リスクは“上方向”…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2023/08/04 11:37

◆ 乱高下 - “144円手前”へ上昇後、“142円付近”に反落


「日銀、臨時国債買い入れオペを通知」との報を機に、昨日は一時“143.894円”へとさらに上値を伸ばす場面が見られました。
ただ「144円手前のドル売りオーダー」をこなすには至らず、次第に“利益確定売り”が目立っていきました。
さらに事前予想を下回る「ISM非製造業景況指数(52.7)」、前週より増加した「新規失業保険申請件数(22.7万件)」も、ドル円にとって重石となりました。
“株安→リスク回避→円買い”の流れも健在とあって、NYタイム序盤には“142.057円”へと値を落とす場面を見せています。
もっとも「142円付近のドル買いオーダー」は厚く、こちらもこなすには至りませんでした。
こうして“上を下へ”と振れたものの、ドル円は“方向感定まらず”を続けているのが実状といえます。

◆ あくまで結果次第だが…? - 米雇用統計


こうした中、いよいよ本日は今週最大の注目・米雇用統計が行われます。

事前予想は「非農業部門雇用者数(+20.0万人)」「失業率(3.6%)」「平均時給(前年比+4.2%)」となっていますので、まずはここからの乖離具合が注目ということになります。
特に非農業部門雇用者数は“2年半ぶりの低水準(+20.9万人)”を“さらに下回る”と見られるなど、かなり控え目な数値が予想されています。
ただ「ADP雇用統計」は“好調(+32.4万人)”でしたが、集計方法の違いから“連動しづらい”というのがセオリーになりつつあります。
さらに「ISM製造業/非製造業景況指数」は“予想を下回って(46.4/52.7)”いましたので、リスクについては“逆(上振れ)”と見るのが妥当な状況…?

「日銀、臨時買い入れオペ」という不確定要素が介入する可能性を鑑みれば、まだまだ決め打ちは禁物といわざるを得ないのが実状です。
しかし“142円付近”で下げ渋りを見せる中、“143円台”は主だった上値メドの見られない、いわゆる「真空地帯」に当たります。
あくまで結果次第ということになりますが、よりリスクが大きいのはやはり“上方向”と見たいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※米雇用統計が予定されていますので、さらに値幅を拡大しております。

145.428(ピボットハイブレイクアウト)
145.116(2022/10/27安値《2022/11/10急落時のネックライン》)
145.069(6/30高値《年初来高値》、大台)
144.909(7/3高値)
144.730(7/5高値)
144.646(7/6高値、ピボット2ndレジスタンス)
上値5:144.195(7/7高値)
上値4:144.026(+2σ、大台)
上値3:143.894(8/3高値)
上値2:143.591(ピボット1stレジスタンス)
上値1:143.000(大台)
前営業日終値:142.521
下値1:142.443(日足・一目均衡表先行スパン上限、+1σ)
下値2:142.057(8/3安値、大台)
下値3:141.754(ピボット1stサポート)
下値4:141.668(7/28~8/3の38.2%押し)
下値5:141.304(50日移動平均線)
141.155(日足・一目均衡表基準線、週足・一目均衡表転換線)
140.981(7/28~8/3の50%押し、日足・一目均衡表転換線、大台、ピボット2ndサポート)
140.683(7/31安値、20日移動平均線)
140.293(7/28~8/3の61.8%押し)
140.000(大台)
139.917(ピボットローブレイクアウト)
139.442(7/28~8/3の76.4%押し)
139.115(-1σ)
139.042(日足・一目均衡表先行スパン下限、大台)

《11:25》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想