エルカンTCMB総裁のデビュー戦!引き続き“脱エルドアン”がポイントに

【注目ポイント】「5.640円」に達するか否か
【シナリオ①】同レートに不達(=上昇)なら、「6.000円」付近までの上昇も
【シナリオ②】同レートにタッチ(=下落)なら、「5.380円」割れも視野に
【当面の“主戦場”(コアレンジ)】「5.380~6.000円」
22日、注目のTCMB(トルコ中銀)会合で政策金利が発表されました。その結果は「6.5%の利上げ」(8.50%→15.00%)の大幅利上げとなったものの、事前予想値(中央値)の「12.50%の利上げ」(8.50%→21.00%)には及ばず、「期待感剥落(はくらく)」→「失望売り」となり、足もとのトルコリラ/円は下落フロー主体の動きとなっています。
上図の各メルクマールをそれぞれ見ていくと、1) 21日MA(移動平均線)が右肩下がりであること、2) 遅行スパンがローソク足の下方で推移していること、3) ローソク足の上方に赤色雲(=抵抗帯、先行スパン)があること、4) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の下方で点灯していること、そして5) DMI(方向性指数)で-DI>+DIとなり、ADXが高位置での横ばい推移になっている(上図青色点線丸印)ことから、現在のトルコリラ/円・日足チャートは下降トレンド継続を示すチャート形状であると判断します。
喫緊の注目ポイントは・・・上述したパラボリック・SARの23日基準値をメドとする「5.640円」(上図黄色矢印および黒色線)に達するか否か。
筆者が予想する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①]
これからの時間にかけて「5.640円」に不達(=上昇)となった場合は、「SARの買いサイン継続」→「反発フロー」となる可能性も。当該ケースでは、「下降バンドウォーク崩れ」や「-DI>+DIの乖離縮小」なども伴いながら、赤色雲の下辺である先行1スパンをメドとし、心理的な節目でもある「6.000円」(上図Ⓐ赤色線)付近までの上昇もあり得そうです。ただし、現状では赤色雲が分厚い形状(=強い上値抵抗帯)となっていることから、上値余地は限定的と見るべきでしょう。
[シナリオ②]
一方で、「5.640円」に達した(=下落)場合は、「SARの売りサインへの転換」→「(13日に付けた過去最安値である)5.609円割れ」→「もう一段の下値切り下げ」のトリガーとなりそうです。当該ケースでは、「下降バンドウォークの継続」や「-DI>+DIの乖離拡大」なども伴いながら、BB(ボリンジャーバンド)・-2σラインをメドとする「5.380円」(上図Ⓑ水色線)割れも視野に入れるべきでしょう。
上記シナリオ①および②を概括すると、トルコリラ/円は「5.380~6.000円」を当面※の“主戦場”(コアレンジ)とする中で、もう一段の下値切り下げを模索する相場付きとなりそうです。(※ここでの「当面」は、1~2週間のスパンを想定しています。)
今後のトルコリラ/円の相場動意に関しては、引き続き「TCMB(トルコ中銀)の独立性」がテーマとなりそうです。今回の(市場の期待値に比しての)“小幅利上げ”については、(独自の経済理論を唱える)エルドアン大統領からの独立不羈(どくりつふき)のための「嚆矢(こうし、=事始め)」と見るべきか、それとも同大統領への「忖度(そんたく)」ないしは「遠慮」と見るべきか。今しばらくその進展を見守る必要がありそうです。
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