*12:03JST アクシスC Research Memo(3):ハイエンド人材領域に強みを持つ人材紹介事業とスキルシェア事業を展開(1)
■事業内容
1. 事業内容
アクシスコンサルティング<9344>は、ハイエンド人材領域において、正社員採用サービスをコンサルティングファームと事業会社向けに提供する「人材紹介事業」と、独立しフリーランスとなったコンサルタントによる企業の経営・事業課題の解決支援サービス「フリーコンサルBiz」及び1回1時間からコンサルタントに相談できるサービスを提供するデジタルプラットフォーム「コンパスシェア」からなる「スキルシェア事業」を提供している。顧客である事業会社やコンサルティングファームには、経営課題を解決するハイエンド人材を紹介し、キャリア転換を考えるハイエンド人材には転職・独立・副業への支援を通じて柔軟な働き方や自律的なキャリア形成などの価値を提供している。
2023年6月期第3四半期における売上構成比は人材紹介事業が66.2%、スキルシェア事業が33.8%となった。同社グループのセグメントはヒューマンキャピタル事業の単一セグメントで、人材紹介事業が同社の主力事業と言える。
(1) 人材紹介事業
同社は、コンサルティングファーム向けの正社員採用サービスを提供し、採用難易度が高く高単価なマネージャー以上の採用支援に強みを持つ。連結子会社であるケンブリッジ・リサーチ研究所は、事業会社向けの正社員採用サービスを提供している。経営層・デジタル・DX領域等のハイエンド人材に加え、同社との連携によってコンサルタント経験者の採用支援も行う。
取引候補先であるコンサルティングファームや事業会社の経営者とは、定期的に情報交換会を開催している。これまで蓄積してきたノウハウやケーススタディにより、即戦力のコンサルタント経験者の起用法や課題解決のための個別相談に対応することで、ネットワークの強化と拡大につなげている。
転職希望者には、これまで蓄積された実績に基づくノウハウやナレッジにより、最適な会社・キャリアを提案している。「生涯のキャリアパートナー」としてコンサルタントへの就業のための方法や将来に向けたキャリアプランを提供する。
(2) スキルシェア事業
スキルシェアとは、個人のスキルを提供(シェア)することにより対価を得ることを指す。同社においては、企業の課題解決において外部人材リソースを提供するサービスをスキルシェアと定義している。「スキルシェア事業」では、「フリーコンサルBiz」「コンパスシェア」の2つを展開している。「フリーコンサルBiz」は、フリーコンサルタントによる企業の経営・事業課題の解決支援を提供するサービスである。「コンパスシェア」は、経営・事業課題を1回1時間からコンサルタントに相談できるデジタルプラットフォームである。
(a) 「フリーコンサルBiz」
「フリーコンサルBiz」は、同社グループが保有する人材のデータベースから、戦略策定やDX経験のあるフリーコンサルタントへ企業の経営・事業課題のプロジェクトを紹介するサービスである。同社は、依頼される事業会社と業務委託に関する包括的な基本契約を締結した後、案件ごとに個別契約を締結する。同時に、フリーコンサルタントと案件に関わる業務委託契約を締結し、フリーコンサルタントが事業会社やコンサルティングファームのプロジェクトに参画する流れとなる。
事業会社側のメリットとして、同社に登録したフリーコンサルタントは、経営戦略、事業創出、専門分野に特化しているため、事業会社が求める課題解決にマッチングしたコンサルティングを活用できることにある。また同社と事業会社との契約になるため、個人との直接契約に比べ安定した取引ができるうえ、フリーランスを活用することにより機動的にプロジェクトを行える利点もある。利用方法として、プロジェクトの初期段階はフリーコンサルタントを利用し、中長期的には正社員としての雇用へ切り替えるといったような、状況に応じた起用により人件費リスクを下げた柔軟な人材配置も可能だ。
フリーコンサルタント側のメリットとしては、高収入などの金銭的メリットを得やすくなる点にある。フリーコンサルタントにとっては新規事業立ち上げ・システム導入・DX案件などの独自性や自由度の高い案件に携われる可能性も高い。同社のキャリアサポートにより、フリーコンサルタントから正社員として就職できるケースもある。
同社にとっては、過去に同社の正社員採用サービスを利用して転職した人材が、採用された事業会社の経営陣になり、同社へ案件を発注するケースも多く、継続的なプライム(直請け)※案件が請けやすくなる。
※エンドクライアントとして役務提供を受ける企業と同社が直接契約を締結し、同社がエンドクライアントである企業に直接サービスを提供すること。
(b) 「コンパスシェア」
2022年7月よりスタートした「コンパスシェア」は、様々な経営・事業課題を抱える企業の経営層や担当者に対し、現役コンサルタントやフリーコンサルタントによるコンサルティングサービスを短時間・短期間で提供するサービスである。事業会社側は市場調査等のスポット案件、経営・事業に関する問題解決につながる外部コンサルティングなどの小規模な案件に活用できる。現役コンサルタントやフリーコンサルタント側は、隙間時間に利用したり、自身の能力や知識を副業に活用したりすることができる。サービスを依頼したい事業会社は、同社の運営するプラットフォームに相談内容を登録した後、プラットフォーム上でコンサルタントを募集または指名し、事前にミーティングを行ったうえで、スポットコンサルティングを発注することがきる。一方、コンサルタント側がサービスを利用する場合は、同社のプラットフォームに登録し依頼者からの相談内容を確認のうえエントリーした後、依頼者からのオファーを受諾する流れになる。
「スキルシェア」に類似したサービスとして「クラウドソーシング」がある。一般的には「スキルシェア」はスキルを買って欲しい者が提示して売る仕組みであるのに対して、「クラウドソーシング」はスキルが欲しい者が募集して買う仕組みである。同社のサービスにおいて、「フリーコンサルBiz」はスキルシェア的要素が強く、「コンパスシェア」はクラウドソーシング的要素が強いため、互いのサービスを補い相乗効果を生む仕組みとなっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)
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1. 事業内容
アクシスコンサルティング<9344>は、ハイエンド人材領域において、正社員採用サービスをコンサルティングファームと事業会社向けに提供する「人材紹介事業」と、独立しフリーランスとなったコンサルタントによる企業の経営・事業課題の解決支援サービス「フリーコンサルBiz」及び1回1時間からコンサルタントに相談できるサービスを提供するデジタルプラットフォーム「コンパスシェア」からなる「スキルシェア事業」を提供している。顧客である事業会社やコンサルティングファームには、経営課題を解決するハイエンド人材を紹介し、キャリア転換を考えるハイエンド人材には転職・独立・副業への支援を通じて柔軟な働き方や自律的なキャリア形成などの価値を提供している。
2023年6月期第3四半期における売上構成比は人材紹介事業が66.2%、スキルシェア事業が33.8%となった。同社グループのセグメントはヒューマンキャピタル事業の単一セグメントで、人材紹介事業が同社の主力事業と言える。
(1) 人材紹介事業
同社は、コンサルティングファーム向けの正社員採用サービスを提供し、採用難易度が高く高単価なマネージャー以上の採用支援に強みを持つ。連結子会社であるケンブリッジ・リサーチ研究所は、事業会社向けの正社員採用サービスを提供している。経営層・デジタル・DX領域等のハイエンド人材に加え、同社との連携によってコンサルタント経験者の採用支援も行う。
取引候補先であるコンサルティングファームや事業会社の経営者とは、定期的に情報交換会を開催している。これまで蓄積してきたノウハウやケーススタディにより、即戦力のコンサルタント経験者の起用法や課題解決のための個別相談に対応することで、ネットワークの強化と拡大につなげている。
転職希望者には、これまで蓄積された実績に基づくノウハウやナレッジにより、最適な会社・キャリアを提案している。「生涯のキャリアパートナー」としてコンサルタントへの就業のための方法や将来に向けたキャリアプランを提供する。
(2) スキルシェア事業
スキルシェアとは、個人のスキルを提供(シェア)することにより対価を得ることを指す。同社においては、企業の課題解決において外部人材リソースを提供するサービスをスキルシェアと定義している。「スキルシェア事業」では、「フリーコンサルBiz」「コンパスシェア」の2つを展開している。「フリーコンサルBiz」は、フリーコンサルタントによる企業の経営・事業課題の解決支援を提供するサービスである。「コンパスシェア」は、経営・事業課題を1回1時間からコンサルタントに相談できるデジタルプラットフォームである。
(a) 「フリーコンサルBiz」
「フリーコンサルBiz」は、同社グループが保有する人材のデータベースから、戦略策定やDX経験のあるフリーコンサルタントへ企業の経営・事業課題のプロジェクトを紹介するサービスである。同社は、依頼される事業会社と業務委託に関する包括的な基本契約を締結した後、案件ごとに個別契約を締結する。同時に、フリーコンサルタントと案件に関わる業務委託契約を締結し、フリーコンサルタントが事業会社やコンサルティングファームのプロジェクトに参画する流れとなる。
事業会社側のメリットとして、同社に登録したフリーコンサルタントは、経営戦略、事業創出、専門分野に特化しているため、事業会社が求める課題解決にマッチングしたコンサルティングを活用できることにある。また同社と事業会社との契約になるため、個人との直接契約に比べ安定した取引ができるうえ、フリーランスを活用することにより機動的にプロジェクトを行える利点もある。利用方法として、プロジェクトの初期段階はフリーコンサルタントを利用し、中長期的には正社員としての雇用へ切り替えるといったような、状況に応じた起用により人件費リスクを下げた柔軟な人材配置も可能だ。
フリーコンサルタント側のメリットとしては、高収入などの金銭的メリットを得やすくなる点にある。フリーコンサルタントにとっては新規事業立ち上げ・システム導入・DX案件などの独自性や自由度の高い案件に携われる可能性も高い。同社のキャリアサポートにより、フリーコンサルタントから正社員として就職できるケースもある。
同社にとっては、過去に同社の正社員採用サービスを利用して転職した人材が、採用された事業会社の経営陣になり、同社へ案件を発注するケースも多く、継続的なプライム(直請け)※案件が請けやすくなる。
※エンドクライアントとして役務提供を受ける企業と同社が直接契約を締結し、同社がエンドクライアントである企業に直接サービスを提供すること。
(b) 「コンパスシェア」
2022年7月よりスタートした「コンパスシェア」は、様々な経営・事業課題を抱える企業の経営層や担当者に対し、現役コンサルタントやフリーコンサルタントによるコンサルティングサービスを短時間・短期間で提供するサービスである。事業会社側は市場調査等のスポット案件、経営・事業に関する問題解決につながる外部コンサルティングなどの小規模な案件に活用できる。現役コンサルタントやフリーコンサルタント側は、隙間時間に利用したり、自身の能力や知識を副業に活用したりすることができる。サービスを依頼したい事業会社は、同社の運営するプラットフォームに相談内容を登録した後、プラットフォーム上でコンサルタントを募集または指名し、事前にミーティングを行ったうえで、スポットコンサルティングを発注することがきる。一方、コンサルタント側がサービスを利用する場合は、同社のプラットフォームに登録し依頼者からの相談内容を確認のうえエントリーした後、依頼者からのオファーを受諾する流れになる。
「スキルシェア」に類似したサービスとして「クラウドソーシング」がある。一般的には「スキルシェア」はスキルを買って欲しい者が提示して売る仕組みであるのに対して、「クラウドソーシング」はスキルが欲しい者が募集して買う仕組みである。同社のサービスにおいて、「フリーコンサルBiz」はスキルシェア的要素が強く、「コンパスシェア」はクラウドソーシング的要素が強いため、互いのサービスを補い相乗効果を生む仕組みとなっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)
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