「145円超え」が介入のトリガー?
【注目ポイント】「140.000円」で下値サポートされるか否か
【シナリオ①】同レートで下値サポートなら、「150.000円」付近までの上昇を想定
【シナリオ②】同レート割れなら、「135.000円」付近までの下落も視野に
【想定“主戦場”(コアレンジ)】「135.000~150.000円」
日足チャートにおいて典型的な上昇トレンドを示すチャート形状となっている米ドル/円。週足チャートにおいても、「強気」を示すメルクマールが出現しています。
上図(週足チャート)の各メルクマールを見ると、1) 26週MA(移動平均線)が右肩上がりであること、2) 遅行スパンがローソク足を上抜ける“好転”が示現していること、3) ローソク足が赤色雲(=抵抗帯、先行スパン)を上抜け突破していること、4) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の下方で点灯していること、そして5) DMI(方向性指数)で+DI>-DIの乖離が拡大し、ADXが右肩上がり推移になりつつある(上図青色点線丸印)ことから、現在の米ドル/円・週足チャートは上昇トレンド序盤を示すチャート形状であると判断します。
その他メルクマールでは、ⅰ) ローソク足がBB・+1σラインと同・+2σラインの間を推移する上昇バンドウォークとなっていること、また、ⅱ) BB・±2σラインが拡張するエクスパンションが示現していることを合わせると、今後の米ドル/円はもう一段の上値切り上げとなる可能性も。
そんな中、足もとで注目すべきポイントは・・・BB(ボリンジャーバンド)・+1σラインをメドとする「140.000円」(上図黄色矢印および黒色線)で下値サポートされるか否か。
筆者が予想する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①]
これからの時間にかけて「140.000円」で下値サポートされた場合は、「上昇バンドウォークの継続」→「もう一段の上値追い」となりそうです。当該ケースでは、「(BB・±2σラインの拡張である)エクスパンションの進展」や「SARの買いサイン継続」、また「+DI>-DIのさらなる乖離拡大」なども伴いながら、昨年10月(上図水色三角印)に付けた直近高値水準である「150.000円」(上図Ⓐ赤色線)付近までの上昇を想定すべきでしょう。
[シナリオ②]
一方で、「140.000円」を終値ベースで割り込んだ場合は、「上昇バンドウォーク崩れ」→「もう一段の下値追い」となる可能性も。当該ケースでは、「エクスパンションの後退」や「SARの売りサインへの転換」、また「+DI>-DIの乖離縮小」なども伴いながら、約半年間における市場参加者の平均コストを示す26週MAをメドとする「135.000円」(上図Ⓑ水色線)付近までの下落も視野に入れるべきでしょう。ただし、現状では、約1年間の市場参加者の平均コストを示す52週MAの方向性が右肩上がりとなっていることから、下値余地は限定的となりそうです。
上記シナリオ①および②を概括すると、今後の米ドル/円は下値しっかりの相場付きが継続するとの想定の下、「135.000~150.000円」を当面※の“主戦場”(コアレンジ)とする展開になりそうです。(※ここでの「当面」は、向こう1カ月程度のスパンを想定しています。)
他方、ここもとの鈴木財務相ならびに神田財務官らによる円安牽制発言の意図を鑑みると、「145.000円」を超えるゾーン(上図灰色四角枠)では、スピード調整目的の実弾介入となる可能性も視野に入れるべきでしょう。米ドル/円のトレンド観測をする上で、最も重視すべき材料は『日米中銀の金融政策スタンス比』であることを根幹としつつ、足もとでは上述した(口先も含めた)為替介入に伴う刹那的な「ガス抜き/調整」主体の円高フローには留意した方が良さそうです。
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