目先は“利益確定売り”が進行しやすいとは見るが…！？ - ドル円

◆ 急伸…　－　“142円手前”

　『持続的かつ安定的なインフレ目標達成への確信は強まっていない』
　『7月会合では現状維持を決定するだろう』

日銀関係者の発言と伝わった冒頭の内容は、マーケットを様変わりさせました。
浮上していた「日銀金融政策変更」への思惑に対して、“巻き戻し”を誘ったからです。
こうして“前日高値（140.496円）/50日移動平均線（140.598円）”を突破したドル円は、ストップロスを絡めながら“6/30～7/14の50％戻し（141.155円）”をも駆け抜け、“141.953円”へと急伸しました。
もっとも“142円ライン”に展開するドル売りオーダーを吸収するには至らず、その後は“上値の重さ”を意識する展開となりましたが、それでも“下値の堅さ”を維持しながら先週末の取引を終えています。

◆ 『結果を見極めたい』との思惑は台頭しやすいが…？

内田日銀副総裁発言（7日）にて急浮上した「日銀金融政策変更」への思惑は、植田日銀総裁発言（18日）を経て後退したかに思われました。
しかしながら欧米勢の一部には「日銀金融政策変更」への期待は根強く残り続け、それが今回の“巻き戻し”につながったと見られます。
このため“さらなる上値模索”に関しては、一巡後は微妙といわざるを得ないのが実状といえます。
ましてや今週は「中銀ウィーク」ということで、米・欧・日の会合を前に『結果を見極めたい』との思惑が台頭しやすいと見るのが妥当でもあります。
それでも前記“同50％戻し（141.155円）”を突破したことを踏まえれば、“その次（同61.8％戻し:142.078円）”を窺うと見るのが妥当でもある…？

◆ それでも“同61.8％戻し”は通過点として捉えられる…！？

テクニカル的に見ると、“先週末終値（141.805円）”は“20日移動平均線”とほぼ合致する水準になり、ここで上値を押さえられた格好といえます。
このため明白に突破すると、すぐ先にある“同61.8％戻し”はただの通過点として捉えられやすく、それでいて“10日高値（142.997円）”まで主だった上値メドは見当たらない…？
目先は“ポジション調整主体”になりやすいと見られますが、それで“頭打ち→反落”と見るのはやはり早計と考えておきたいところです。
いくら『結果を見極めたい』との思惑が台頭しやすいとはいっても…。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

145.116（2022/10/27安値《2022/11/10急落時のネックライン》）
145.069（6/30高値《年初来高値》、大台）
144.909（7/3高値）
144.730（7/5高値、ピボットハイブレイクアウト）
144.646（7/6高値）
144.316（+1σ）
144.195（7/7高値）
144.000（大台）
143.372（ピボット2ndレジスタンス）
上値5：143.221（6/30～7/14の76.4％戻し）
上値4：142.997（7/10高値、大台）
上値3：142.589（ピボット1stレジスタンス）
上値2：142.078（6/30～7/14の61.8％戻し）
上値1：141.953（7/21高値、大台）
前営業日終値：141.805（20日移動平均線）
下値1：141.433（7/21安値後の23.6％押し）
下値2：141.155（日足・一目均衡表基準線、週足・一目均衡表転換線、7/21安値後の38.2％押し）
下値3：141.000（大台）
下値4：140.841（7/14～7/21の23.6％押し、7/21安値後の50％押し）
下値5：140.745（50日移動平均線）
140.592（7/21安値後の61.8％押し）
140.386（ピボット1stサポート）
140.270（7/21安値後の76.4％押し）
140.153（7/14～7/21の38.2％押し）
140.000（大台）
139.750（7/21安値）
139.597（7/14～7/21の50％押し、日足・一目均衡表先行スパン上限/転換線）
139.392（-1σ）
139.117（7/20安値）
139.040（7/14～7/21の61.8％押し）
138.966（ピボット2ndサポート、大台）
138.751（7/19安値）
138.352（7/14～7/21の76.4％押し）
138.183（ピボットローブレイクアウト）
138.020（月足・一目均衡表転換線、大台）

《10:55》