今週のポイント
今週は、17日にNZとカナダのCPI(消費者物価指数)が発表されます。CPIを受けてRBNZ(NZ中銀)とBOC(カナダ中銀)の金融政策見通しがどのように変化するか注目です。NZドルとカナダドルは、CPIの結果に反応しそうです。
18日にブロックRBA(豪中銀)総裁が講演し、19日には豪州の9月雇用統計が発表されます。RBAは前回10月3日の会合まで4会合連続で政策金利を据え置きました。RBAは追加利上げに含みを持たせているものの、市場ではRBAの利上げはすでに終了したとの観測があります。ブロック総裁の講演や雇用統計が利上げ終了との観測を一段と高める結果になれば、豪ドルが軟調に推移しそうです。
中東情勢には注意が必要です。中東情勢がさらに緊迫化する場合、リスクオフ(リスク回避)の動きが強まるとともに、原油の供給への懸念から原油価格には上昇圧力が加わる可能性があります。リスクオフは米ドルや円の上昇要因、原油高はカナダドルやメキシコペソの上昇要因と考えられます。
今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.05000NZドル~1.07500NZドル>
14日にNZの総選挙が行われました(基本定数120議席)。選挙管理委員会の暫定結果によると、野党の国民党の獲得は50議席で、また国民党と連立を組むとみられるACT党は11議席を獲得しました。両党で合わせて61議席となり、過半数に達する見通しです。NZ政治の先行き不透明感は後退するとみられることは、NZドルにとってプラスと考えられます。豪ドル/NZドルの上値を抑える要因になるかもしれません。
今週は、17日にNZの7-9月期CPI(消費者物価指数)が発表されます。この結果も豪ドル/NZドルの材料になる可能性があります。
市場では、RBNZ(NZ中銀)は次回11月29日の会合で政策金利を据え置くとの見方が有力です。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)によれば、市場が織り込む11月会合の確率は、据え置きが約7割、利上げが約3割です(日本時間16日09:45時点)。
NZのCPIが市場予想の前年比5.9%を上回れば、RBNZの利上げ観測が高まる可能性があります。加えて、ブロックRBA(豪中銀)総裁の講演(18日)や豪州の9月雇用統計(19日)がRBAの利上げは終了との観測を高める内容になれば、豪ドル/NZドルは1.05582NZドル(5/23安値)に向かって下落しそうです。
<米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.34000カナダドル~1.38000カナダドル>
マックレムBOC(カナダ中銀)総裁は13日、「(カナダの)インフレ率は依然として高過ぎる」「基調的なインフレには下向きの勢いがほとんどみられず、(BOCは)それを懸念している」と発言。マックレム総裁はまた、「今後の政策会合では、政策金利を5%に維持するか、それとも物価の安定を取り戻すために追加利上げが必要かどうかを議論する」と述べ、追加利上げの可能性にも言及しました。マックレム総裁のタカ派的な発言は、カナダドルにとってプラスになりそうです。
BOCの次回政策会合は10月25日。市場では政策金利は据え置かれるとの見方が有力です。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)によると、市場が織り込む確率は、据え置きが7割弱、利上げが3割強です(日本時間16日10:10時点)。
カナダの9月CPI(消費者物価指数)が17日に発表されます。CPIが市場予想の前年比4.0%を上回る結果になれば、BOCの利上げ観測が市場で高まるとともに、カナダドルが買われて、米ドル/カナダドルには下押し圧力が加わる可能性があります。
中東情勢には注意が必要です。中東情勢が一段と緊迫化するようであれば、原油価格には上昇圧力が加わりやすいとみられる一方で、リスクオフ(リスク回避)の動きが強まる可能性もあります。原油高はカナダドル高要因、リスクオフは米ドル高要因のため、米ドル/カナダドルは明確な方向感が出にくいかもしれません。
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