先週も上値指向の強い地合いが継続。週末は33700円台で引ける
先週の予測では、前週末の9日(金)のメジャーSQ以降の外国人買いの動きとFOMCの結果に注目とし、基本的には株価は底堅い動きが続くとしました。9日(金)の終値がSQ値を大きく上回って引けたことで、上昇の継続を想定しました。
SQを通過すると次のSQに向けて先物やオプションは新たにスタートするので、現状では9週連続の買い越しの外国人投資家は、これまでのように日本株に対して強気の姿勢が続く可能性が高いとしました。
結果的には、日米中銀による金融政策の発表があり、様子見が強まる場面も想定されましたが、投資家の買い意欲が強く、日経平均は33000円台を回復し、その後も上げ幅を拡大しました。
12日(月)は、買い先行でスタートするものの、一時△15円の32280円まで下げましたが、終値は△168円の32434円と続伸しました。
13日(火)は、先物主導の展開で一気に上げ足を早め、一時△693円の33127円まで上昇し、終値では△584円の33018円と33000円台を回復しました。
14日(水)は、前日の米国市場で5月CPI(消費者物価指数)の発表を受け、伸びが鈍化したことでインフレ懸念が後退し、FOMCでの利上げ延期の見方からハイテク株中心に買われ、日経平均は強気に傾き衆議院解散に絡む株高期待も加わって、一時△646円の33665円まで上昇し、終値は△483円の33502円となりました。
15日(木)は、前日の米国ではFOMCは予想通り利上げを見送るものの、年内あと2回の利上げの可能性が示されたことで、日経平均は一時▲116円の33386円まで売られるものの、押し目買いが入ってプラス圏に浮上するものの、終値では▲16円の33485円と5日ぶりの反落でした。
週末16日(金)は、前日の米国株式が3指標そろって反発し、NYダウは△428ドルの34408ドルとなったものの、岸田首相の解散見送り表明で「選挙=株高」の思惑がハズレ、円安も一服したことで、先物売りを交えて一時▲298円の33186円まで前場は下げました。後場になると日銀の金融政策決定会合で、大規模金融緩和の継続が全員一致で決定されると反発に転じ、△220円の33706円で引けました。
16日(金)の米国市場は、利上げ観測の高まりで、特にFRB高官のタカ派的発言から7月のFOMCで利上げを行う見方が高まったことで、主要3指標そろって反落となりました。シカゴの日経先物は△25円の33675円、為替は+1.58円の141.85円と急速な円安となっています。
今週も堅調続く、米国株上昇続けば日経平均も、まず34000円を試す動きへ
今週は、FOMCで金利据え置きが決まったことで、目先は米国市場も強気相場入りの様相を呈しています。S&Pは、すでにチャートでは強気相場に入っています。NYダウが動きだせば日経平均は、とりあえず34000円を試すことになりますが、ここでは荒い動きになる可能性もあります。株式市場にとっては、今は問題点があっても市場に有利なように解釈されています。
例えば、アメリカのインフレは高いものの、底堅い消費になっているとか、中国の経済の懸念に対しても政府の大型景気刺激策や金融緩和の観測が不安を和らげています。
海外勢の買い余力は、依然として大きいとみられるので、今後も日本企業のガバナンス改革やデフレ脱却に向けた動きが継続すれば、海外の資金の流入は期待できるので日経平均はさらなる上昇が視野に入ります。
もっと短期的には、外国人の買いのペースダウンや利益確定売りの増加にも備えておく必要があります。又、7月下旬からは4~6月期決算発表シーズンを迎えますが、中国依存度の大きい企業は収益が伸び悩む可能性もあり、それにより海外勢の日本株選好が一時的に中国や米国などに資金が流れる展開も考えられます。
月足の動きを過去の経験則からのテクニカル的な見方をすれば、1月から6月までの上昇の継続で月足の陰線が継続すれば、6月に今年のピークをつける確率が高くなります。すでに1月から5月までのうちで4回の陰線となっています。
(指標)日経平均
先週の動き
先週の予測では、6月9日(金)のメジャーSQを無事通過したことで、あらためて外国人買いがスタートする可能性があり、14日(水)のFOMCの結果公表までは堅調な動きになるとしました。9日(金)の終値32265円で柴田罫線では「ろく買」となり、さらなる上昇の法則が出ていました。
結局、FOMCでの利上げ見送り観測が広がり、日経平均は12日(月)は△168円、13日(火)は△584円、14日(水)は△646円の33665円まで上昇して、33年3ヶ月ぶりの高値をつけ、終値は△483円の33502円となりました。15日は、FOMCの結果が6月は利上げ休止(今年はあと2回の利上げ予想)で、目先、材料出尽くしと思われましたが、後場には33767円と高値更新するものの、高値警戒感からの売りに押され、▲16円の33485円と5日ぶりの小反落となりました。週末16日(金)は、前場はマイナス圏だったが、後場は日銀の緩和策維持を受け、△220円の33706円と大幅反発しました。
今週の見通し
先週、FOMCの金利据え置きが決まったことで、目先、米株式も上昇が継続すれば日経平均も34000円を試す動きへ。日銀の金融政策の現状維持を受けて、日米金利差拡大から急速な円安となっており、輸出関連株中心に買いが続く可能性があります。
(指標)NYダウ
先週の動き
先週の予測では、6月14日(水)のFOMCの結果発表を控え、6月は利上げ停止の観測が高まり、ドル買い・株高の流れとなりました。
12日(月)は、NYダウは△189ドルと5日続伸。13日(火)はFOMCで利上げ一時停止見通しからNYダウは34310ドルまで上昇し、終値は△145ドルの34212ドルと6日続伸となりました。
しかし、14日(水)は、6月利上げ見送りながら年内あと2回の利上げの可能性が示唆されたことで▲232ドルの33979ドルと反落。15日(木)は、FOMCの結果や5月小売売上高の増加などを受け、景気後退懸念が和らぎ、△428ドルの34408ドルと大幅反発で年初来高値。16日(金)は、FOMCで6月の利上げは延期されたものの、7月のFOMCで利上げが行われるとの見方からNYダウは▲108ドルの34299ドルと反落しました。
今週の見通し
今週は、FRBは6月のFOMCで市場の予想通り、昨年3月の利上げ開始以降で初めて利上げを見送りました。声明では、大幅利上げによるインフレや景気への影響を今後の経済指標で見直すとしています。
インフレは昨年6月にピークアウト後、原油安が奏功して鈍化基調にありますが、そのペースは遅く、中銀の目標である2%にはまだ達していません。労働市場も依然力強く、利上げの必要性は残るようです。議長がタカ派色を再度、強調した場合には、株価の上値を抑制することになります。
経済指標では、5月住宅着工件数・住宅建設許可件数、6月フィラデルフィア連銀非製造業活動指数、新規失業保険申請件数、5月中古住宅販売件数、5月景気先行指数、6月カンザスシティ連銀製造業活動指数、6月製造業・サービス業PMIなどが予定されています。
(指標)ドル/円
先週の動き
週末16日(金)のNY為替市場は、FRBによる追加利上げ観測再燃で、ドルが反発しました。140.24円から141.92円まで上昇し、141.87円で引けました。米国のインフレ低下期待で、一時、ドル買いが後退しましたが、FRB高官による追加利上げ支持の再表明を受け、金利上昇に伴うドル買いが一段と加速し、一方で日銀の大規模緩和の継続決定で円売りが強まりました。
今週の見通し
今週は、日米金利差拡大によりドルは下げづらく、またFRBによる金融引き締めが米国経済に与える影響を見極めようと、ドル買いは慎重となりそうです。しかし、ドル高・円安は加速しており、日本政府・日本銀行による為替介入が行われる可能性も意識されるところです。
パウエルFRB議長は次回7月開催のFOMCでの利上げについて明確な方針を明らかにしておらず、引き続き経済指標をみながらの相場展開となりそうです。足元の経済指標で小売売上高は予想を上回り、旺盛な消費を反映。一方、フィラデルフィア連銀製造業景況指数は前月より改善したものの、7月以降に製造業の景況感が大幅に改善する可能性は低いことが示されたことで、6月23日発表の製造業とサービス業のPMIが市場予想を下回った場合、年後半の景気減速懸念でドル買い・円売りは縮小する可能性があります。
一方、日本銀行は6月15-16日の金融政策決定会合で現行の金融緩和政策を継続しました。金融政策の早期修正は想定されませんが、1ドル=141円台では日本政府・日銀による為替介入が実行される可能性があるため、新たなドル買い材料が提供されない場合、リスク選好的なドル買い・円売りが一段と拡大する可能性は低いとみられています。予想レンジは139~141円を想定。
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