やはり“往きつくところまで”…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2023/08/02 11:05

◆ さらに“上伸”も、ようやく“押し下げ材料”が…! - 米国債格付け引き下げ


“高値警戒感”を意識しつつも、昨日も“さらなる上値模索”は継続しました。

米10年債利回りが“4%台”に乗せる中、NYタイム中盤にかけてドル円は“143.544円”へと駆け上がっています。
もっとも明け方には「フィッチ、米国債格付けを引き下げ(AAA→AA+)」との報が流れたことで、一時“142.674円”へと押し戻される場面も見られました。
ドル円は“不安定な様相”を見せつつある中、“高値警戒感”と“さらなる上値模索”が並立する動きを続けています。

◆ それでも「深刻なドル売りにつながらない」との見方は少なくない…?


「向こう3年の財政悪化見通し」「債務上限問題を巡る過去2年間の政府のガバナンス低迷」を理由としていますので、ある意味“当然”といえるかもしれません。
このため現時点での反応は限定されているものの、欧州勢が参戦してくるタイミングまで目が離せない…?
一方で格付け見通しは「安定的」への変更に過ぎませんので、「深刻なドル売りにつながらない」との見方は少なくない…?

◆ 主だった上値メドも見当たらない…!? - “143円台”


テクニカル的に見ると、昨日記した“7/10高値(142.997円)”を上回ったことで、“143円台”には「主だった上値メドが見当たらない」というのが実状といえます。
このため“昨日高値(143.544円)”を意識する声は小さく、上回ると“7/7高値(144.195円)・7/6高値(144.646円)・7/5高値(144.730円)・7/3(144.909円)”といった“144円台”に目が向きがちということになります。

“高値警戒感”を意識しながらにはなるものの、“さらなる上値模索”については本日も想定せざるを得ないと考えたいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

145.194(ピボットハイブレイクアウト)
145.116(2022/10/27安値《2022/11/10急落時のネックライン》)
145.069(6/30高値《年初来高値》、大台)
144.909(7/3高値)
144.730(7/5高値)
144.646(7/6高値、+2σ)
上値5:144.369(ピボット2ndレジスタンス)
上値4:144.195(7/7高値)
上値3:144.000(大台)
上値2:143.854(ピボット1stレジスタンス)
上値1:143.544(8/1高値)
前営業日終値:143.339
下値1:143.000(大台)
下値2:142.800(+1σ)
下値3:142.514(ピボット1stサポート)
下値4:142.204(8/1安値、7/28~8/1の23.6%押し)
下値5:142.000(大台)
141.827(日足・一目均衡表先行スパン上限)
141.689(ピボット2ndサポート)
141.452(7/28~8/1の38.2%押し)
141.155(日足・一目均衡表基準線、50日移動平均線、週足・一目均衡表転換線、ピボットローブレイクアウト)
141.000(大台)
140.806(7/28~8/1の50%押し、日足・一目均衡表転換線)

《10:50》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想