アップコン、施工と研究開発による事業サイクルで社会に貢献 持続的な成長を推進し利益向上を目指す

投稿:2023/09/15 19:00

目次

松藤展和氏:こんにちは。アップコン株式会社代表取締役社長の松藤です。本日は、2024年1月期第2四半期決算についてご説明します。

本日の目次です。まずは事業概要、続いて第2四半期決算概要、最後に第2四半期トピックスと進めていきます。

01. 事業の概要 【会社概要】

それでは会社概要についてご説明します。アップコン株式会社は神奈川県川崎市に本社を置き、札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡に連絡事務所を設けています。2003年6月に設立され、今年で20周年を迎えました。昨年、名古屋証券取引所のネクスト市場に上場しました。証券コードは5075で、従業員数は現在45名となっています。

事業概要としては土木工事業にあたりますが、コンクリート床スラブ沈下修正工法の「アップコン工法」や、ウレタン製土壌改良材「ナテルン」の製造、農業用水路トンネル機能回復加圧式ウレタン充填工法の「FRT工法」等を行っています。内容については後ほど詳しくご説明します。

さらに、これらの施工・施工管理以外に、ウレタンを使った新技術の研究・開発を行い、現在は国内・海外それぞれで特許を9件ずつ取得しています。

01. 事業の概要 【事業紹介】

事業紹介です。アップコンは、ウレタン樹脂を使った施工、および研究開発で事業を展開しています。スライド右下にオレンジ色で「施工」、青色で「研究開発」と記していますが、私たちのビジネスモデルは、どちらかと言えば製薬会社をイメージしています。

製薬会社は新薬を研究開発します。研究開発で生まれた新薬を市場に出して販売することによって利益を上げ、その利益を再投資することで、再び新薬の研究開発を行います。

そのようなビジネスモデルと同様に、私たちはまず施工を行います。後ほどご説明しますが、沈下修正という施工で売上と利益を上げ、利益の一部を研究開発に投資することにより新しい工法を開発します。さらに新工法によって新市場を創造し、施工して利益を上げていくというサイクルを繰り返しながら、持続的に成長するような事業を行っています。

01. 事業の概要 【アップコン工法とは】

アップコン工法についてご説明します。アップコン工法は、コンクリート床スラブ沈下修正工法とも呼ばれます。

スライド左側のイラストでグレーになっている部分は、たわんだコンクリートの床だと思ってください。「日常で、そんなにたわんだ床なんかあるのかな?」と思われるかもしれませんが、例えばショッピングセンターでカートを押しているとします。その際、手を離した時に真っすぐではなく斜めに進むような場合は、床が左右どちらかに傾いていることになります。そのような店舗や工場、倉庫の床を直しています。

どのように直していくのかと言いますと、たわんだ床のコンクリートに、ドリルを使って直径16ミリメートルの穴を、約1メートルピッチで開けていきます。そこに液状の特殊なウレタン樹脂をコンクリート下の地盤もしくは空間に入れると、ウレタンの原液が化学反応を起こして発泡し膨らみます。この時の膨らむ圧力で地盤を強化しながら、たわんだコンクリートの床を下から上に持ち上げて最終的にはフラットにするのが、アップコン工法になります。

コンクリートを持ち上げるウレタンの力がどのくらいになるのか、デモンストレーションでご覧ください。

(動画流れる)

今回は、ウレタンの発泡圧力のデモンストレーションです。用意したアクリル製のシリンダーの中にウレタンを入れるのですが、ウレタンの素となるものが、石油から作られたポリオールとイソシアネートという原液です。これらをスタティックミキサーという特殊な機械で底のほうへ入れ、シリンダーの底で原液が撹拌されることによって発泡し、膨らみます。

ここに、体重60キログラムの人に乗ってもらい、この膨らむ力を使って人が上に持ち上がるかどうかをデモンストレーションでお見せします。

では、今から注入を始めます。ここには60キログラムの人が座っています。シリンダーの下から約6センチメートルのところに黒い線が引かれています。注入するとウレタンが膨らみ、この黒い線がシリンダーごと一緒に上がっていきます。すると、乗っている人も上に持ち上がるのです。

スタティックミキサーという機械の中に、ポリオールとイソシアネートが、まだ分離されたまま入っていますが、こちらに注入して中で撹拌することで膨らみ、人を持ち上げます。では、ご覧ください。

今、注入されました。ウレタンが混ざり合って中で水平方向に広がっていきます。すでに黒い線が上がっている様子がわかるでしょうか? どんどん上がっています。注入する量によって上がり幅は当然違うのですが、今、10秒ほどで約14センチメートルまで上がりました。最初が6センチでしたので、8センチくらい上がっています。

そろそろ発泡が落ち着いてきましたが、直径30センチのシリンダーですので、60キロの人の場合、平米あたりに換算すると1.18トンの発泡圧力がかかったことになります。このウレタンは、平米あたり約10トンのものまで持ち上げることができます。発泡圧力のデモンストレーションは、大成功でした。

(動画終了)

01.事業の概要 【沈下修正セグメント】

デモンストレーションはいかがでしたか? 続いては、アップコンがどのようなところで施工しているのかをご説明します。今は沈下修正という単一セグメントの事業を行っていますが、大きく分けると民間事業と公共事業の2つに分けることができます。

民間事業とは、工場・倉庫・店舗、また住宅・事務所、海外施工等も含めています。公共事業が道路・農業用水路トンネル、空港・港湾・学校あるいは防衛省の設備にあるコンクリートの床を下から持ち上げるという事業を行っています。

01.事業の概要 【研究開発プロジェクト】

研究開発プロジェクトについてご説明します。当社では、研究開発を成長戦略の1つに位置づけています。現在行われているプロジェクトは、杭状地盤改良プロジェクト、応急復旧プロジェクト、ブラストプロジェクト、電柱プロジェクト、そしてリサイクルプロジェクトの5つが進行中です。

02.第2四半期決算概要 【通期計画に対する進捗率】

第2四半期決算の概要をご説明します。まずは通期計画に対する進捗率です。売上高に関しては、公共工事による大型案件およびベトナムでの提携会社による工場の沈下修正施工が完了し、前年同期比7.2パーセント増となりました。通期計画に対しては52.2パーセントの進捗です。

営業利益に関しては、昨年度から2度目の材料価格の値上げおよび資材等の高騰や、施工による材料使用量の超過案件が多く見られ、前年同期比25.5パーセント減となりました。通期計画に対しては41.2パーセントの進捗です。

経常利益に関しては前年同期比27.8パーセント減、通期計画に対して42.0パーセントの進捗です。資金投資の運用および所有の有価証券による配当金により、営業外での通期計画200万円を、上期で達成する運びとなりました。

当期純利益に関しては営業利益の減少が大きく影響し、前年同期比25.9パーセント減となりました。通期計画に対しては44.9パーセントの進捗です。今期行った資本金の減資により、法人税率を5パーセント減、金額にして350万円抑えることになりました。

02.第2四半期決算概要 【前年同期比】

第2四半期の前年同期比についてご説明します。第2四半期にあたる5月から7月は、前年同期比で売上高23.2パーセント減、営業利益90.2パーセント減、経常利益88.3パーセント減、当期純利益87.3パーセント減となりました。前年5月、6月の公共工事による案件の影響が大きく、このような結果となりました。

02.第2四半期決算概要 【売上・経常利益の推移】

売上高・経常利益の推移についてご説明します。今期の通期計画との比較では、売上高は計画どおりに推移しています。経常利益に関しては、原価管理の徹底および販売管理費の削減などで第3四半期に向けて押し上げていきます。

02.第2四半期決算概要 【セグメント別(民間事業・公共事業)売上推移】

セグメント別での売上高の進捗についてご説明します。民間事業は通期計画から約800万円増、公共工事は約1,000万円減となりました。

さらなる営業力強化に向け、下期には事前調査を無料で行う「秋の調査無料キャンペーン」を全国で展開します。また、展示会への出展を3回計画しており、アップコンの認知度・知名度向上に向けた広報活動に注力していきます。

02.第2四半期決算概要 【貸借対照表】

貸借対照表に関しては、法人税等の納付が7,200万円あったことにより、現預金および流動負債が減少する結果となりました。経営指標に関しては、ROE3.8パーセント、ROA3.6パーセント、時価総額20億6,300万円となりました。

第3四半期に向けて、新たに施工プラント一式とトラック1台を固定資産として計上予定であり、上場資金を効率よく活用していきます。

03.第2四半期トピックス 【アップコン創立20周年記念式典開催】

第2四半期上期における、アップコンの施工以外での活動状況をご説明します。

アップコン株式会社は今年、創業20周年を迎えることができました。これも日ごろからアップコン株式会社にご愛顧いただきましたお客さま、お取引先さま、株主さまのおかげです。あらためて感謝申し上げます。

2023年6月18日で20周年を迎えましたが、今年は2023年6月16日に関係者さま約100名をご招待し、川崎市にあるカワスイ(川崎水族館)を貸し切り、アップコン創立20周年式典を開催しました。また、地元の川崎市への感謝として、2023年4月より川崎水族館オフィシャルサポーターになりました。

03.第2四半期トピックス 【海外提携会社初の施工に着手】

アップコンの成長戦略の1つであるグローバル展開についてご説明します。2023年4月から6月に、ベトナムの技術提携先であるLac Viet社にて、アップコン工法(コンクリート床スラブ式沈下修正工法)による沈下修正工事の初施工が行われました。

ベトナム・ハノイにある、約1万766平方メートルの工場を施工しました。今後もベトナムでの施工案件数を増やすため、営業活動を行っていきます。

03.第2四半期トピックス 【テラリウム用ウレタン製基盤材“テラタン”のテスト販売を実施】

応援購入サービス「Makuake」にて、テラリウム用ウレタン製基盤材「テラタン」のテスト販売を行いました。多くのお客さまにご好評いただき、無事目標金額を達成することができました。今後は「Makuakeストア」にて購入ができるように準備していきます。

03.第2四半期トピックス 【防衛施設学会賞を受賞】

防衛施設学会賞「ミリタリーエンジニアテクノフェア賞」を受賞しました。「ミリタリーエンジニアテクノフェア」における技術展示・発表会等をきっかけとして、受注実績につながっていることが評価されました。

03.第2四半期トピックス 【積極的なIR活動を推進】

アップコン株式会社は2022年12月26日、名古屋証券取引所ネクスト市場に上場しました。上場後の主な取り組みとしては、アップコン株式会社を知ってもらい、アップコン工法(コンクリート床スラブ沈下修正工法)の認知度・知名度の向上を目的としたIR活動へ取り組んでいます。

主な活動内容として、証券会社主催による個人投資家さま向けの説明会やラジオNIKKEIへの社長出演、スタートアップ会社さまへのIPO実務経験対談会、東京証券取引所主催によるセミナーへの登壇などを行いました。また、個人投資家さま向けにログミーファイナンスを活用したIR記事を掲載しています。

今後も、個人投資家さまに向けた経営指標および活動内容の公表を積極的に行ってまいります。

最後に、9月8日と9日に「名証IR EXPO 2023」に初出展しましたので、その様子をご覧ください。

(動画流れる)

アップコン株式会社2024年1月期第2四半期決算の説明は以上です。これからもアップコンの応援をよろしくお願い申し上げます。ご清聴ありがとうございました。

配信元: ログミーファイナンス

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