「155円」がユーロ/円のトレンド“分水嶺(ぶんすいれい)”となりそう
【注目ポイント】「155.000円」で下値サポートされるか否か
【シナリオ①】同レートで下値サポートなら、「160.000円」付近までの上昇
【シナリオ②】同レート割れなら、「150.000円」付近までの下落を想定
【当面の“主戦場”(コアレンジ)】「155.000~160.000円」
ここもとのユーロ/円の動きを確認してみると、8月30日に直近高値となる「159.707円」まで上昇し、心理的な節目である「160.000円」突破の勢いを見せたものの、その後上昇モメンタムはやや失速。今月3日には、直近安値となる「154.680円」まで一時下落したものの、その後は「(心理的な節目となる155.000円付近での)下値固め」→「小反発」の動きとなっています。よって、8月以降のユーロ/円の動きを総括すると、概ね「155.000~160.000円」(上図黄色四角枠)のボックス圏内を往って来いとなる、方向性の乏しい相場付きが継続しています。
上図の各メルクマールをそれぞれ見ていくと、1) 21日MA(移動平均線)が横向きであること、2) 遅行スパンがローソク足と絡み合う状態になっていること、3) ローソク足が赤色雲(=抵抗帯、先行スパン)の上方で推移していること、4) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の下方で点灯していること、そして5) DMI(方向性指数)で僅かながら-DI>+DIとなり、ADXが緩やかな右肩下がりでの推移になっている(上図青色点線丸印)ことから、現在のユーロ/円・日足チャートは方向性を模索するレンジ相場を示すチャート形状であると判断します。
今後の注目ポイントは・・・上述した直近安値水準であり、同時に心理的な節目でもある「155.000円」(上図黄色矢印および黒色線)で下値サポートされるか否か。
筆者が予想する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①]
これからの時間にかけて再度「155.000円」で下値サポートされた場合は、「(10月3日以降と同様)下値固め」→「小反発フロー」となりそうです。当該ケースでは、「BB(ボリンジャーバンド)・+2σライン(≒158.640円)超え」や「+DI>-DIへの変化」なども伴いながら、8月30日に付けた直近高値水準であり、同時に心理的な節目でもある「160.000円」(上図Ⓐ赤色線)付近までの上昇も視野に入れるべきでしょう。よってこの場合は、引き続き「155.000~160.000円」(上図黄色四角枠)を“主戦場”(コアレンジ)とするボックス圏相場となりそうです。
[シナリオ②]
一方で、「155.000円」を終値ベースで割り込んだ場合は、「心理的な節目割れ」→「下降モメンタム強化」へのトリガーとなる可能性も。当該ケースでは、「SARの売りサインへの転換」や「遅行スパンの逆転(=ローソク足からの下放れ)」、また「-DI>+DIの乖離拡大」なども伴いながら、200日MAをメドとする「150.000円」(上図Ⓑ水色線)付近までの下落を想定すべきでしょう。
上記シナリオ①および②を概括すると、今後のユーロ/円については引き続き方向性を模索するレンジ相場が継続するとの想定の下、当面※は[シナリオ①]で記載した「155.000~160.000円」が“主戦場”(コアレンジ)となる蓋然性(がいぜんせい)が高そうです。(※ここでの「当面」は、1~2週間のスパンを想定しています。)
他方、[シナリオ②]で記載した「155.000円」割れとなった場合は、ユーロ/円の下降トレンドへのフェーズ(局面)転換トリガーとなる可能性も。よって、「150.000円」付近までの下落については、「(テクニカル理論上)あり得る動き」として捉えるべきでしょう。
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