*14:39JST 富士紡HD Research Memo(9):「成長性」「収益性」「社会貢献」「誠実さ」を基にサステナビリティ経営を推進
■富士紡ホールディングス<3104>のESGへの取り組み
1. サステナビリティ基本方針
同社グループは、サステナビリティを事業戦略の中核に組み入れた「サステナビリティ経営」を実践している。同社グループのサステナビリティ経営は、「儲ける」こと、「成長性」「収益性」「社会貢献」「誠実さ」に立脚した公正で透明性のあるSDGs経営をバランス良く実行していくことでサステナビリティを実現していく点がポイントである。
2. 5つのマテリアリティ/重要課題の特定と推進状況
同社グループでは持続可能な社会を実現するために、事業活動がステークホルダーや経済、社会、環境に与える影響やインパクトの大きさについて分析し、投資家視点のマテリアリティ(財務マテリアリティ)とステークホルダー視点のマテリアリティ(環境・社会マテリアリティ)を統合した「ダブル・マテリアリティ」という考え方に基づき、5つのマテリアリティを特定している。
(1) 持続可能な環境・社会実現に向けた真摯な取り組み
地球環境の持続可能性を維持していくため、自然環境及び生物多様性の保全に取り組み、資源の有効活用を推進することで、安定的で持続可能な調達・供給体制の確立を目指す。
(2) 気候変動への適応
脱炭素社会に向け事業活動における環境負荷の軽減に取り組むとともに、将来生じるであろう気候変動の企業への影響にも適切に対応する。
同社では、低炭素化社会実現に向けた気候変動対応を経営上の重要課題と認識して、2021年11月に気候変動に関する情報開示の指針となるTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース・Task Force on Climate-related Financial Disclosures)提言に賛同した。TCFD提言に沿って、気候変動に関連する重要情報を開示している。また、CDP※の質問書(気候変動)へ回答し、5段階スコアの真ん中の「C」(環境リスクについて、自社の状況を認識している)評価を受けている。さらに、温室効果ガス排出量の算出については、従来のScope1、Scope2に加え、Scope3(同社の事業活動に関連する間接排出)についても算出し、環境負荷低減を進めている。
※CDPは投資家に代わって各企業宛てに質問書(気候変動、フォレスト、水セキュリティの3種類)を送り、企業の回答内容について分析・評価を行い、その結果を開示している英国の非営利団体である。
(3) 多様なステークホルダーとの価値の共創
事業活動を通じて、多様なステークホルダーとの対話を重視するとともに、地域社会等の持続的な成長・発展にも寄与する。
(4) 多様性を受容し、個々の能力を最大限発揮できる環境づくり
性別、年齢、国籍等にとらわれない多様性を尊重し、安心して能力を発揮できるよう、職場環境の整備を進める。
(5) コーポレート・ガバナンスの高度化及びコンプライアンス・リスクマネジメントの徹底
透明性の高い経営を実践するとともに、事故・不正を未然に防止するリスクマネジメント体制を堅持し、持続的成長を目指す。
この他にも、環境(Environment)面では、2023年3月期実績として、CO2排出量(Scope1とScope2):62千トン(前期比+2千トン)、同(Scope3):128千トン(前期比+4千トン)と環境負荷低減を進めている。また、ガバナンス(Governance)面では、取締役8名中社外取締役が3名、うち2名が女性(内、1名米国人)と、経営の多様性が順調に進んでいる。
3. サステナビリティ推進体制
同社では、中期経営計画「増強21-25」の始動に合わせ、SDGsに関連する重要課題への対応を通じたサステナビリティ経営を同社グループ全体で横断的に推進するために、2021年4月に「ESG推進委員会」を設置した。「ESG推進委員会」は、井上社長を委員長として、環境(Environment)分科会、社会(Social)分科会、ガバナンス(Governance)分科会の3つの分科会で構成されている。ミッションは同社グループのサステナビリティの課題に適切に対応するとともに、サステナビリティへの対応が中長期的な企業価値の向上につながるよう提言を行うことである。サステナビリティ推進に関わる各種検討課題に各分科会で取り組み、重要度に応じてESG推進委員会、経営会議、取締役会に諮る体制となっている。取締役会は経営全般にわたる重要な方針・施策を最終決定するとともに、経営会議、ESG推進委員会などの管理監督を行う。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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1. サステナビリティ基本方針
同社グループは、サステナビリティを事業戦略の中核に組み入れた「サステナビリティ経営」を実践している。同社グループのサステナビリティ経営は、「儲ける」こと、「成長性」「収益性」「社会貢献」「誠実さ」に立脚した公正で透明性のあるSDGs経営をバランス良く実行していくことでサステナビリティを実現していく点がポイントである。
2. 5つのマテリアリティ/重要課題の特定と推進状況
同社グループでは持続可能な社会を実現するために、事業活動がステークホルダーや経済、社会、環境に与える影響やインパクトの大きさについて分析し、投資家視点のマテリアリティ(財務マテリアリティ)とステークホルダー視点のマテリアリティ(環境・社会マテリアリティ)を統合した「ダブル・マテリアリティ」という考え方に基づき、5つのマテリアリティを特定している。
(1) 持続可能な環境・社会実現に向けた真摯な取り組み
地球環境の持続可能性を維持していくため、自然環境及び生物多様性の保全に取り組み、資源の有効活用を推進することで、安定的で持続可能な調達・供給体制の確立を目指す。
(2) 気候変動への適応
脱炭素社会に向け事業活動における環境負荷の軽減に取り組むとともに、将来生じるであろう気候変動の企業への影響にも適切に対応する。
同社では、低炭素化社会実現に向けた気候変動対応を経営上の重要課題と認識して、2021年11月に気候変動に関する情報開示の指針となるTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース・Task Force on Climate-related Financial Disclosures)提言に賛同した。TCFD提言に沿って、気候変動に関連する重要情報を開示している。また、CDP※の質問書(気候変動)へ回答し、5段階スコアの真ん中の「C」(環境リスクについて、自社の状況を認識している)評価を受けている。さらに、温室効果ガス排出量の算出については、従来のScope1、Scope2に加え、Scope3(同社の事業活動に関連する間接排出)についても算出し、環境負荷低減を進めている。
※CDPは投資家に代わって各企業宛てに質問書(気候変動、フォレスト、水セキュリティの3種類)を送り、企業の回答内容について分析・評価を行い、その結果を開示している英国の非営利団体である。
(3) 多様なステークホルダーとの価値の共創
事業活動を通じて、多様なステークホルダーとの対話を重視するとともに、地域社会等の持続的な成長・発展にも寄与する。
(4) 多様性を受容し、個々の能力を最大限発揮できる環境づくり
性別、年齢、国籍等にとらわれない多様性を尊重し、安心して能力を発揮できるよう、職場環境の整備を進める。
(5) コーポレート・ガバナンスの高度化及びコンプライアンス・リスクマネジメントの徹底
透明性の高い経営を実践するとともに、事故・不正を未然に防止するリスクマネジメント体制を堅持し、持続的成長を目指す。
この他にも、環境(Environment)面では、2023年3月期実績として、CO2排出量(Scope1とScope2):62千トン(前期比+2千トン)、同(Scope3):128千トン(前期比+4千トン)と環境負荷低減を進めている。また、ガバナンス(Governance)面では、取締役8名中社外取締役が3名、うち2名が女性(内、1名米国人)と、経営の多様性が順調に進んでいる。
3. サステナビリティ推進体制
同社では、中期経営計画「増強21-25」の始動に合わせ、SDGsに関連する重要課題への対応を通じたサステナビリティ経営を同社グループ全体で横断的に推進するために、2021年4月に「ESG推進委員会」を設置した。「ESG推進委員会」は、井上社長を委員長として、環境(Environment)分科会、社会(Social)分科会、ガバナンス(Governance)分科会の3つの分科会で構成されている。ミッションは同社グループのサステナビリティの課題に適切に対応するとともに、サステナビリティへの対応が中長期的な企業価値の向上につながるよう提言を行うことである。サステナビリティ推進に関わる各種検討課題に各分科会で取り組み、重要度に応じてESG推進委員会、経営会議、取締役会に諮る体制となっている。取締役会は経営全般にわたる重要な方針・施策を最終決定するとともに、経営会議、ESG推進委員会などの管理監督を行う。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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