開発」を展開している。「再生可能エネルギーの推進」としては、本社屋上に300kW級、敷地内に500kW級の発電施設を設置し、約150世帯分の電力を発電しているほか、静岡県沼津市足高に500kW級、愛知県北設楽郡設楽町に750kW級の太陽光発電システムを設置している。一方、「新エネルギーの開発」としては、大学との産学連携事業として代替エネルギーの研究開発、化石燃料を使用しない発電機の開発を行っている。具体的には、水素ガス発生装置及び水素ガスによる燃焼効率の向上、燃費改善装置の提案などを行っている。
c) その他
新規事業部内の「リユースビジネスグループ」では、地球環境を重視した社内の3R(Reduce、Reuse、Recycle)活動をはじめ、環境負荷削減を目指した商品開発、パッケージ開発を進めている。リユースWEB事業で2017年より展開している車体、パーツ、ウエアなど多彩な商品の「出品」「販売」が行えるフリーマーケットアプリ「ブンブン!マーケット」も同事業部に異動した。「GMDグループ」では少子高齢化の進行や共働き世帯の増加にともなう需要を受け、耕運機、除雪機、発電機などの特機商材を手掛けている。足もとでは防災に対する関心が高まるなか、発電機の需要が増えている。「アウトドアグループ」ではキャンプなどのアウトドア用品を展開しており、ファミリー向けキャンプブームは落ち着いた感はあるが、同社の得意とするソロキャンパー向けの需要は大きいと弊社では考えている。
4. グループ企業
同社のグループ企業は、(株)ライダーズ・サポート・カンパニー、PT.DAYTONA AZIA(インドネシア)及び(株)ダートフリーク、(有)オーディーブレイン、DAYTONA Motorcycles Philippines(フィリピン)の5社となる。
ライダーズ・サポート・カンパニーは二輪車部品・用品の小売販売を行っている。国内最大級の二輪車部品・用品販売店である「ライコランド」及び二輪車中古品販売店「アップガレージライダース」を関東圏に展開している。総合店のメリットを生かした多彩な商品構成により、他店との差別化を図った集客、販売を行っている。
PT.DAYTONA AZIAは、アセアン地域で二輪車部品・用品の開発・販売を行っている。アセアン地域の二輪車市場は活況を呈しており、特にインドネシアではカスタマイズ部品・用品の成長が想定される。現地法人を通じて、地域に密着した商品開発のほか、早期の市場参入による同社ブランドの浸透、育成強化を図っている。
ダートフリークは、国内・海外の二輪車部品・用品の企画・開発・卸売及び小売販売を行っている。ダートフリークが運営するオフロード専門店「Dirtbikeplus(ダートバイクプラス)」は、アジア最大級規模のオフロードバイク用品店で、実店舗とインターネットで販売をしている。ヨツバモト(ダートフリークがプロデュースしたブランド)のキッズ用電動バイクを訴求することで未来のバイクライダーの創出を目指すほか、同社とのコラボレーションによるシナジーでシェアを維持し、アジア地域での販路拡大を図っている。
オーディーブレインは、2022年5月30日、創業者でブランドデザイナーの佐藤義幸氏から経営を託され、同社グループの一員となった。バイクウェアブランド「MaxFritz」を国内複数店舗で展開し、独自の卓越したコンセプトとデザインで根強いファンを獲得している。グループ企業の国内外販路を活用して顧客への訴求領域を広げると同時に、商品力の強化や新ブランドの開発も推進している。
DAYTONA Motorcycles Philippinesは2024年2月に設立され、2024年4月に営業開始を、2024年7月頃には本格的な輸入販売を予定している。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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3. 事業領域
二輪事業(国内・海外)を主力に、アウトドア、電動乗物事業、リユースビジネス、GMD(「耕運機」「除雪機」「発電機」などの特機商材)、新エネルギー開発、産学連携事業などの新規事業を展開している。
(1) 二輪事業
二輪事業は、国内二輪事業及び海外二輪事業からなる。国内二輪事業は同社の基幹事業で、オートバイ用オリジナルカスタマイズ部品・用品の企画、開発、販売と、世界中から選りすぐりの部品・用品の輸入、販売を展開している。海外二輪事業では北米及び欧州をはじめ、アジア地域に向けた商品の企画、開発、販売を行っている。特筆すべきは、同社は正規代理店として海外の優れた商品を提供することのみを目的とはしていない点にある。一例を挙げると、日本語の取り扱い説明書を自社で作成するなど、日本のユーザーが買い求めやすい環境を整え、海外メーカーが日本人の感覚に寄り添えるよう助言する活動を行っている。この結果、海外ブランドから高い信頼を得ている。また、海外では、卸売業者や販売代理店といったディストリビューターの要望に応え、OEM供給なども手掛けている。主な事例としては、ミニモトクロスのエンジンを企画・開発、外注製造をし、ディストリビューターへ供給している。その他、インドネシアにおいては、首都ジャカルタのあるジャワ島を中心に販売網の整備を推進するなか、連結子会社PT.DAYTONA AZIAを拠点にアセアン地域に対して卸売業者向け販売事業を展開し、国内と同様に現地にてアセアン地域のニーズに合わせたオリジナルカスタマイズ部品・用品の企画、開発、販売を行っている。
(2) 新規事業
2022年7月に設立した新規事業部にて下記の事業を行っている。
a) 電動乗物事業
環境に配慮しながらも快適で効率的な交通手段であることをコンセプトに、新たな電動の乗り物を提案している。一例を挙げると、電動アシスト自転車のデザインを企画し、外注製造により商品化している。子乗せ実用車のイメージが強い電動アシスト自転車だが、利便性や快適性だけでなく、アシスト特有のバッテリーやモーターの存在を極力目立たなくするアイデアを盛り込むなど、デザイン性まで融合させることで高付加価値化を実現しており、ユーザーから高い評価を得ている。
電動アシスト自転車を展開する「E-MOBILITYグループ」は、新たな電動の乗り物として電動キックボード「Daytona Mobility DK01」を販売している。同社の電動アシスト自転車「DE01」をリデザインしたという車両は、12インチタイヤ、前後ディスクブレーキ、左右に分割されたステップボードなどを装備した公道走行可能モデルであり、同社独自の企画力、開発力を生かした商品として、新たなユーザーの獲得が期待される。また、同社は小型電動モビリティについて、高齢化の進む地方での移動手段などの用途も念頭に入れており、高齢者の安全に配慮した3輪型への展開など、今後の動向に期待が持てると弊社では考えている。
b) 新エネルギー開発
「新エネルギー開発グループ」が、化石燃料に代わる、または化石燃料使用量の削減により環境へ貢献できる代替エネルギーの研究と、それを実用化するための商品開発を行っており、「再生可能エネルギーの推進」及び「新エネルギーの開発」を展開している。「再生可能エネルギーの推進」としては、本社屋上に300kW級、敷地内に500kW級の発電施設を設置し、約150世帯分の電力を発電しているほか、静岡県沼津市足高に500kW級、愛知県北設楽郡設楽町に750kW級の太陽光発電システムを設置している。一方、「新エネルギーの開発」としては、大学との産学連携事業として代替エネルギーの研究開発、化石燃料を使用しない発電機の開発を行っている。具体的には、水素ガス発生装置及び水素ガスによる燃焼効率の向上、燃費改善装置の提案などを行っている。
c) その他
新規事業部内の「リユースビジネスグループ」では、地球環境を重視した社内の3R(Reduce、Reuse、Recycle)活動をはじめ、環境負荷削減を目指した商品開発、パッケージ開発を進めている。リユースWEB事業で2017年より展開している車体、パーツ、ウエアなど多彩な商品の「出品」「販売」が行えるフリーマーケットアプリ「ブンブン!マーケット」も同事業部に異動した。「GMDグループ」では少子高齢化の進行や共働き世帯の増加にともなう需要を受け、耕運機、除雪機、発電機などの特機商材を手掛けている。足もとでは防災に対する関心が高まるなか、発電機の需要が増えている。「アウトドアグループ」ではキャンプなどのアウトドア用品を展開しており、ファミリー向けキャンプブームは落ち着いた感はあるが、同社の得意とするソロキャンパー向けの需要は大きいと弊社では考えている。
4. グループ企業
同社のグループ企業は、(株)ライダーズ・サポート・カンパニー、PT.DAYTONA AZIA(インドネシア)及び(株)ダートフリーク、(有)オーディーブレイン、DAYTONA Motorcycles Philippines(フィリピン)の5社となる。
ライダーズ・サポート・カンパニーは二輪車部品・用品の小売販売を行っている。国内最大級の二輪車部品・用品販売店である「ライコランド」及び二輪車中古品販売店「アップガレージライダース」を関東圏に展開している。総合店のメリットを生かした多彩な商品構成により、他店との差別化を図った集客、販売を行っている。
PT.DAYTONA AZIAは、アセアン地域で二輪車部品・用品の開発・販売を行っている。アセアン地域の二輪車市場は活況を呈しており、特にインドネシアではカスタマイズ部品・用品の成長が想定される。現地法人を通じて、地域に密着した商品開発のほか、早期の市場参入による同社ブランドの浸透、育成強化を図っている。
ダートフリークは、国内・海外の二輪車部品・用品の企画・開発・卸売及び小売販売を行っている。ダートフリークが運営するオフロード専門店「Dirtbikeplus(ダートバイクプラス)」は、アジア最大級規模のオフロードバイク用品店で、実店舗とインターネットで販売をしている。ヨツバモト(ダートフリークがプロデュースしたブランド)のキッズ用電動バイクを訴求することで未来のバイクライダーの創出を目指すほか、同社とのコラボレーションによるシナジーでシェアを維持し、アジア地域での販路拡大を図っている。
オーディーブレインは、2022年5月30日、創業者でブランドデザイナーの佐藤義幸氏から経営を託され、同社グループの一員となった。バイクウェアブランド「MaxFritz」を国内複数店舗で展開し、独自の卓越したコンセプトとデザインで根強いファンを獲得している。グループ企業の国内外販路を活用して顧客への訴求領域を広げると同時に、商品力の強化や新ブランドの開発も推進している。
DAYTONA Motorcycles Philippinesは2024年2月に設立され、2024年4月に営業開始を、2024年7月頃には本格的な輸入販売を予定している。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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