「140.000円」の攻防戦に要注目!
【注目ポイント】「140.000円」を上抜け突破するか否か
【シナリオ①】同レートを上抜け突破なら、「150.000円」までの上昇も視野
【シナリオ②】同レートで上値抑制なら、「130.000円」付近までの下落もあり得そう
【週足スパンでの“主戦場”(コアレンジ)】「130.000~150.000円」
今週に入り、約1年間における市場参加者の平均コストを示す52週MA(移動平均線)を上回り、もう一段の上値切り上げを模索する動きとなっている米ドル/円。
上図(週足チャート)の各メルクマールを見ると、1) 26週MAが横向きであること、2) 遅行スパンがローソク足と絡み合う状態(上図黄色丸印)になっていること、3) ローソク足が赤色雲(=抵抗帯、先行スパン)の中で推移していること、4) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の下方で点灯していること、そして5) DMI(方向性指数)で+DI>-DIとなり、ADXが右肩下がりでの推移(上図赤色点線丸印)となっていることから、現在の米ドル/円・週足チャートは上下圧力が拮抗するレンジ相場を示すチャート形状であると判断します。
喫緊の注目ポイントは・・・赤色雲の上辺である先行2スパン、およびBB(ボリンジャーバンド)・+2σラインをメドとする「140.000円」(上図黄色矢印および黒色線)を上抜け突破するか否か。
筆者が予想する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①]
これからの時間にかけて「140.000円」を終値ベースで上抜け突破した場合は、「上値抵抗帯突破」→「もう一段の上値切り上げ」のトリガーとなりそうです。当該ケースでは、「遅行スパンの“好転”(=上放れ)」や「+DI>-DIの乖離拡大」なども伴いながら、昨年10月に付けた高値水準(上図赤色丸印)である「150.000円」(上図Ⓐ赤色線)付近までの上昇も視野に入りそうです。
[シナリオ②]
一方で、「140.000円」付近での上値抑制(=上抜け突破不達)となった場合は、「上値抵抗圧力の増大」→「下押しフロー」となる可能性も。当該ケースでは、「遅行スパンの“好転フェイク(ダマし)”」や「SARの売りサインへの転換」、また「+DI>-DIの乖離縮小」なども伴いながら、BB・-1σラインをメドとする「130.000円」(上図Ⓑ水色線)付近までの下落もあり得そうです。
上記シナリオ①および②を概括すると、米ドル/円・週足チャートにおいて、「140.000円」ラインは極めて重要な上下分水嶺(ぶんすいれい)と捉えつつ、当面※は「130.000~150.000円」を“主戦場”(コアレンジ)とする相場付きとなりそうです。(※ここでの「当面」は、1~2カ月のスパンを想定しています)
米ドル/円の今後の方向性を決め得る因子としては、日米中銀による金融政策スタンスを基本軸としながら、足もとでは米デットシーリング(債務上限)問題のゆくえなどが相場動意となりそうです。
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