日本リビング保証 Research Memo(8):第2四半期累計として、売上高、営業利益ともに過去最高を更新

配信元:フィスコ
投稿:2024/03/14 16:18
*16:18JST 日本リビング保証 Research Memo(8):第2四半期累計として、売上高、営業利益ともに過去最高を更新 ■業績動向

1. 事業活動の進捗と成果
日本リビング保証<7320>は祖業であるHomeworthTech事業(住宅領域の深耕)、及び近年業績が急拡大しているExtendTech事業(新規保証領域の拡大)を両輪として、2024年6月期通期には創業以来15期連続の増収(直近5年間だけでも売上高は2.5倍に急成長)の見通しである。

また、業界初となるような新商品サービス(建物保証、資産価値保証、地震保証など)を次々と生み出し続けることにより、国内延長保証市場(2022年市場規模約1兆5千億円)でのマーケットシェアを拡大しつつ、“業界No.1ポジション”という大きな目標を掲げ、それに向かって突き進んでいる。

2. 2024年6月期第2四半期の業績
2024年6月期第2四半期累計の連結業績は、売上高2,295百万円(前期比31.6%増)、営業利益が537百万円(同62.8%増)、経常利益651百万円(同61.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益444百万円(同60.7%増)と大幅な増収増益となった。特に、利益面(営業利益、経常利益、四半期純利益)については、対前年同期比60%超の大幅増益となっている。その要因として長期保証獲得によって発生する手元資金の運用が好調に推移したことが挙げられる。一方で、持続的成長を見据え、デジタル及び人材への積極的先行投資を進めている。

HomeworthTech事業では、主力の住宅設備保証と建物保証サービスが好調で、特に新築住宅向けの設備保証の売上が拡大した。また建物保証サービスの売上高の伸び率が著しかった。一方で、住宅事業者のアフターサービスを支援するSaaS(アプリ・チャットボットや電子マネーなど)の積極的導入を進めている。SaaSはコア事業である長期保証サービスの受注を促進する役割を担っている。

2024年6月期第2四半期は、新規契約獲得金額997百万円(前期比33.2%増)、前受収益・長期前受収益残高10,339百万円(同21.8%増)、電子マネー発行サービスの導入社数114社(同40.7%増)、未使用残高2,229百万円(同11.2%増)といずれも前期を上回った結果、売上高は1,300百万円(同23.8%増)、セグメント利益は39百万円(同48.0%減)となった。

ExtendTech事業は、太陽光発電や蓄電システムなどの再エネ設備保証サービス(事業全体の6割を占める)が好調。再生可能エネルギー領域では、蓄電池の需要ニーズの高まりや政府の補助金制度の利用などで、家庭用・産業用蓄電システム市場とも活況を呈している。また、教育ICT領域も堅調に推移している。その結果、売上高は952百万円(前期比41.7%増)、営業利益は503百万円(同89.0%増)となった。

なお、収益構造でみると、全営業利益におけるHomeworthTech事業の営業利益の割合が7.3%(対前年同期比で48.0%減)と低下傾向にあるが、同社のビジネス特性や会計処理上の理由から、実質の収益力とは少し見え方が異なっている。1つは、長期保証契約の会計処理特性に起因する。長期保証契約の入金額は売上・原価が保証期間に応じて期間按分計上される一方、販管費は契約時に一括計上されるため、ビジネス拡大期には必然的に利益率が低下することになる。もう1つの理由は、本部配賦費(多くは人件費)の負担である。コア事業であるHomeworthTech事業への本部配賦費が過大で、利益を圧迫している。ちなみに、第2四半期累計では採用費やシステム関連費用の増加などにより、本部費配賦総額は1,145百万円(前年同期比30.1%増)、配賦基準はHomeworthTech事業63.5%、ExtendTech事業33.0%、その他3.4%となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)

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配信元: フィスコ

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