そろそろ“突っかける”に注意を…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2023/10/19 11:46

◆ じわりじわりと… - “150円台”手前


中東情勢への不透明感はさらに強まったことで、昨日はリスク回避姿勢がマーケットを席巻しました。
このため安全資産とされる“ゴールド”と共に、為替では“スイスフラン”“ドル”“円”に買い圧力が加わりました。
これに「強めの米経済指標発表」を背景にした“米10年債利回り上昇”が加わったことで、ドル円は“149.932円”へとさらに上値を伸ばしています。
一方で「円買い介入」への警戒感は根強いものがあり、“150円トライ”こそしているものの、昨日も突破に至ることはありませんでした。

◆ “近くて遠い”が基本となるが…?


「リスク回避+米金融政策」VS「円買い介入」という思惑を巡る攻防戦は、本日も続くと見るのが自然です。
このため“150円トライ”も続く可能性が高く、その意味では“上値模索”は継続すると見るのが妥当ということになります。
ただ「日米金利格差拡大」は鮮明になっているものの、米10年債利回りはすでに“2007年7月以来”、米2年債利回りも“2006年7月”の水準に到達しています。
特に前者に関しては“節目(5.0%)”まであとわずかといった水準まで上昇しており、上値余地という観点では“限定的”と見ざるを得ないのが実状ということになります。
これに「円買い介入」という重石が圧し掛かるとあっては、“近くて遠い”を地で往く展開になりかねない…?

ただ本日は「パウエルFRB議長講演」と共に、「神田財務官講演」も予定されています。
どちらもニュアンス次第ではリスクイベントとなり得るだけに、“近くて遠い”を意識しながらも、本日に関しては“突っかける”も十分に注意しておきたいところです。
そうなると問題は、そこで“ストップロス”を絡めることがあるかということに…?

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

153.300(90/6/29高値)
153.000(大台)
152.300(90/7/6高値)
151.952(22/10/21高値、大台)
上値5:151.000(大台)
上値4:150.496(ピボットハイブレイクアウト)
上値3:150.382(+2σ)
上値2:150.151(10/3高値《年初来高値》、ピボット2ndレジスタンス)
上値1:150.072(ピボット1stレジスタンス、大台)
前営業日終値:149.930
下値1:149.783(+1σ)
下値2:149.648(ピボット1stサポート)
下値3:149.508(10/18安値、10/17~10/18の38.2%押し)
下値4:149.368(10/17~10/18の50%押し、ピボット2ndサポート)
下値5:149.256(10/10~10/18の38.2%押し、10/17~10/18の61.8%押し、20日移動平均線、ピボットローブレイクアウト)
149.048(10/10~10/18の50%押し、日足・一目均衡表転換線、大台)
148.957(10/3~10/18の38.2%押し)
148.804(10/17安値、10/10~10/18の61.8%押し)
148.656(10/3~10/18の50%押し)
148.586(日足・一目均衡表基準線、-1σ)
148.428(10/11安値)
148.355(10/3~10/18の61.8%押し)
148.248(10/5安値)
148.163(10/10安値)
147.981(-2σ、大台)
147.668(50日移動平均線)
147.321(9/21安値、10/3安値、週足・一目均衡表転換線、9/1~10/3の50%押し水準)
147.001(9/13-14安値、大台)

《11:15》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想