「早期の米利下げ観測」は後退したが…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2023/04/28 11:02

◆ 金利選好→ドル買い(戻し) - “134円台”回復


注目の米GDPは事前予想を大きく下回りましたが、コアPCEが伸びを拡大させました。
このため「早期の米利下げ観測」は後退し、さらに「年内利下げの可能性も低い」との見方が台頭しました。
こうして米10年債利回りが“上昇”する中、“金利選好→ドル買い(戻し)”が進行し、ドル円は“134.191円”へとさらに押し戻されていきました。

もっとも前日に台頭した“リスク回避姿勢”は払拭されたわけではなく、燻り続けているのが実状といえます。
何より主要イベントを控えるスケジュール感から“様子見ムード”が漂いやすく、“一方向への動意”を抑制しているのが実状といえます。

◆ サプライズはないと見るが…? - 日銀会合


こうした中、いよいよ本日はその第1弾「日銀金融政策決定会合」が行われます。
“据え置き(現状維持)”が見込まれてはいますが、「フォワード・ガイダンス修正」との声が一部で上がっているだけに、予断を許さないといえます。
特に“上方修正”が見込まれる「2023年インフレ見通し」も公表されますので、その数値次第ではとの意識も高まりやすいと見られます。
その後に行われる「植田総裁・記者会見」での一挙手一投足を含めて、“思惑が揺れ動く→レートも揺れ動く”といった展開には十分に注意しておく必要がありそうです。

◆ それ以上に本日は、主要指標が目白押し…!?


もっとも本日は「独・仏CPI」「欧GDP」に加え、「米PCEコア・デフレータ/シカゴ購買部協会景気指数/ミシガン大学消費者態度指数」と主だった米経済指標が目白押しとなっています。
そして冒頭で記したように「早期の米利下げ観測」は幾分後退していますが、この結果次第では巻き戻される可能性も十分…。
基本的には“様子見”との見方を継続しつつ、予断を持つことなく、臨機応変に対峙する柔軟さが求められる局面と見たいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

137.349(3/9高値)
136.985(3/10高値、200日移動平均線、大台)
136.087(50週移動平均線)
136.000(大台)
135.468(ピボットハイブレイクアウト)
135.339(+2σ)
135.119(4/19高値)
134.963(4/20高値、大台)
134.829(ピボット2ndレジスタンス)
上値5:134.725(4/24高値)
上値4:134.463(4/25高値、ピボット1stレジスタンス)
上値3:134.315(4/19~4/26の61.8%戻し、+1σ)
上値2:134.191(4/27高値)
上値1:134.067(日足・一目均衡表転換線)
前営業日終値:133.980(大台)
下値1:133.798(50日移動平均線、週足・一目均衡表転換線、4/26~4/27の38.2%押し)
下値2:133.603(4/26~4/27の50%押し)
下値3:133.464(4/26~4/27の61.8%押し)
下値4:133.372(20日移動平均線、ピボット1stサポート)
下値5:133.128(4/27安値、日足・一目均衡表先行スパン上限)
133.014(4/26安値、大台)
132.865(4/5~4/19の50%押し、100日移動平均線)
132.677(20週移動平均線、ピボット2ndサポート)
132.567(日足・一目均衡表先行スパン下限)
132.333(4/5~4/19の61.8%押し、日足・一目均衡表基準線、-1σ)
132.240(週足・一目均衡表先行スパン下限、ピボットローブレイクアウト)
132.169(4/14安値)
132.025(4/13安値、大台)
131.826(4/10安値)
131.470(4/7安値)
131.293(-2σ)

《10:40》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想