*13:40JST 日産東HD Research Memo(10):慎重な前提で同社は減益予想だが、保守的な印象
■業績動向
4. 2024年3月期の業績見通し
2024年3月期の業績見通しに関して日産東京販売ホールディングス<8291>は、売上高150,000百万円(前期比9.0%増)、営業利益6,000百万円(同6.2%減)、経常利益5,700百万円(同6.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益3,300百万円(同1.2%増)と見込んでいる。中期経営計画の取り組みを着実にこなしていくことで事業の成長を図るが、緩和したとはいえ半導体不足による車両供給不足や、物価上昇などによるコストアップを見込み、営業利益と経常利益は減益予想となっている。
中古車については新車の回復で台数が伸びる一方で販売単価が下がって平常化、整備は例年通り前期並みを見込んでいるため、新車と個人リースで売上高をけん引する予定である。新車については、主力の新型「セレナ」e-POWERを4月に発売、人気のEV「サクラ」とe-POWER車「エクストレイル」の通年寄与もあり、新車販売台数の増加と販売単価の上昇を見込んでいる。また、ベストプラクティスの共有徹底により新車のメニューに個人リースを加えて提案していく。さらに、新車販売における個人リースのノウハウを活かし、中古車の個人リースを本格導入する計画である。これにより、個人リースの販売比率(乗用車)20%(前期比3ポイント上昇)を目指す。「ニッサン・リテール・コンセプト」店舗については、基幹店を中心に5店舗で建て替えに着手する予定となっている。
利益面では、新卒や中途採用など人的資源への投資強化や働き方改革による人財確保など人件費、新型「セレナ」e-Powerや軽EV「サクラ」の試乗車全店舗配備や運転支援技術に対応する整備機器の導入といった設備費などで先行費用を考えており、営業利益と経常利益は減益予想となっている。日産自動車の2023年3月期の国内小売販売台数の見通しが前期比12.1%増加する見通しになっているため、中古車や整備の売上高が大きく伸びないことを考慮すると、同社の売上高の伸びはおおむね妥当な線と考えられる。しかし、日産販売会社3社統合による営業費の適正化が2023年3月期に一巡していること、人件費や設備費への先行投入が増えることを考慮しても、中期経営計画の施策効果や増収効果が期待できることから、減益予想というのはやや保守的な印象がある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<SI>
4. 2024年3月期の業績見通し
2024年3月期の業績見通しに関して日産東京販売ホールディングス<8291>は、売上高150,000百万円(前期比9.0%増)、営業利益6,000百万円(同6.2%減)、経常利益5,700百万円(同6.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益3,300百万円(同1.2%増)と見込んでいる。中期経営計画の取り組みを着実にこなしていくことで事業の成長を図るが、緩和したとはいえ半導体不足による車両供給不足や、物価上昇などによるコストアップを見込み、営業利益と経常利益は減益予想となっている。
中古車については新車の回復で台数が伸びる一方で販売単価が下がって平常化、整備は例年通り前期並みを見込んでいるため、新車と個人リースで売上高をけん引する予定である。新車については、主力の新型「セレナ」e-POWERを4月に発売、人気のEV「サクラ」とe-POWER車「エクストレイル」の通年寄与もあり、新車販売台数の増加と販売単価の上昇を見込んでいる。また、ベストプラクティスの共有徹底により新車のメニューに個人リースを加えて提案していく。さらに、新車販売における個人リースのノウハウを活かし、中古車の個人リースを本格導入する計画である。これにより、個人リースの販売比率(乗用車)20%(前期比3ポイント上昇)を目指す。「ニッサン・リテール・コンセプト」店舗については、基幹店を中心に5店舗で建て替えに着手する予定となっている。
利益面では、新卒や中途採用など人的資源への投資強化や働き方改革による人財確保など人件費、新型「セレナ」e-Powerや軽EV「サクラ」の試乗車全店舗配備や運転支援技術に対応する整備機器の導入といった設備費などで先行費用を考えており、営業利益と経常利益は減益予想となっている。日産自動車の2023年3月期の国内小売販売台数の見通しが前期比12.1%増加する見通しになっているため、中古車や整備の売上高が大きく伸びないことを考慮すると、同社の売上高の伸びはおおむね妥当な線と考えられる。しかし、日産販売会社3社統合による営業費の適正化が2023年3月期に一巡していること、人件費や設備費への先行投入が増えることを考慮しても、中期経営計画の施策効果や増収効果が期待できることから、減益予想というのはやや保守的な印象がある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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