少なくとも“下値の堅さ”が瓦解する展開は期待薄…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2023/09/14 11:30

◆ “上を下へ”と揺れ動いたものの… - 米CPI


昨日のドル円は、注目の「米CPI」を機に“上を下へ”と揺れ動きました。

まずファーストアクションは、“ドル買い”で反応しました。
原油高騰の影響もあり、前月比が“昨年6月以来水準(+0.6%)”、そして前年比は“事前予想を上回った(+3.7%)”からです。
こうして“147.723円”へと上値を伸ばしたドル円は、11日急落時の“窓埋め”を完了しました。
ただ食品・エネルギーを除くコア前年比が“5ヶ月連続の伸び鈍化(+4.3%)”となったこともあり、そこからは“上値の重さ”が目立ちました。
こうして強弱が入り混じる結果から“方向感定まらず”を脱却するには至らず、“147円前半”へと押し戻されると、概ねそのままの水準で昨日の取引を終えています。

◆ 「9月米据え置き」はほぼ確実視されたが…?


それでも当該発表を経て「9月米据え置き」との見方は、ほぼ確実視されるに至っているのが実状といえます。
そうなると“上値の重さ”がもう一段意識されても、何ら不思議ではないということになります。
それでも「11月or12月の0.25%利上げ」という可能性が残る以上、“下値は限定的”との見方が大きく崩れる展開は想定しづらい…?
逆にチャート上では“下値切り上げ”が緩やかながらも見られているだけに、“上値トライ”につながってもおかしくないところ…?

◆ “一段落ちる”と見られるだけに…!? - 米PPI&小売売上高


本日も「米PPI&小売売上高」が予定されていますので、これらをトリガーとした動きには十分に警戒が必要といえます。
また「円安けん制発言」に関する警戒も、当然継続する必要があります。
ただ米CPIに比べると“一段落ちる”と見られる中、どこまで影響するか…?
そして後者に関しては、「実弾介入リスクはさほど大きくない」との見方が頭を擡げる状況では…?

基本的には“膠着(揺れ動き)”を想定しつつ、“さらなる上値模索”は別にして、少なくとも“下値の堅さ”が瓦解する展開は期待薄と考えたいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

150.000(大台)
149.701(22/10/24高値)
149.082(22/10/25高値)
149.000(大台)
148.836(22/10/31-11/1高値)
148.518(ピボットハイブレイクアウト)
上値5:148.441(22/11/3-4高値)
上値4:148.115(+2σ、ピボット2ndレジスタンス)
上値3:148.000(大台)
上値2:147.861(9/8高値《年初来高値》)
上値1:147.723(9/13高値、ピボット1stレジスタンス)
前営業日終値:147.471
下値1:147.297(+1σ)
下値2:147.001(9/13安値、9/11~9/13の38.2%押し水準、ピボット1stサポート、大台)
下値3:146.809(9/11~9/13の50%押し、日足・一目均衡表転換線)
下値4:146.676(ピボット2ndサポート)
下値5:146.593(9/11~9/13の61.8%押し、20日移動平均線)
146.441(9/12安値)
146.352(ピボットローブレイクアウト)
146.000(大台)
145.895(9/11安値)
145.747(9/1~9/8の61.8%押し)
145.662(-1σ)
145.561(日足・一目均衡表基準線)
145.436(8/7~9/8の38.2%押し)
145.000(大台)

《11:05》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想