“利益確定売り”を意識しつつも…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2023/11/13 11:10

◆ “ドル買い”継続も、先週末は“ユーロ買い”も… - “151円半ば”変わらず


“タカ派寄り”となった前日の「米パウエルFRB議長発言」を背景に、先週末も“巻き戻し”が進行しました。
この影響から米10年債利回りは“さらに上昇(4.65%)”する中、ドル円は“151.599円”へと駆け上がりました。

一方で「ECB関係者」からも“タカ派発言”が相次いだことで、先週末は独10年国債利回りも“上昇(2.65%→2.74%)”しています。
このため主要通貨内で“ユーロ買い”が最も目立ったことから、“ドル買い”も自ずと抑制されています。
こうしてポイントと見られる“11/1高値(151.647円)”にドル円は乗せることなく、先週末の取引を終えています。

◆ それでも「日米金利格差」そのものは変わらない…?


こうして「日米金利格差」を再び意識する動きは続いているものの、“上値の重さ”を意識しながらという展開はまだ続いています。
そして「円先安観」は高水準で維持されると見られるだけに、行く手を遮るのは「円買い介入」に対する意識のみといった状況も継続しそうな様相を示しています。
ただ“過度とも急激ともいい難い”という状況では、「口先介入」くらいしか対応手段はないと見るのが自然といえます。

おそらくFRB関係者から“タカ派寄り”が相次いだ背景には、「マーケットの誤認」が影響していると見られます。
つまりFOMC後からの米国債利回り低下は“引き締め効果が薄れる”との意識をもたらしやすく、それを抑制するための発言と見るのが妥当といえます。
そうなると「米利上げ局面終了」との思惑そのものは否定されるものではないとも考えますが、如何せん過度に織り込まれた思惑を払拭するまでは…。

“利益確定売り”はいつ入ってもおかしくない状況ではありますが、それを除けば“下値の堅さ”は維持され、場合によっては“さらなる上値模索”も意識せざるを得ない局面と見たいところです。
あくまでじわりじわりとした動きを想定しながら…。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

154.000(大台)
153.300(90/6/29高値)
153.000(大台)
152.300(90/7/6高値)
上値5:152.053(ピボットハイブレイクアウト)
上値4:151.952(22/10/21高値、大台)
上値3:151.856(+2σ、ピボット2ndレジスタンス)
上値2:151.707(10/31高値《年初来高値》、ピボット1stレジスタンス)
上値1:151.647(11/1高値)
前営業日終値:151.524
下値1:151.221(11/10安値、ピボット1stサポート)
下値2:151.080(+1σ、ピボット2ndサポート)
下値3:151.000(大台)
下値4:150.919(ピボットローブレイクアウト)
下値5:150.759(11/9安値)
150.667(11/3~11/10の38.2%押し)
150.380(11/3~11/10の50%押し、日足・一目均衡表転換線、20日移動平均線)
150.279(11/8安値)
150.092(11/3~11/10の61.8%押し)
150.000(大台)
149.920(11/7安値、日足・一目均衡表基準線)
149.514(週足・一目均衡表転換線、-1σ)
149.273(11/6安値)

《10:45》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想