“150円トライ”はまだ続く…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2023/10/24 11:18

◆ “利益確定”が先行… - “149円半ば”


最も流動性が乏しいとされる週初オセアニアタイム早朝には“150円台”を付ける場面も見られましたが、その後は概ね“150円手前”での攻防戦を続けました。
ただ米10年債に“利益確定買い(戻し)”が入ったことで、昨日は“利回り急低下(5.0%水準→4.82%)”という場面が見られました。
このため幅広い通貨に対して“ドル売り(戻し)”が入る中、ドル円は“149.551円”へと値を落としていきました。

ただ「米金融引き締め長期化」との思惑は根強く、また「中東情勢緊迫化」への懸念も拭えないものがあります。
このため金利&リスクの両面から“ドル買い”は促されやすく、“下値の堅さ”を維持したまま昨日の取引を終えています。

◆ ただ昨日の“150円乗せ”では、達成感は醸成されない…?


そうなると“上値の重さ”は引きずりつつも、“150円トライ”は本日も継続する可能性は高そうに思います。
週初オセアニアタイムでの“150円乗せ”は、達成感醸成には寄与しづらいと見られるからです。
また米経済指標は“好内容(26日のGDPは前期比2倍強)”が見込まれており、「米金融引き締め長期化」への思惑は残存する可能性が高そうに思います。
何より「日銀、インフレ見通し上方修正」との思惑が台頭していますが、すぐさま動けるかは微妙といわざるを得ず、「日米金利格差」は逆に拡大する可能性も否めなくなってきます。

◆ となると、ポジション調整を除けば…!?


そうなると上値を押さえ込むのは、「円買い介入」のみということに…?
そしてその成否を確認するには、実際に“もう一段の上値模索”とならなければわからない…?
ポジション調整は入ってしかるべしとは見るものの、引き続き“崩れない(大きくは下がらない)”を前提にして、神経質なマーケットと対峙したいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

151.952(22/10/21高値、大台)
151.428(9/1~9/8-9/11の161.8%返し)
151.000(大台)
150.621(9/1~9/8-9/11の138.2%返し)
上値5:150.384(ピボットハイブレイクアウト)
上値4:150.281(+2σ)
上値3:150.151(10/3高値《年初来高値》、ピボット2ndレジスタンス)
上値2:149.991(10/20-21高値、ピボット1stレジスタンス、大台)
上値1:149.852(+1σ)
前営業日終値:149.710
下値1:149.508(10/18安値、10/23安値、10/17~10/20の38.2%押し水準、ピボット1stサポート)
下値2:149.398(10/17~10/20の50%押し、20日移動平均線)
下値3:149.293(10/10~10/20の38.2%押し、10/17~10/20の61.8%押し、日足・一目均衡表転換線、ピボット2ndサポート)
下値4:149.077(10/10~10/20の50%押し、ピボットローブレイクアウト)
下値5:148.994(10/3~10/20の38.2%押し、-1σ、大台)
148.804(10/17安値、10/10~10/20の61.8%押し)
148.686(10/3~10/20の50%押し、日足・一目均衡表基準線)
148.515(-2σ)
148.428(10/11安値、10/3~10/20の61.8%押し)

《10:45》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想