どこまで“思惑通り”にことは進むか…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2023/09/01 11:54

◆ “上値の重さ”は目立つが、ダラダラ… - “145円前半”


注目のPCEコア・デフレータは“予想通り(前年比+4.2%)”だったものの、“3ヶ月ぶりの伸び拡大”となりました。
このため「米利上げは終焉に近い」との思惑は若干緩み、米10年債利回りは“下げ渋り→緩やかに上昇”へと転じています。

一方で“予想を下回る”ものが相次いだ直近の米経済指標を“打ち消すほどではない”との見方から、その歩みは“比較的緩やか”に止まっているのが実状といえます。
このためドル円は“膠着(揺れ動き)”の中、“145.341円”へとさらに下値を拡大する場面を見せるなど“上値の重さ”を目立たせながら、昨日の取引を終えています。

◆ 「米利上げは終焉に近い」は“加速or後退”…? - 米雇用統計


こうした中、いよいよ本日は今週最大の注目・米雇用統計が行われます。
事前予想は「非農業部門雇用者数(+17.0万人)」「失業率(3.5%)」「平均時給(前年比+4.4%)」となっていますので、まずはここからの乖離具合が注目ということになります。

「非農業部門雇用者数」は、JOLTS求人件数の“2021年3月以来の低水準(882.7万件)”/ADP雇用統計の“5ヶ月来最低(+17.7万人)”もあって、かなり“控え目(3ヶ月連続の20万人未満)”といえます。
また「平均時給」も“3ヶ月連続同水準”ですので、こちらも“控え目”といえるかもしれません。
そうなると当該水準で落ち着けば、「米利上げは終焉に近い」との思惑が再燃してもおかしくないといえます。
ただし集計方法の違いもあって、ADP雇用統計とは“連動しづらい”というのがセオリーになりつつあります。
どこまで思惑通りにことは進むか…?

◆ すでに積み上がったドル買いは“解消済”…? - 米3連休を控えて…


来週初(4日)は「米国休場(レーバーデー)」となりますので、本日は「3連休前の週末」でもあります。
このためその後は“ポジション調整”が意識されることになりますが、それでも直近の下押しで“ある程度は解消済”という可能性も囁かれています。
少なくとも“過度なポジション調整期待”は控えておくべき…?

いずれにしても“結果次第”ということになりますが、「米利上げは終焉に近い」との思惑については“加速より後退”をよりリスクとして捉えておきたいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※米雇用統計が予定されていますので、さらに値幅を拡大しております。

148.836(22/10/31-11/1高値)
148.441(22/11/3-4高値)
148.000(大台)
147.785(+2σ)
147.574(22/11/7高値)
147.374(8/29高値《年初来高値》)
147.000(大台)
146.894(8/29~8/31の76.4%戻し、ピボットハイブレイクアウト)
146.531(8/30高値、+1σ、8/29~8/31の61.8%戻し、ピボット2ndレジスタンス)
上値5:146.358(8/29~8/31の50%戻し)
上値4:146.227(8/31高値)
上値3:146.118(8/29~8/31の38.2%戻し、ピボット1stレジスタンス
上値2:145.954(日足・一目均衡表転換線、大台)
上値1:145.821(8/29~8/31の23.6%戻し)
前営業日終値:145.532
下値1:145.341(8/31安値、20日移動平均線)
下値2:145.135(8/7~8/29の38.2%押し、ピボット1stサポート)
下値3:145.000(大台)
下値4:144.814(ピボット2ndサポート)
下値5:144.533(8/23-24安値)
144.444(8/7~8/29の50%押し)
144.359(8/11安値)
144.207(ピボットローブレイクアウト)
144.000(大台)
143.819(7/28~8/29の38.2%押し、-1σ)
143.752(8/7~8/29の61.8%押し)
143.503(7/14~8/29の38.2%押し)
143.260(8/10安値、50日移動平均線)
142.998(8/9安値、大台)
142.721(7/28~8/29の50%押し、日足・一目均衡表基準線)
142.559(-2σ)
142.395(8/8安値)
142.307(7/14~8/29の50%押し、週足・一目均衡表転換線)

《11:35》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想