S&P500月例レポート(23年4月配信)<後編>

<前編>の続き

各国中央銀行の動き(および関連ニュース)

 ○FRBのパウエル議長は議会証言の中で、必要に応じて利上げのペースを加速する用意があると述べ、予想を上回るタカ派姿勢を示しました。これを受け、先物市場が示唆する3月21-22日のFOMCにおける0.50%の利上げの確率は35%から70%に上昇しました。同議長は議会証言の2日目で、FRBの決定はデータ次第であるとの見解を示しました。

 ○FOMCに先立って発表されるFRBのベージュブック(地区連銀経済報告)では、経済活動が活発となり、インフレのペースが緩和していることが示されました。

 ○3月21-22日に開かれたFOMCでは、予想されていた通りに満場一致で利上げが決定されました。利上げは9会合連続で、政策金利は0.25%引き上げられ、FF金利の誘導目標は4.75-5.00%と、2007年9月以来の高水準となりました。FRBは次回会合で追加利上げが行われ、2024年に利下げに転じる可能性を示唆しました。最後に利下げが行われたのは、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて開かれた2020年3月3日の臨時会合で、この時に政策金利は2.75%から0.25%まで、全会一致で引き下げられました。

  ⇒FOMCメンバーの金利予想を示すドットチャートによると、18名中17名が2023年末時点の政策金利を5.1%と予想しており(2022年12月の公表内容と変わらず)、つまり0.25%の利上げがあと1回行われる可能性があるということです。3月21-22日のFOMC時点で市場も同様に予想していました。

   →ドットチャートでは、2024年末の政策金利は0.8%引き下げられて4.3%と予想されています。

   →2025年末については、さらに1.2%引き下げられ3.1%と予想されています。

  ⇒2023年末時点の予想インフレ率は3.3%と、2022年12月時点の3.1%から引き上げられました。2023年の失業率の予想は、4.5%(2022年12月時点では4.6%)、2024年末は4.6%(12月時点から据え置き)となっています。

  ⇒声明では、不確実性が高まっていることを認める一方で、SVBファイナンシャルや銀行システムをめぐる現状についての言及はありませんでした。

   →市場の反応は薄く、S&P500指数は0.31%上昇にとどまりました(声明発表から記者会見が始まるまでの間に、一時は0.41%上昇しました)。

 ○パウエル議長は記者会見の冒頭で、銀行システムをめぐる現状認識について触れ、追加利上げの可能性を示唆した上で、FRBの決定はデータや経済状況次第(つまりは銀行をめぐる状況次第)であるとの見方を示しました。市場は、当初はやや下方に反応していましたが、その後、イエレン財務長官が全面的な預金保護に後ろ向きであるとの報道が流れ、記者会見が終わるころには大幅に下落しました。S&P500指数は1.65%下落してその日の取引を終えました。

企業業績

 ○500社が2022年第4四半期の決算発表を終えました。そのうちの337銘柄(67.4%)で営業利益が予想を上回り、497銘柄中323銘柄(65.0%)で売上高が予想を上回りました。売上高は四半期ベースで過去最高を更新する見通しです。

  ⇒第4四半期の最終結果は来週にも明らかになる予定ですが、暫定結果に基づくと、営業利益は前期比0.04%増でほぼ横ばい、前年同期比では11.2%減となる見通しです。売上高は過去最高を記録した前期(第3四半期)から3.4%増、前年同期比では9.0%増が見込まれ、過去最高を更新する見通しです。

  ⇒2022年第4四半期の営業利益率は第3四半期の11.28%から低下して10.92%となる見通しです(1993年以降の平均は8.29%、過去最高は2021年第2四半期の13.54%)。

  ⇒2022年第4四半期中に株式数の減少によって1株当たり利益(EPS)が大きく押し上げられた発表済みの銘柄の割合は、2022年第3四半期の21.24%に対して19.4%となりました。この割合は、2021年第4四半期は14.89%、コロナ禍に見舞われた2020年第4四半期は6.01%でした。

 ○2022年通年の利益は前年比5.4%減となる見通しで、2022年株価収益率(PER)は20.9倍となっています。

 ○2023年の利益は同10.9%増が見込まれており、2023年予想PERは18.8倍となっています。

  ⇒2023年第1四半期の利益は前期比0.4%減、前年同期比1.6%増となる見通しで、2023年3月時点の12ヵ月実績PERは20.8倍となっています。

 ○2024年の利益は同12.4%増が見込まれており、2024年予想PERは16.7倍となっています。

個別銘柄

 ○シリコンバレー・バンク(2022年末時点で資産は2090億ドルで、米国16位)の親会社である地方銀行SVBファイナンシャルは、預金の引き出しをカバーするために資産を売却して18億ドルの損失を計上し、22億5000万ドルの増資を目指すことを明らかにしました(同行はスタートアップ企業やベンチャーキャピタル向けに融資を提供しており、資金は短期証券で保有していましたが、金利上昇により証券価値が下落しました)。この発表を受けて、SVBファイナンシャルの株価は3月9日に60.4%下落し、S&P500指数の金融セクターは4.10%下落、S&P500指数全体では1.85%の大幅な下落を記録しました。シリコンバレー・バンクは増資に失敗し、翌10日、米連邦預金保険公社(FDIC)の管理下におかれました。

 FDICは保護対象(FDICは1口座あたり預金の上限25万ドルまでを保護する仕組みになっています)の預金は翌月曜日(13日)までにすべて引き出し可能になる、と発表しました(保護対象外の預金の引き出しに充てる資金には、シリコンバレー・バンクのまだ流動化されていない資産の活用を検討中)。シリコンバレー・バンクの破綻は米国史上2番目に大きな銀行の経営破綻であり、これを受けて、S&P500指数の金融セクターとS&P500指数は2日続落しました(それぞれ1.76%下落、1.45%下落)。

 ○バークシャー・ハサウェイは、オクシデンタル・ペトロリアムの株式を追加購入した結果、現在、同銘柄の22%を保有しています。

 ○ヘルスケア企業のノボ・ノルディスクは、イーライ・リリーとともに、インスリンの価格引き下げ(最大75%の値下げ)に踏み切りました。

 ○S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは、ヘルスケア企業のインスレット、農産物メーカーのブンゲ、S&P中型株400指数構成銘柄のソフトウエア企業フェア・アイザックをS&P 500指数に追加し、通信サービス企業のルーメン・テクノロジーズ、SVBファイナンシャル・グループ、シグネチャー・バンクを除外しました。

注目点

 ○2022年第4四半期に実施されたS&P500指数構成企業の自社株買いの総額は2112億ドルで、2022年第3四半期の2108億ドルからは0.2%増加、2021年第4四半期の2701億ドルからは21.8%減少しました。

  ⇒2023年1月から導入された自社株買い課税が2022年に実施されたと仮定すると、S&P500指数構成企業の負担は85億ドルとなり、営業利益は0.51%、GAAPベースの計上利益は0.58%減少していた計算となります。

  ⇒概算すると、約2.5%(自社株買いのグロスの金額に対しては、それより低い数値)の課税は、支払い形態に顕著な影響を与え、配当の支払いへの移行を引き起こす可能性があります。

   →ただし、配当は長期にわたる純粋なキャッシュフローであり、企業の予算に組み込まれるはずであるため、自社株買い金額がそのまま配当に移行するほどの変化はないでしょう。

インデックス・レビュー

◇S&P 500指数

 S&P500指数は3月に3.51%上昇して4109.31で月を終えました(配当込みのトータルリターンはプラス3.67%)。2月は3970.15で終え、2.61%の下落(同マイナス2.44%)、1月は4076.60で終え、6.18%の上昇(同プラス6.28%)でした。年初来第1四半期では7.03%の上昇(同プラス7.50%)、過去1年では11.09%下落(同マイナス9.57%)でした。2022年は19.44%の下落(同マイナス18.11%)、2021年は26.89%の上昇(同プラス28.71%)、2020年は16.26%の上昇(同プラス18.40%)、2019年は28.88%の上昇(同プラス31.49%)、2018年は6.24%の下落(同マイナス4.38%)でした。2022年1月3日の最高値からは14.33%の下落(同マイナス12.53%)、コロナ危機前の2020年2月19日の高値からは21.36%上昇(同プラス27.66%)でした。

 3月の日中ボラティリティ(日中の値幅を安値で除して算出)は2月の1.31%から1.51%に上昇(1月は1.45%)、年初来では1.43%となりました。2022年は1.83%、2021年は0.97%、2020年は1.51%でした。3月の出来高は、1月に前月比1%減少、2月に同5%増加した後、16%増加し(営業日数調整後)、2021年3月以降では最も多くなりました。前年同月比では12%増加しました。2023年3月までの過去1年では前年比18%増加しました。2022年は同6%の増加でした。

 3月に前日比で1%以上変動した日数は23営業日中11日(上昇が6日、下落が5日)、2%以上変動した日はありませんでした。2月は1%以上変動した日数は19営業日中9日(上昇が4日、下落が5日)、2%以上変動した日数は1日(下落)でした。1月は1%以上変動した日数は20営業日中9日(上昇が6日、下落が3日)、2%以上変動した日数は1日(上昇)でした。年初来では、1%以上変動した日数は62営業日中29日(上昇が16日、下落が13日)、2%以上変動した日数は2日(上昇が1日、下落が1日)でした。2022年は、1%以上変動した日数は122日(上昇が59日、下落が63日)、2%以上変動した日数は46日(上昇が23日、下落が23日)でした。2021年は、1%以上変動した日数は55日(上昇が34日、下落が21日)、2%以上変動した日数は7日(上昇が2日、下落が5日)でした。

 3月は23営業日中14日で日中の変動率が1%以上となり、2%以上の変動が6日、3%以上の変動はありませんでした(2月は19営業日中13日で日中の変動率が1%以上となり、2%以上の変動が3日、3%以上の変動はありませんでした)。年初来では1%以上の変動が44日、2%以上の変動が12日、3%以上の変動はありませんでした(直近で3%の変動があったのは2022年11月30日)。2022年は1%以上の変動が218日、2%以上の変動が89日、3%以上の変動が20日、4%以上の変動が4日ありました。2021年は1%以上の変動が93日、3%以上の変動が3日ありました。

 3月は11セクター中7セクターが上昇しました。2月は情報技術(0.29%上昇)のわずか1セクターが上昇、1月は8セクターが上昇しました。年初来では7セクターが上昇しています。3月のパフォーマンスが最高だったのは10.87%上昇した情報技術で、年初来では21.49%の上昇(指数内で最高)、2021年末比では13.63%の下落となりました。僅差で3月の騰落率2位となったコミュニケーション・サービスは3月に10.37%上昇、年初来では20.18%の上昇、2021年末比では28.39%の下落でした(この期間では指数内で最低のセクター)。一般消費財は3月に3.01%上昇(年初来では15.76%上昇、2021年末比では27.74%下落)、生活必需品は3.81%上昇(年初来では0.16%上昇、2021年末比では3.01%下落)しました。ヘルスケアは3月に2.06%上昇、年初来では4.72%下落(2021年末比では8.10%下落)、公益事業は3月に4.62%上昇、年初来では4.04%下落(2021年末比では5.42%下落)となりました。騰落率最下位となったのは金融で、3月に9.74%下落、年初来では6.05%下落、2021年末比では17.66%下落となりました。不動産は3月に2.08%下落(年初来では1.04%上昇、2021年末比では27.71%下落)、エネルギーは0.49%下落(年初来では5.57%下落、2021年末比では50.19%上昇、この期間では指数内で最高のセクター)となりました。

 3月は状況が逆転して、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を上回りました。3月の値上がり銘柄数は263銘柄(平均上昇率は5.41%)で、2月の113銘柄(同4.67%)から増加しました(1月は395銘柄で同10.47%)。10%以上上昇した銘柄数は32銘柄(同15.56%)で、2月の11銘柄(同16.46%)から増加しました(1月は179銘柄で同17.05%)。25%以上上昇した銘柄は2銘柄(同29.82%)で、2月は1銘柄(同27.39%)、1月は22銘柄(同31.82%)でした。

 一方、3月の値下がり銘柄数は240銘柄(平均下落率は6.98%)で、2月の390銘柄(同5.91%)から減少しました(1月は107銘柄で同3.77%)。3月は10%以上下落した銘柄数が53銘柄(同18.96%)と、2月の56銘柄(同13.90%)から減少しました(1月は6銘柄で同13.34%)。25%以上下落した銘柄数は10銘柄(同36.92%)で、2月は1銘柄(同35.24%)、1月はゼロでした。

 過去3ヵ月間(今年の第1四半期)では、値上がり銘柄数が増加して値下がり銘柄数を逆転しました。値上がり銘柄数は274銘柄(平均上昇率は13.02%)と、2月末の185銘柄(同8.59%)から増加し(1月末は382銘柄で同13.58%)、値下がり銘柄数は229銘柄(平均下落率は8.59%)と、2月末の317銘柄(同7.88%)から減少しました(1月末は120銘柄で同7.13%)。10%以上上昇した銘柄数は133銘柄(平均上昇率は21.34%)と、2月末の57銘柄(同18.31%)から増加し、10%以上下落した銘柄数は73銘柄(平均下落率は17.94%)と、2月末の98銘柄(同15.30%)から減少しました。過去3ヵ月間で25%以上上昇した銘柄数は31銘柄(2月末時点は11銘柄)で、7銘柄(同3銘柄)が25%以上下落しました。

 2022年通年では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を大幅に上回り、値上がり銘柄数は139銘柄(平均上昇率は22.21%)、値下がり銘柄数は363銘柄(平均下落率は24.58%)でした。10%以上上昇した銘柄数は93銘柄(平均上昇率は30.94%)、10%以上下落した銘柄数は283銘柄(平均下落率は30.02%)でした。2022年通年で41銘柄が25%以上上昇し、162銘柄が25%以上下落しました。

◇世界の株式市場:S&Pグローバル総合指数

 グローバル市場は世界的な銀行をめぐる問題(米国ではSVBとファースト・リパブリック・バンク、米国外ではクレディ・スイスとドイツ銀行)に反応し、市場では金融(とそれに関連した)セクター以外のパフォーマンスが良好となりました。エネルギーセクターも銀行をめぐる状況から影響を受け、不動産も悪影響を受けました。中央銀行は利上げを継続し、大半の中銀が銀行問題が与信の減少につながる点を指摘し、パウエルFRB議長は、銀行のストレスが与信の引き締まりにつながる「可能性が高く」、「1回あるいは恐らくそれ以上の利上げに相当する」可能性があると指摘しました。

 より確立された先進国の金融市場において銀行の状況が注目される中で、新興国市場は先進国市場に出遅れましたが、米国を除いて比較すると、出遅れることはありませんでした。S&Pグローバル総合指数は、1月の7.26%の広範囲にわたる上昇(その前の2022年12月は3.87%下落、11月は7.48%上昇)、2月の2.90%下落の後に、3月は2.11%上昇しました。

 グローバル株式市場は、1月は米国の6.87%上昇を除くと7.78%の上昇、2月は米国の2.48%下落を除くと3.48%の下落となった後、3月は米国の2.48%上昇を除くと、1.62%上昇しました。世界の株式市場は2023年第1四半期の年初来では6.35%上昇し、米国の6.80%上昇を除くと5.72%上昇しました。2022年通年では20.04%下落(11月末時点では16.82%下落)で、米国の20.73%下落(同15.66%下落)を除くと19.13%の下落(同18.48%下落)でした。2023年3月までの過去1年間では、S&Pグローバル総合指数は9.54%の下落で、米国の10.23%下落を除くと8.61%の下落となりました。より長期では、米国のパフォーマンスが突出していました。過去2年間では5.82%下落しましたが、米国の0.86%下落を除くと、12.12%の下落でした。過去3年間では46.12%上昇しましたが、米国の58.67%上昇を除くと、31.23%の上昇でした。2020年11月3日の米大統領選以降では、グローバル株式市場は12.99%上昇しましたが、米国の19.15%上昇を除くと5.19%の上昇でした。

 S&Pグローバル総合指数の時価総額は2023年3月に1兆3550億ドル増加し(2月は2兆690億ドル減)、年初来では4兆280億ドルの増加となって、総額は69兆7860億ドルとなりました。米国以外の市場の時価総額は3月に4820億ドル増加し(同1兆420億ドル減)、年初来では1兆5820億ドル増加した一方、米国市場の時価総額は3月に8730億ドル増加し(同1兆270億ドル減)、年初来では2兆4460億ドル増加しました。2022年に、グローバル市場の時価総額は13兆3950億ドル減少し、米国以外の市場の時価総額は4兆2960億ドル減、米国市場の時価総額は9兆990億ドル減でした。

 3月は11セクター中8セクターが上昇し(1月は全11セクターが下落、1月は全11セクターが上昇)、セクター間のリターンのばらつきは拡大しました。3月のパフォーマンスが最高のセクター(情報技術、8.96%上昇)と最低のセクター(金融、7.18%下落)の騰落率の差は16.14%となり、2月の5.05%、1月の13.86%から拡大しました。年初来でのパフォーマンスが最高のセクター(情報技術、19.67%上昇)と最低のセクター(エネルギー、3.96%下落)の騰落率の差は23.63%となっています。2022年のパフォーマンスが最高のセクター(エネルギー、28.08%上昇)と最低のセクター(コミュニケーション・サービス、36.30%下落)の騰落率の差は64.38%となり、11月末時点の65.76%から縮小しました。

 金融情勢が不透明な中でも、新興国市場は持ちこたえて値を上げ、1月の6.62%の力強い上昇、2月の全体で5.65%の下落の後に、3月に1.85%上昇しました。新興国市場は2022年の20.46%の下落の後に、2023年年初来で2.45%上昇しました。過去1年間のリターンはなおマイナスで、12.49%下落しており、過去2年間では21.44%下落、過去3年間では20.84%上昇しています。3月は24市場中13市場が上昇し、2月の8市場は上回りましたが、1月の19市場は下回りました。

 サウジアラビアのパフォーマンスが最も良く、3月は4.76%上昇し、年初来では0.95%上昇、過去1年間では20.01%下落しました。2番目はペルーで3月は3.85%上昇し、年初来では6.76%上昇、過去1年間では15.59%下落しました。3番目は中国で3月は3.52%上昇し、年初来では4.52%上昇、過去1年間では6.93%の下落でした。パキスタンのパフォーマンスが最低となり、3月は10.04%下落し、年初来では18.67%下落、過去1年間では41.74%下落しました。これに続いたのがトルコで3月は9.07%下落し、年初来では14.15%下落、過去1年間では62.49%上昇しました。3番目はギリシャで3月は6.33%下落し、年初来では14.80%上昇、過去1年間では8.63%上昇しました。

 先進国市場は新興国市場よりも好調となり、1月の7.34%の力強い上昇、2月の2.56%下落の後に、3月に全体で2.14%上昇しました。先進国市場は、米国を除くと、1月の8.19%上昇、2月の2.72%下落の後に、3月に1.54%上昇しました。1月の24市場、2月の9市場に続き、3月は25市場中17市場が上昇しました。先進国市場は、年初来では6.83%上昇、米国を除くと6.87%上昇しました。2022年は20.55%の下落、米国を除くと19.26%の下落でした。過去1年間では9.17%の下落、米国を除くと8.61%の下落、過去2年間では3.70%下落、米国を除くと8.61%下落、過去3年間では49.59%の上昇、米国を除くと35.15%の上昇でした。

 パフォーマンスが最も良かったのはデンマークで3月は5.79%の上昇となり、年初来では10.54%上昇、過去1年間では10.77%の上昇でした。2番目はポルトガルで、3月は5.17%上昇、年初来では5.60%上昇、過去1年間では0.06%上昇しました。3番目は韓国で、3月は4.93%上昇、年初来では9.85%上昇、過去1年間では16.80%下落しました。パフォーマンスが最低だったのはオーストリアで3月は7.19%下落し、年初来では5.81%上昇、過去1年間では6.07%下落しました。これに続いたのがノルウェーで3月は5.20%下落し、年初来では5.18%下落、過去1年間では22.27%下落しました。3番目はフィンランドで3月は3.62%下落し、年初来では0.57%上昇、過去1年間では5.02%下落しました。

 注目すべき点として、ドイツは3月に3.37%上昇し、年初来では13.62%上昇、過去1年間では2.56%下落しました。日本は3月に2.65%上昇、年初来では4.67%の上昇、過去1年間では6.57%の下落となりました。カナダは3月に0.03%下落、年初来では3.38%の上昇、過去1年間では15.09%の下落となりました。英国は3月に1.51%下落し、年初来では4.66%の上昇、過去1年間では6.81%の下落となりました。
 

 

 

 

 

 

 
[執筆者]
ハワード・シルバーブラット
S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス
シニア・インデックス・アナリスト

※このレポートは、英文原本から参照用の目的でS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス(SPDJI)が作成したものです。SPDJIは、翻訳が正確かつ完全であるよう努めましたが、その正確性ないし完全性につきこれを保証し表明するものではありません。英文原本についてはサイトをご参照ください。
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配信元: みんかぶ株式コラム