*16:41JST かっこ Research Memo(1):将来の収益獲得に向けた取り組みに費用を積極投下
■要約
かっこ<4166>は、データサイエンスに関する知見とノウハウを武器に主にEコマース(電子商取引。以下、EC)不正検知サービス市場において、ECで起こる様々な不正を検知するサービスをSaaS型で顧客に提供している。ECにおける不正注文を検知する主力製品の「O-PLUX」、金融機関、会員サイトなどへの不正アクセスを検知する「O-MOTION」を展開しているほか、EC市場をメインターゲットとしてBNPL(Buy Now Pay Later:後払い決済)事業者などを対象に「決済コンサルティングサービス」、小売、流通、製造業など様々な業種の顧客を対象にした「データサイエンスサービス」なども提供する。導入企業数の増加によるデータの蓄積によって、同社サービスの検知精度が向上し、さらなる顧客の獲得につなげるという好循環が生まれている。
1. 2023年12月期第1四半期の業績概要
2023年12月期第1四半期(1-3月)業績は、売上高263百万円(前年同期比7.0%増)、営業利益29百万円(同38.4%減)、経常利益29百万円(同40.0%減)、四半期純利益19百万円(同41.7%減)だった。中核サービスの不正検知サービスにおいては、「O-PLUX」による上限額なしでクレジットカードの不正利用被害を補償する「O-PLUX Premium Plus(出荷判断代行サービス)」、及び月額4,000円から利用可能な不正注文検知サービス「不正チェッカー」の販売拡大を進めたほか、ECパッケージ・ショッピングカートとのシステム連携、さらにカード会社とのパートナー契約締結等、アライアンスの推進に努めたことから、新規顧客の増加及び既存顧客の深耕拡大により、通期計画に対する売上高の進捗率は28.2%で着地した。一方、利益面については、引き続きO-PLUXアーキテクチャ刷新による減価償却費のほか、主にセールスマーケティング・カスタマーサクセスに対する増員による体制整備、東南アジア事業展開のための事業調査・テストマーケティングなど、将来の収益獲得に向けた投資を積極的に進めたことにより、各段階利益は減益での着地だった。
2. 2023年12月期の業績見通し
2023年12月期の業績は、売上高933百万円(前期比13.3%減)、営業損失187百万円(前期は176百万円の黒字)、経常損失190百万円(同154百万円の黒字)、当期純利損失190百万円(同100百万円の黒字)を見込んでいる。2022年11月9日付の「主要取引先の事業終了に関するお知らせ」において公表したとおり、主要顧客への不正アクセス検知サービス「O-MOTION」及び決済コンサルティングサービスの提供を終了した影響により売上高が大幅に減少する見込みである。一方で、EC市場の持続的な成長及びオンライン決済における不正被害の急増を背景に、法規制等の不正対策に対する社会的要請が高まるなか、同社の不正検知サービスのニーズは増加しており、機能拡充・サービス領域拡張といった将来の収益獲得に向けた投資を引き続き積極化させる計画である。また、2月からは初期投資リスクや運用コストを最小限に抑えたEC事業者向けの「SaaS型BNPLシステム」の提供を始めたほか、インターネット広告市場が成長を続けるなか、マーケティングDX事業を展開するバリュークリエーション(株)との資本業務提携により事業領域を拡大した。さらに6月から、被害が急増しているクレジットマスター(以下、クレマス)※対策として、「O-PLUX」の審査エンジンを活用し、高精度で検知する「不正チェッカー クレマスプラン」を業界最安値で提供開始するなど、新たなサービス展開による業績への寄与が見込まれると弊社では考えている。
※ クレジットカード番号の規則性にしたがって、他人の番号を割り出すことを目的とした行為。
3. 市場規模
同社が事業を行っている市場は、今後も順調に拡大していくことが見込まれている。EC不正検知サービスの市場規模予測に関しては、2023年の約3,040億円から2027年には約4,349億円と4年で約43.1%の拡大が見込まれているほか、同社の顧客が事業を行うBNPL市場は、2023年の約1.5兆円(予測)から2026年には約2兆円(予測)とおよそ33.3%の成長率で拡大することが予測されている。
■ Key Points
・不正検知サービスは国内導入数No.1、安心・安全なECのインフラ構築に貢献
・不正検知サービスの市場規模は拡大
・「SaaS型BNPLシステム」により、新たなBNPL市場創出へ
・急増するクレジットマスター対策「不正チェッカー クレマスプラン」を業界最安値で提供
(執筆:フィスコ客員アナリスト 村瀬智一)
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かっこ<4166>は、データサイエンスに関する知見とノウハウを武器に主にEコマース(電子商取引。以下、EC)不正検知サービス市場において、ECで起こる様々な不正を検知するサービスをSaaS型で顧客に提供している。ECにおける不正注文を検知する主力製品の「O-PLUX」、金融機関、会員サイトなどへの不正アクセスを検知する「O-MOTION」を展開しているほか、EC市場をメインターゲットとしてBNPL(Buy Now Pay Later:後払い決済)事業者などを対象に「決済コンサルティングサービス」、小売、流通、製造業など様々な業種の顧客を対象にした「データサイエンスサービス」なども提供する。導入企業数の増加によるデータの蓄積によって、同社サービスの検知精度が向上し、さらなる顧客の獲得につなげるという好循環が生まれている。
1. 2023年12月期第1四半期の業績概要
2023年12月期第1四半期(1-3月)業績は、売上高263百万円(前年同期比7.0%増)、営業利益29百万円(同38.4%減)、経常利益29百万円(同40.0%減)、四半期純利益19百万円(同41.7%減)だった。中核サービスの不正検知サービスにおいては、「O-PLUX」による上限額なしでクレジットカードの不正利用被害を補償する「O-PLUX Premium Plus(出荷判断代行サービス)」、及び月額4,000円から利用可能な不正注文検知サービス「不正チェッカー」の販売拡大を進めたほか、ECパッケージ・ショッピングカートとのシステム連携、さらにカード会社とのパートナー契約締結等、アライアンスの推進に努めたことから、新規顧客の増加及び既存顧客の深耕拡大により、通期計画に対する売上高の進捗率は28.2%で着地した。一方、利益面については、引き続きO-PLUXアーキテクチャ刷新による減価償却費のほか、主にセールスマーケティング・カスタマーサクセスに対する増員による体制整備、東南アジア事業展開のための事業調査・テストマーケティングなど、将来の収益獲得に向けた投資を積極的に進めたことにより、各段階利益は減益での着地だった。
2. 2023年12月期の業績見通し
2023年12月期の業績は、売上高933百万円(前期比13.3%減)、営業損失187百万円(前期は176百万円の黒字)、経常損失190百万円(同154百万円の黒字)、当期純利損失190百万円(同100百万円の黒字)を見込んでいる。2022年11月9日付の「主要取引先の事業終了に関するお知らせ」において公表したとおり、主要顧客への不正アクセス検知サービス「O-MOTION」及び決済コンサルティングサービスの提供を終了した影響により売上高が大幅に減少する見込みである。一方で、EC市場の持続的な成長及びオンライン決済における不正被害の急増を背景に、法規制等の不正対策に対する社会的要請が高まるなか、同社の不正検知サービスのニーズは増加しており、機能拡充・サービス領域拡張といった将来の収益獲得に向けた投資を引き続き積極化させる計画である。また、2月からは初期投資リスクや運用コストを最小限に抑えたEC事業者向けの「SaaS型BNPLシステム」の提供を始めたほか、インターネット広告市場が成長を続けるなか、マーケティングDX事業を展開するバリュークリエーション(株)との資本業務提携により事業領域を拡大した。さらに6月から、被害が急増しているクレジットマスター(以下、クレマス)※対策として、「O-PLUX」の審査エンジンを活用し、高精度で検知する「不正チェッカー クレマスプラン」を業界最安値で提供開始するなど、新たなサービス展開による業績への寄与が見込まれると弊社では考えている。
※ クレジットカード番号の規則性にしたがって、他人の番号を割り出すことを目的とした行為。
3. 市場規模
同社が事業を行っている市場は、今後も順調に拡大していくことが見込まれている。EC不正検知サービスの市場規模予測に関しては、2023年の約3,040億円から2027年には約4,349億円と4年で約43.1%の拡大が見込まれているほか、同社の顧客が事業を行うBNPL市場は、2023年の約1.5兆円(予測)から2026年には約2兆円(予測)とおよそ33.3%の成長率で拡大することが予測されている。
■ Key Points
・不正検知サービスは国内導入数No.1、安心・安全なECのインフラ構築に貢献
・不正検知サービスの市場規模は拡大
・「SaaS型BNPLシステム」により、新たなBNPL市場創出へ
・急増するクレジットマスター対策「不正チェッカー クレマスプラン」を業界最安値で提供
(執筆:フィスコ客員アナリスト 村瀬智一)
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