■成長戦略
1. 成長戦略の進捗
ポラリス・ホールディングス<3010>は、2020年8月に「成長戦略プラン」、2021年1月に「ホテル運営方針」を発表し、「ROE(自己資本利益率)15%」や客室数6,396室(2024年3月期末)を主な目標に掲げている。中核事業であるホテルオペレーションについては、「競争力ならびに利益率の高いホテル運営プラットフォームの構築」をテーマに、(1) レベニューマネジメント業務の一元管理、(2) コスト削減による損益分岐点の引き下げ、(3) 賃料支払い負担比率の引き下げ(フィービジネスへの注力)、(4) 新規出店方針の確立、(5) スポンサーとのリレーションの強化、を基本方針として掲げ、実践に移してきた。
その成果は既に顕在化しつつある。既述のとおり、2023年3月期第2四半期は営業損益で黒字化を達成し、通期でもその勢いは変わらない。これは(2) コスト削減、(3) 賃料支払い負担比率の引き下げ、などが奏功したと言える。実際、「運営委託/変動賃料型」の客室数は、2020年3月末の292室から2022年10月末に2,880室まで増加し、損益分岐売上を下げることに貢献している。また、「KOKO HOTELS」の拡大(2022年10月末時点で15棟)や、フィリピンの企業グループ(以下、Red Planet Group)子会社化(詳細は後述)などは、(4) 新規出店方針の確立や(5) スポンサーとのリレーションの強化を具現化したものと言える。結果として、2022年10月末現在の客室数は7,890室(予定含む)に上り、2024年3月期末の目標である客室数6,396室を大幅に前倒しで達成した。
2. トピックス
同社は2022年7月、フィリピンにおいて「Red Planet」ブランドの宿泊特化型ホテル(日本のビジネスホテルに類似)13棟、合計2,208室をオーナー・オペレーターとして保有・運営するRed Planet Groupを子会社化することを発表した(株式譲渡は2023年1月頃の予定)。これはスターアジアグループとのリレーションを活用し実現したもので、同社がアジアに進出する契機となる。Red Planet Groupは、フィリピンのみならず日本、インドネシア及びタイにおいてホテル運営事業を展開しており、アジア有数のホテルブランドである。その運営手法にも強みがあり、特に独自の顧客ロイヤルティプログラムや先進的なITプラットフォームを活用したセールスマーケティング、効率的運営などは日本国内にも応用の余地がある。一方で、急速な成長に伴い多額の有利子負債を抱えたことに加え、コロナ禍での旅行者等の行動制限により、売上が減少し財務的にひっ迫した経緯がある。なお、本M&AはRed Planet Groupの全株式を取得する予定であり、譲渡価格は約857百万円となる。Red Planet Groupの純資産額は約4,454百万円、保有不動産評価反映後純資産額は約6,374百万円であり、譲渡価額と比較をすると、それぞれ約81%または約87%相当の大幅なディスカウントとなる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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1. 成長戦略の進捗
ポラリス・ホールディングス<3010>は、2020年8月に「成長戦略プラン」、2021年1月に「ホテル運営方針」を発表し、「ROE(自己資本利益率)15%」や客室数6,396室(2024年3月期末)を主な目標に掲げている。中核事業であるホテルオペレーションについては、「競争力ならびに利益率の高いホテル運営プラットフォームの構築」をテーマに、(1) レベニューマネジメント業務の一元管理、(2) コスト削減による損益分岐点の引き下げ、(3) 賃料支払い負担比率の引き下げ(フィービジネスへの注力)、(4) 新規出店方針の確立、(5) スポンサーとのリレーションの強化、を基本方針として掲げ、実践に移してきた。
その成果は既に顕在化しつつある。既述のとおり、2023年3月期第2四半期は営業損益で黒字化を達成し、通期でもその勢いは変わらない。これは(2) コスト削減、(3) 賃料支払い負担比率の引き下げ、などが奏功したと言える。実際、「運営委託/変動賃料型」の客室数は、2020年3月末の292室から2022年10月末に2,880室まで増加し、損益分岐売上を下げることに貢献している。また、「KOKO HOTELS」の拡大(2022年10月末時点で15棟)や、フィリピンの企業グループ(以下、Red Planet Group)子会社化(詳細は後述)などは、(4) 新規出店方針の確立や(5) スポンサーとのリレーションの強化を具現化したものと言える。結果として、2022年10月末現在の客室数は7,890室(予定含む)に上り、2024年3月期末の目標である客室数6,396室を大幅に前倒しで達成した。
2. トピックス
同社は2022年7月、フィリピンにおいて「Red Planet」ブランドの宿泊特化型ホテル(日本のビジネスホテルに類似)13棟、合計2,208室をオーナー・オペレーターとして保有・運営するRed Planet Groupを子会社化することを発表した(株式譲渡は2023年1月頃の予定)。これはスターアジアグループとのリレーションを活用し実現したもので、同社がアジアに進出する契機となる。Red Planet Groupは、フィリピンのみならず日本、インドネシア及びタイにおいてホテル運営事業を展開しており、アジア有数のホテルブランドである。その運営手法にも強みがあり、特に独自の顧客ロイヤルティプログラムや先進的なITプラットフォームを活用したセールスマーケティング、効率的運営などは日本国内にも応用の余地がある。一方で、急速な成長に伴い多額の有利子負債を抱えたことに加え、コロナ禍での旅行者等の行動制限により、売上が減少し財務的にひっ迫した経緯がある。なお、本M&AはRed Planet Groupの全株式を取得する予定であり、譲渡価格は約857百万円となる。Red Planet Groupの純資産額は約4,454百万円、保有不動産評価反映後純資産額は約6,374百万円であり、譲渡価額と比較をすると、それぞれ約81%または約87%相当の大幅なディスカウントとなる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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関連銘柄
銘柄 | 株価 | 前日比 |
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3010
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184.0
(15:30)
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+12.0
(+6.97%)
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