足もとは方向性模索の時間帯
【注目ポイント】「7.000円」で下値サポートされるか否か
【シナリオ①】同レートで下値サポートなら、「7.340円」付近までの戻り(=上昇)
【シナリオ②】同レート割れなら、「6.750円」付近までの下値切り下げも視野
先週末から今週にかけて、いわゆる“SVB(シリコンバレー銀行)ショック”や“CS(クレディスイス)ショック”によるリスク回避フローに伴い、米ドル/円やその他クロス円通貨が軒並み下落。その動きに連れ安となる形でメキシコペソ/円も大幅に下落し、足もとでは、おおよそ1年間における市場参加者の平均コストを示す200日MA(移動平均線)を一時的にアンダーシュートする動き(下ヒゲ、上図黄色丸印)を繰り返しています。
同時に、ローソク足が陰線・陽線交互になる状態を示す「鯨幕(くじらまく)相場」となっていることから、足もとのメキシコペソ/円は方向性を模索する時間帯(=気迷い相場付き)と見て良いでしょう。
上図にある各メルクマールを見てみると、1) 21日MAが概ね横向きであること、2) 遅行スパンがローソク足に絡み合う状態となっていること、3) ローソク足が青色雲(=サポート帯、先行スパン)を下抜けしていること、4) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の上方で点灯していること、そして5) DMI(方向性指数)で-DI>+DIとなり、ADXが右肩下がり推移になっている(上図青色点線丸印)ことから、現在のメキシコペソ/円・日足チャートは上下圧力が拮抗するレンジ相場を示すチャート形状であると判断します。
喫緊の注目ポイントは・・・上述した200日MAをメドとする「7.000円」(上図黄色矢印および黒色線)で下値サポートされるか否か。
筆者が予想する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①]
これからの時間にかけて「7.000円」で下値サポートされた場合は、「重要ラインでの下値固め」→「反発フロー」となりそうです。当該ケースでは、「(青色雲の上辺である)先行1スパン(≒7.250円)超え」や「-DI>+DIの乖離縮小」なども伴いながら、約1カ月間における市場参加者の平均コストを示す21日MAをメドとする「7.340円」(上図Ⓐ赤色線)付近までの戻り(=上昇)となりそうです。
[シナリオ②]
一方で、「7.000円」を終値ベースで割り込んだ場合は、「重要ライン割れ」→「もう一段の下値切り下げ」となりそうです。当該ケースでは、「遅行スパンの“逆転”」や「下降バンドウォークの示現」、また「-DI>+DIのさらなる乖離拡大」なども伴いながら、1月19日に付けた直近安値水準である「6.750円」(上図Ⓑ水色線)付近までの下値切り下げも視野に入れるべきでしょう。
上記シナリオ①および②を概括すると、今後のメキシコペソ/円のトレンド観測をする上で、200日MAは重要な“分水嶺(ぶんすいれい)”と捉えるべきでしょう。
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