今週は、16日(木)の26632円の彼岸底からの戻りで、終値で28000円回復
先々週(3月13日~17日)の予測では、下値を確認したあと28000円水準でのもみあいへとしました。
結果的に、16日(木)の26632円まで急落したあと、戻りを試す動きとなり、先週の予測では29日の3月期末配当の権利付最終日に向かって上昇が続く可能性があるとしました。
先週は、週前半は27日(月)は△91円の27476円、28日(火)は△41円の27518円と続伸し、27500円水準まで買われました。そして、注目の29日(水)は、3月期末の権利付最終日で、円安・ドル高歩調も後押しし、後場になると配当再投資絡みの先物買いが加わって大引けにかけて一段高となり、△379円の27897円まで上昇して、終値は△365円の27883円と3日続伸となりました。
この水準まで一気に上昇すると戻り売りが出てくることが想定され、30日(木)には、先物にまとまった売りが出て、一時▲253円の27630円まで下げましたが、日経平均の配当落ち分(約257円)よりも下げが少なかったことで、先物に断続的な買いが入って下げ渋り、下げ幅を縮小して▲100円の27782円の反落で収まりました。
そして週末の31日(金)は、米国市場でNYダウが、前々日△323ドル、前日は△141ドルの32859ドルと2日続伸したこともあり、又、円安歩調もあって前場には28000円回復したあと、しっかりした動きとなっていましたが、前場の△341円の28124円を高値に、戻り売りに上値が重くなり、△258円の28041円と3週間ぶりの28000円台で引けました。
3月は、日本株のアノマリー(経験則)である「3月彼岸底」の可能性があると月初めに言いました。特に16日(木)の26632円まで下げた時は、ここが底値になってもおかしくない状況でした。金融システムの不安は連鎖しやすく先行きへの警戒感は怠れませんが、今回は政府・FRBが早急に手を打ったことで、目先は安心感が出てくるところでした。ただ予想以上に戻りが早いので、いったん一服するのを待つところです。
週末の米国市場は、FRBが重視する物価指数が鈍化し、3月ミシガン大学消費者信頼感指数が速報値より下方修正されたことで、米利上げ停止時期が近いとの思惑からドルが伸び悩み、米株3指標は、そろって3日続伸となり、NYダウは△415ドルの33274ドル、ナスダックは△208Pの12221Pと四半期では2020年以来の大幅高となりました。シカゴの日経先物は△115円の28205円でした。
今週は、27500~28500円のレンジの中で上値をつけて一服する可能性
先週の日経平均は、3月期末配当の権利落ち後も急伸し、週末の3月31日(金)には、3週間ぶりの28000円を回復しました。米シリコンバレーバンクの経営破綻に端を発する金融システム不安で下落する場面があったものの、欧米当局の対応は早くひとまず落ち着きました。ただし、世界の金融機関の経営状況をめぐっては、まだ予断を許さないところがあるので注意が必要です。そういう状況の中で米株は連続の3日大幅続伸となりました。
これは、米経済指標でインフレに注視される指標が鈍化してきたことで、FRBの利上げの終点が意識され、年内利下げ転換への期待が企業業績の見通しを押し上げていることになります。これを受けて米国で半導体関連株が持ち直しつつある状況が日本株に好材料となっています。
名実ともに新年度入りする今週は、新規資金がハイテク株、バリュー株に向かう期待がありますが、目先は買い戻しを中心に大きく上昇しており、28500円水準では一服する可能性があります。4月上旬に一服して28500円を突破すれば次は3月9日の高値28734円を目指す展開が想定されます。目先は27500~28500円のレンジを想定します。
(指標)日経平均
先週の動き
先週は、29日が3月期末配当の権利付最終日にあたるため、3月期末の配当取りと再投資が絡んで上昇を想定しました。
週始めの27日(月)は、△158円の27543円まで上昇して、終値は△91円の27476円、28日(火)は、金融株中心に買い戻され△41円の27518円と27500円台を回復。29日(水)は、3月期末配当取りに加え円安と配当再投資に絡んだ先物買いで△365円の27883円と大幅に3日続伸となりました。30日(木)は、3月期末配当落ち日にあたり、売り方が売り先行で▲253円の27630円まで下げ、その後は先物に断続的な買いが入り、▲100円の27782円と4日ぶりの反落でした。週末31日(金)は、前日の米国株式で3指標がそろって2日続伸となったことや円安も支えとなって買い先行で始まり、一時△341円の28124円まで上昇し、終値は△258円の28041円と28000円台を3週間ぶりに回復しました。
今週の見通し
先週は、金融システム不安の後退から日米ともに大きく戻りを試す動きとなり、日経平均は円安も支えとなって週末31日(金)は、前場に△341円の28124円まで上昇して終値では△258円の28041円と3週間ぶりに28000円を回復しました。買い戻しを中心に上昇してきましたので、目先は一服する場面もありますが、そこでは押し目買いになる可能性が高いといえます。その後、3月9日の28734円を目指すことになります。
(指標)NYダウ
先週の動き
先週は、米国での地方銀行の倒産から始まった金融システム不安も落ち着いてきていることで、目先は戻りを試すことが期待されました。
週始めの27日(月)は、△194ドルと反発し、28日(火)は、金利上昇を嫌気して4日ぶりに小反落するものの、29日(水)は、金融システム不安が後退し、△323ドル32717ドルと大幅高となりました。半導体が買われナスダックも△210Pの11926Pの大幅高でした。30日(木)も新規失業保険申請件数が予想を上回りセンチメンタルの改善が続き、△141ドルと2日続伸し買い戻しが始まっています。
週末31日(金)は、FRBが注視する物価指数が鈍化したことを受け、利上げ停止期待が近いとの思惑からNYダウは、△415ドルの33274ドルと大幅に3日続伸で引けました。目先は33400ドルを超えると上値が重くなるところへきました。
今週の見通し
今週は、新四半期入りで新たな資金が入ることも期待され、4月は年を通じて季節的に上昇やすい月と見られており、また税還付金などの新たな資金が今月から株式市場に流入し始めるとの思惑も相場を支えそうです。次回のFOMCで鍵を握る雇用統計が週末に発表される予定で注目となります。地銀2行の破綻は、当局の支援によりいったん鎮静化しましたが、最終的に金融不安につながるかどうかは現時点ではまだわかりませんので注意が必要です。
FRBは、金融不安を受けて、ピーク金利を5.25%付近と見ており、高インフレの改善ペースが想定通りに進まないことから、一時は5.75%から6%付近まで金利が上昇する可能性も予想されていました。FRBの高官は、年内あと1回の利上げを支持する姿勢を見せており、雇用統計が想定通り良ければ、あと1回の利上げを正当化することになりそうです。逆に利上げ停止が視野に入れば株式相場にはプラスとなります。
経済指標では、3月ISM製造業景況指数、2月製造業受注、2月耐久財受注3月ADP雇用統計、2月貿易収支、3月ISM非製造業景況指数、週次新規失業保険申請件数、3月雇用統計などが予定されています。今週は、金融不安も落ち着いていることや、新四半期入りということもあり、上昇が期待できそうですが、経済指標の結果次第ではここから下落する可能性もあります。
(指標)ドル/円
先週の動き
先週は、週始めの27日(月)、28日(火)は、金利上昇歩調の中、130円をはさんだもみあいとなっていましたが、29日(水)は、金融システム不安の後退で米株主要3指標は大幅高となり、ドルも買われて1ドル=132.88円まであって、132.74円で引けました。30日(木)は、主要3指標の2日続伸に合わせて、132円台後半でのもみあいが続きました。週末31日(金)は、FRBがインフレ指標としている物価指数の2月分が予想以上に伸びが鈍化し、ミシガン大学消費者信頼感指数も速報値より下方修正したことで、133.31円まで上昇し、132.62円まで反落し、132.83円で引けました。
今週の見通し
今週のドル/円は、欧米金融システム不安は払拭されていないものの、過度な懸念は和らぎ、安全資産の円買いは弱まりそうです。FRBはインフレ抑止の方針を堅持するとみられ、ドル買い・円売りは継続する可能性があります。一方、パウエル議長は21~22日のFOMC後の記者会見で、利上げ休止を検討したことを明らかにしましたが、インフレ抑止に向け引き締め姿勢を維持したことで米長期金利は下げづらく、リスク回避的なドル売り・円買いは縮小しつつあります。次回、開催のFOMCに向け、今後、発表される経済指標で利上げを継続する材料となるか注視するところです。週末、発表の3月米雇用統計では、市場予想を上回った場合、金利高・ドル高の材料となり、ドル買い・円売りが加速することになります。予想レンジは130~133円を予想。
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