前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

配信元:株探
投稿:2023/06/01 05:30

自重堂 <3597>  9,110円 (+1,500円、+19.7%) ストップ高

 自重堂 <3597> [東証S]がストップ高。30日の取引終了後、23年6月期の期末一括配当予想を300円から500円へ増額修正したことが好感された。なお、前期実績に対しては200円の増配になる予定だ。

トラースOP <6696>  508円 (+80円、+18.7%) ストップ高

 トラース・オン・プロダクト <6696> [東証G]がストップ高。今月17日にストップ高に買われた後、前日30日まで9日続落と調整色を強めていたが、売り飽き気分が漂うなか、31日は一気に切り返す展開となった。同社はIoT機器の製造販売を主力に手掛けるが、30日取引終了後に不動産再生事業を手掛けるLOOPLACE(東京都千代田区)とAI電力削減ソリューション「AIrux8」の共同実証実験を実施し、LOOPLACE本社の空調設備における電力使用量の大幅削減を達成したことを発表、これが株価を強く刺激する格好となった。

ジオコード <7357>  980円 (+150円、+18.1%) ストップ高

 ジオコード <7357> [東証S]がストップ高。31日の寄り前、ラクス <3923> [東証P]と協業を開始すると発表したことが好感された。ラクスの「楽楽販売」とジオコードの「ネクストSFA」が連携・協力することで、双方の顧客に対して経営課題の解決支援を今まで以上に行うことができるようになると判断。今回の協業により、まず相互送客の面での協力・連携体制を確立するほか、共同セミナーの企画・開催など、新たな顧客の獲得に向けた販売促進に関する取り組みや、「ネクストSFA」と「楽楽シリーズ」を組み合わせることで、幅広い業務領域に活用できるソリューション開発などの検討を行うとしている。

OKウェイヴ <3808>  60円 (+9円、+17.7%)

 オウケイウェイヴ <3808> [名証N]が急反騰。30日の取引終了後、同日付で資本・業務提携したレダグループホールディングス(東京都千代田区)などを割当予定先とする現物出資による第三者割当増資を発表。財務改善への期待から買いが優勢となった。発行株式数は1341万7700株で、発行価格は1株33円。希薄化率は議決権ベース(3月末時点)で99.98%。なお、今回の増資は5月の臨時株主総会で承認された株主割当による新株予約権の無償発行で必要な資金が確保できなかった場合に実施する。

ダントーHD <5337>  690円 (+94円、+15.8%) 一時ストップ高

 ダントーホールディングス <5337> [東証S]が続急騰。一時ストップ高に買われ、年初来高値を更新した。30日の取引終了後、連結子会社のタッチストーン・キャピタル・マネージメントが第三者割当増資を実施すると発表した。米国の不動産事業に精通する割当先から、企業価値向上のための協力関係の申し出があったといい、ダントーHDに対しては業績面でのプラス効果を期待した買いが集まったようだ。タッチストーン・キャピタル・マネージメントは新規に5805株を発行し、1株1万7226円で不動産開発投資及びコーポレートベンチャーキャピタルを運営するTAT Capital Fundに割り当てる。調達資金は業務拡大に伴う設備投資や運転資金に充てる方針。増資後のタッチストーン・キャピタル・マネージメントに対するダントーHDの持ち分比率は50%となるが、引き続き連結子会社となる。23年12月期の連結業績への影響は、現在精査中とした。

アステリア <3853>  766円 (+98円、+14.7%) 一時ストップ高

 東証プライムの上昇率トップ。アステリア <3853> [東証P]が3日続急騰。一時ストップ高となったほか、Speee <4499> [東証S]が急伸。日本国内では6月1日に改正資金決済法が施行される。法定通貨を裏付け資産とする「ステーブルコイン」が電子決済手段と定義され、個人や企業間の送金・決済手段として、国内の金融機関による発行が見込まれている。日本円対象のステーブルコインの普及促進を目指すアステリアや、子会社がステーブルコインによるデジタル証券のクロスチェーン決済に関する技術検証に成功したと発表した経緯のあるスピーに対しては、国内での流通解禁による業績面での好影響を見込んだ買いが入ったようだ。

日野自 <7205>  621円 (+68円、+12.3%)

 東証プライムの上昇率2位。日野自動車 <7205> [東証P]が急騰。30日の取引終了後、三菱ふそうトラック・バス(川崎市中原区)と、経営統合することで基本合意を締結することを決めたと発表した。日野自はエンジン認証に関する不正行為の発覚後、業績が悪化し、23年3月期まで3期連続で最終赤字を計上していた。今回の発表をポジティブサプライズと受け止めた買いが集まったようだ。24年3月に最終契約を締結し、同年12月末までの経営統合の実施を目指す。日野自と三菱ふそうが、統合会社の完全子会社となる予定で、統合会社の株式は東証プライム市場及び名証プレミア市場への上場を想定する。トヨタ自動車 <7203> [東証P]と、三菱ふそうの親会社である独ダイムラートラックは、統合会社の持ち分比率を別途決める。経営統合実施後、トヨタは日野自の親会社ではなくなる見込み。日野自と三菱ふそうは商用車の開発、調達、生産分野で協業する。

ADWG <2982>  202円 (+19円、+10.4%)

 東証プライムの上昇率3位。ADワークスグループ <2982> [東証P]が急反騰。31日の寄り前、第2四半期累計(1-6月)連結業績フォーキャスト(確度が高い情報及び合理的と判断される情報に基づく業績見通し)を発表しており、売上高183億円(前年同期比27.5%増)、経常利益12億円(同90.5%増)とした。同社はその年度の経営目標を「業績計画」として発表しており、23年12月期は売上高400億円(前期比43.6%増)、経常利益18億7000万円(同96.1%増)としているが、経常利益が通期計画の64%に相当することから、計画上振れへの期待から買いが入ったようだ。

HEROZ <4382>  1,609円 (+134円、+9.1%)

 東証プライムの上昇率4位。HEROZ <4382> [東証P]が3日続急伸。30日の取引終了後、NTTマーケティングアクトProCX(大阪市都島区)及びUSEN-NEXT HOLDINGS <9418> [東証P]と共同で、ChatGPTを活用し人と生成AIを融合した「次世代型コンタクトセンター」プロジェクトを始動したと発表したことが好感された。CXコンサルティングノウハウを持つNTTマーケティングアクト、AI技術を提供するHEROZ、コンテンツ配信事業や店舗サービス事業、通信事業などを展開し、各事業のコンタクトセンターを運用するUSENHDのそれぞれの強みを生かすことで、生成AIを活用した事業運営モデルを共同で開発し、それを本格導入することでコンタクトセンターの生産性向上を図るのが狙い。コンタクトセンターにおける「Azure OpenAI Service」を使用しカスタマイズされた「ChatGPT」を活用した顧客接点の高度化や、問い合わせ対応中・対応後の従事者アシスタントによる業務の効率化、業務量予測などのマネジメントの自動化などを目指すとしている。

ユビテック <6662>  258円 (+19円、+8.0%)

 ユビテック <6662> [東証S]が続急伸。31日午後1時ごろ、同社の工場や工事現場などで働く作業者の安全見守りサービス「Work Mate」が、国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)に登録されたと発表しており、好材料視された。NETISは、民間事業者などが開発した新技術に関わる情報を共有および提供するデータベース。今後、工事受注者が公共事業などにおいて「Work Mate」を提案・活用することにより、作業者の転倒・転落検知や熱中症対策を含めた作業者の安全管理が図れるとともに、工事成績評定で加点の対象になるとしている。

サンアスタ <4053>  1,255円 (+78円、+6.6%)

 東証プライムの上昇率6位。Sun Asterisk <4053> [東証P]が急反発した。SBI証券が30日、サンアスタの目標株価を1400円から1600円に引き上げた。投資判断は「買い」を継続する。外注費の適正化やエンジニア単価の上昇を背景に、23年12月期第1四半期の売上総利益が前四半期比で大きく改善したと指摘。エンタープライズ顧客の獲得も順調との見方を示し、利益率の改善要因には持続性があるとの見方も示す。同証券はサンアスタの23年12月期の営業利益予想を13億5000万円から16億円に引き上げた。

NJS <2325>  2,485円 (+145円、+6.2%)

 東証プライムの上昇率7位。NJS <2325> [東証P]が急反発し年初来高値を更新した。30日の取引終了後、23年6月末時点の株主から株主優待制度を導入すると発表したことが好感された。毎年6月末及び12月末時点で3単元(300株)以上を保有する株主を対象に、特設サイトでコメやブランド牛などのグルメ、スイーツや飲料類、銘酒、家電製品、選べる体験ギフトなど5000種類以上の商品と交換できる優待ポイントを保有株数に応じて5000~1万ポイント贈呈するとしている。

エクサWiz <4259>  486円 (+24円、+5.2%)

 エクサウィザーズ <4259> [東証G]が急反発。30日の取引終了後に日鉄ソリューションズ <2327> [東証P]との業務提携を発表しており、これを好感した買いが集まった。今回の提携を通じて、両社顧客のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進や、エクサWizが手掛ける新サービスのローンチに向けた販売・提供強化に関する包括的なパートナーシップを構築する。また、中長期的に更に協業や連携を拡大させていく。

Sansan <4443>  1,709円 (+62円、+3.8%)

 Sansan <4443> [東証P]が大幅続伸。30日の取引終了後、インボイス管理サービス「Bill One」のオプションサービスとして、「Bill Oneビジネスカード」を6月1日に提供開始し、決済領域に参入すると発表したことが好感された。「Bill Oneビジネスカード」は、Bill One契約中のユーザーは利用手数料なしで利用できるほか、カード利用明細と証憑の自動照合が可能になり、アナログな法人カード業務を効率化できることなどが特徴。同社によると、既に200社が導入を決定しているという。

京セラ <6971>  7,926円 (+245円、+3.2%)

 京セラ <6971> [東証P]が大幅高で5日続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は30日、同社株のレーティングの「オーバーウエイト」を継続するとともに、目標株価を7400円から8400円に引き上げた。同社株のエクイティストーリーは「半導体関連の増産と電子部品のシナジー発現を背景とした成長局面」としている。中期経営計画を初めて発表し、積極投資により成長へ舵を切る姿勢と、同時に資本政策の進展に期待。KPI(重要業績評価指標)を定め、目標達成に向けキャッシュを振り向け、資本効率向上を図る戦略を評価している。

第一実 <8059>  5,920円 (+170円、+3.0%)

 第一実業 <8059> [東証P]が大幅高で上場来高値を更新。30日の取引終了後、9月30日を基準日として1株を3株に株式分割すると発表し、あわせて株式分割に伴い100円を予定していた24年3月期の期末配当予想を34円にするとした。株式分割による流動性の向上に対する期待や、前期に対しては実質増配となることが好感された。

UBE <4208>  2,255円 (+58円、+2.6%)

 UBE <4208> [東証P]が反発。同社が31日朝方に開示した定時株主総会の招集通知で、旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンスが大株主に浮上したことが明らかとなった。持ち株比率は1.82%となっている。これを手掛かりに同社株は買われた。

東洋水 <2875>  6,090円 (+150円、+2.5%)

 東洋水産 <2875> [東証P]が4日続伸。SMBC日興証券が30日付で投資評価「1」を継続し、目標株価を6850円から7200円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券によると、北米即席麺の競争環境は健全であり悲観する必要はないこと、今期も1ケタ台後半の強い需要の伸びが見込めることを会社取材で確認したという。24年3月期は北米が牽引役となることでガイダンスの上方余地が大きいとして、営業利益予想を510億円から533億円へ引き上げた。

ウエストHD <1407>  2,837円 (+58円、+2.1%)

 ウエストホールディングス <1407> [東証S]が反発。SMBC日興証券が30日付で新規に投資評価「1」、目標株価4200円でカバレッジを開始したことが好材料視されたようだ。同証券によると、同社の強みである長年培ってきたコスト競争力・提携先とのリレーションを生かすことで、高い収益性を維持しつつ案件を獲得し、24年8月期に過去最高益更新という力強い成長を実現できると予想。特に、再生可能エネルギー事業に属する産業用太陽光請負(自家発電)事業、ウエストFIT事業の両事業が、非FIT型太陽光発電所の建設需要増加を背景に業績を大きく拡大させると見込んでいる。

共英製鋼 <5440>  1,842円 (+26円、+1.4%)

 共英製鋼 <5440> [東証P]が反発。25日移動平均線をサポートラインとする下値切り上げ波動を維持している。日本製鉄グループに属する電炉大手で、鉄筋コンクリート用棒鋼では業界シェアトップに位置する。グローバル展開に強みを持っているのが特長で、カナダのアルタ・スチールの買収により世界3極体制を確立しており、トップラインは前期に過去最高を更新した。株価指標面ではPER6倍台で、PBRは0.4倍台と超割安圏に放置されている。現状で配当利回りは3.7%前後と高いが、東証の低PBR改善要請を背景に今後の株主還元策のほか、海外での成長戦略推進に向けた期待も大きい。

※31日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース
配信元: 株探

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