“下値の堅さ”を再確認後、再び“上値トライ”…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2023/07/20 11:10

◆ あと一歩届かず… - “140円ライン”


“昨年3月以来の低い伸び(+7.9%)”を記録した英CPIを背景にして、昨日は“ポンド売り”が目立ちました。
特にこれが対ドルで進行したこともあり、相対的に“ドル買い”も目立つ格好となりました。
こうして“ネックライン(7/17高値:139.408円)”と上回ったドル円は、欧州タイム中盤にかけて“139.993円”へと駆け上がっていきました。

もっとも“心理的な節目”ということもあって、分厚い“利益確定売り”が行く手を阻みました。
また昨日発表の米住宅関連指標は“弱め(着工件数は△8.0%/許可件数は△3.7%)”となったことで、“ドル買い”も緩みました。
こうして乗せ切るには“あと一歩”届かず、幾分“押し戻されて”昨日の取引を終えています。

◆ それでも“円売り”への安心感は維持されている…?


このため本日の注目は、昨日阻止された“140円回復”に再度挑むかと見られるところです。
最終的に“ドル買い”は緩んだものの、「米7月利上げ」に関しては“ほぼ既定路線”であり、その後は“不透明”ではあるものの“高止まり”との見方は大きくは後退しておりません。
一方で昨日も記したように、植田日銀総裁は『持続的・安定的に2%インフレ達成にはまだ距離』と発言しています。
このため「日米金利格差」は高水準で維持される可能性が高く、少なくとも“円売り戻し”への安心感は維持されていると見るのが妥当ということになります。

冒頭で記したように、“心理的な節目”にはまとまった規模のドル売りオーダーが散見されているものの、“6/30~7/14の38.2%戻し(140.231円)/50日移動平均線(本日は140.500円)”を意識する声も少なからず存在しています。
跳ね返された直後という点を踏まえれば“一旦反落(もう一段の下落)”は当然とは考えますが、それでも“下値の堅さ”を再確認して、再び“上値トライ”といった展開を想定したいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

142.078(6/30~7/14の61.8%戻し、大台)
141.932(20日移動平均線)
141.461(7/11高値、ピボットハイブレイクアウト)
141.155(6/30~7/14の50%戻し、日足・一目均衡表基準線、週足・一目均衡表転換線)
141.000(大台)
140.724(ピボット2ndレジスタンス)
上値5:140.500(50日移動平均線)
上値4:140.360(7/12高値)
上値3:140.231(6/30~7/14の38.2%戻し、ピボット1stレジスタンス)
上値2:140.119(日足・一目均衡表転換線)
上値1:139.993(7/19高値、大台)
前営業日終値:139.701
下値1:139.456(-1σ)
下値2:139.343(7/14~7/19の23.6%押し)
下値3:139.000(大台、7/14~7/19の38.2%押し、ピボット1stサポート)
下値4:138.875(日足・一目均衡表先行スパン上限)
下値5:138.751(7/19安値)
138.617(7/14~7/19の50%押し)
138.292(7/14~7/19の61.8%押し、ピボット2ndサポート)
138.020(月足・一目均衡表転換線、大台)
137.890(7/14~7/19の76.4%押し)
137.723(7/18安値、ピボットローブレイクアウト)
137.627(50週移動平均線)
137.240(7/14安値、20週移動平均線)
137.136(100日移動平均線)
136.953(200日移動平均線、大台)

《10:45》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想