一家HD、各事業ともコロナ前の売上水準へ回復基調 下期の需要を確実に押さえ通期予想の達成を目指す
本資料の数字項目について
武長太郎氏(以下、武長):みなさま、おはようございます。まず、決算概要の数字について髙橋からご説明いたします。
髙橋広宜氏:本資料の数字項目について、2021年10月1日に一家ホールディングスを設立し、持株会社体制に移行しました。連結の実質的な変更はありませんので、資料内において前年同期比で数字を比較している部分については、一家ダイニングプロジェクトの2022年3月期第2四半期の数字と比較しています。
業績の季節変動について
業績の季節変動についてです。当社は過去の実績からも、飲食事業は忘年会の需要が高まる12月、ブライダル事業は施行件数が増える11月から12月あたりが年度の中でもピークの時期になっています。そのため、通期の中でも第3四半期に売上と利益が偏重している状況です。これは、今期の業績予想においても同様です。
2023年3月第2四半期業績動向 (グループ連結計:通期業績予想進捗)
第2四半期の業績動向についてご説明します。売上高は通期予想の89億6,100万円に対して、実績としては37億8,600万円で着地しています。通期予想に対する進捗率は42.2パーセントで、最終損失は9,300万円です。
第2四半期を終えた時点で赤字が出ていますが、まず上半期の状況についてご説明します。後ほど詳細をご報告しますが、ブライダル事業については前期末から徐々に需要が回復しています。今年に入ってからは施行数もかなり回復してきており、売上が安定してきています。そのため、ブライダル事業単体では黒字が出ている状況です。
一方、飲食事業については、4月は依然として新型コロナウイルスの感染者数が多い状況でスタートしました。5月に入り、3年ぶりの行動制限なしの連休ということで、ゴールデンウィーク付近にはポジティブな雰囲気になり、売上も徐々に回復しました。
通常、ゴールデンウィークが終わり、6月に向け閑散期に入りますが、今期に関しては感染者数の減少とともにポジティブな雰囲気が6月末まで続いていました。そのため、4月から5月、6月と回復率も右肩上がりでした。
しかし、第2四半期には第7波により感染者数が再び増えたため、7月、8月の売上に影響がありました。8月には、コロナ前の売上と比較して63.2パーセントまで落ち込みましたが、9月からまた一気に取り戻してコロナ前比較で81.6パーセントまで回復しました。
下半期に入り、直近の10月においては政府の「Go To キャンペーン」などの後押しもあり、一気にコロナ前比較で95.1パーセントまで回復してきている状況です。
先ほど売上の偏重についてお伝えしましたが、11月も好調な推移が続いており、第3四半期に関してはしっかり回復してきています。一番の繁忙期である12月をしっかり押さえることができれば、今期の業績予想の達成をまだまだ狙っていけると見込んでいます。
2023年3月第2四半期業績動向 (グループ連結計:前年同期比)
グループ連結計の数字についてです。昨年に関しては、飲食事業において新型コロナウイルスの影響で臨時休業もしくは時短営業を行っていたため、通常営業ができている店舗は1店舗もない状況でした。
今年に関しては、新型コロナウイルスの影響はありつつも、全店で通常営業を行っています。ブライダル事業も、先ほどお伝えしたとおりしっかり回復してきており、売上高は前年同期比プラス246.8パーセントとなりました。その結果、経常利益の赤字幅も大幅に縮小しています。
なお、昨年に関しては、助成金の収入と店舗の臨時休業などによる損失として、それぞれ特別利益・特別損失を計上しています。
2023年3月第2四半期業績動向 (飲食事業:前年同期比)
飲食事業についてです。先ほどもお伝えしたとおり、昨年は新型コロナウイルスの影響により通常営業ができない状況でしたが、今年は全店で通常営業を行っています。新規出店が3店舗、業態変更が3店舗、閉店が1店舗に加え、株式会社Egoを子会社化したことにより1店舗追加となり、店舗数は前期末から3店舗純増しています。売上高は28億9,600万円、前年同期比プラス416.5パーセントとなっています。
一方、通常営業の再開により人件費などの販管費が昨年に比べて増えたことに加え、昨年は休業中の損失を特別損失に計上していますので、販管費は前年同期比でプラスになりました。
また、昨年は臨時休業による食材の廃棄などがあったため、原価率が一時的に圧迫されていましたが、通常営業の再開により原価も通常化してきました。最終的には、飲食事業全体で1億2,200万円の赤字で着地しています。
2023年3月第2四半期業績動向 (ブライダル事業:前年同期比)
ブライダル事業については、婚礼の組人数・施行数も安定してきており、組単価もコロナ前とほぼ同水準まで回復してきています。加えて、新型コロナウイルスの影響を受けていた企業の宴会やパーティーなどの宴席部門の施行数も、今期に入って一気に回復してきています。
レストランも飲食事業の店舗同様に回復していますので、婚礼施設である「The Place of Tokyo」全体として売上が回復してきている状況です。その結果、売上高は8億9,100万円、前年同期比プラス68.0パーセントとなりました。最終利益としては500万円で着地し、黒字となりました。
2023年3月第2四半期業績動向(貸借対照表)
B/Sについてです。第2四半期の連結会計期間に2億円の借入を実行していますので、第2四半期末においてもしっかりとキャッシュポジションを維持しています。
2023年3月期第2四半期業績動向(キャッシュ・フロー)
キャッシュ・フローについてです。営業活動によるキャッシュ・フローもプラスになっており、第2四半期末の現金及び現金同等物は9億8,400万円となりました。
飲食既存店売上高 コロナ前(2020年3月期)同期比
ここからは、上半期の取り組みと下半期の取り組みについて武長から発表します。
武長:上半期の取り組みについて発表します。昨日はサッカーワールドカップで日本がドイツに勝ったことで、街も大変にぎやかでした。
外国からの入国緩和があった1ヶ月前くらいから徐々に外国人の方が街にも増えてきており、週末はお店も盛況です。店舗回りで都内にいると、遅い時間にはタクシーに乗れず帰れない方もたくさんいらっしゃるのを肌で感じています。
髙橋からもお伝えしましたが、第7波が終わった秋頃からかなり客足が戻ってきたため、年末に向けて楽しみにしています。
飲食既存店売上高のコロナ前(2020年3月期)同期比のスライドをご覧ください。2022年は5月頃から盛り上がってきたものの、夏に向けてやや失速し、その後また盛り上がってきたという状況です。ワクチン接種が進み行動制限がないため、お店にお客さまが戻ってきているのが昨年との大きな違いです。
新規出店・業態変更等の状況について
新規出店・業態変更などの状況についてです。今期は今のところ、3店舗出店しました。残念ながら、「Remo Cafe」というコロナ禍で作った業態が1店舗閉店し、今は本八幡店のみ営業しています。
売上高や客数は純増ですが、この業態を伸ばしていくのは難しいと感じています。我々の得意分野である屋台を中心にした居酒屋や新しいチャネルをどんどん増やしていますが、そちらをこれから伸ばしていくべきだろうと考えています。
新業態 『韓国屋台 ハンサム』出店拡大
そこで生まれたのが、新業態「韓国屋台 ハンサム」です。昨今の韓国ブームは、ブームというより大きな流れの中のトレンドであると考えます。ブームで終わるものではなく、定着した文化になっていくと感じています。
これまでの「こだわりもん一家」「屋台屋 博多劇場」は30代から50代の男性サラリーマンが中心の業態でした。新しいチャンネルとしての「韓国屋台 ハンサム」は、20代の若者や女性に非常に好評です。
我々の販売チャネルとしても、新しい客層を取り込むためにこちらの業態を伸ばしていこうと考えています。また、千葉県を中心にした一都三県の我々の得意なエリアでは、同じ駅に「屋台屋 博多劇場」「大衆ジンギスカン酒場 ラムちゃん」が出店している場合もあります。
第3の柱としてこちらのチャネルがあることは、物件取得においても非常にメリットがあります。例えば、柏市に「屋台屋 博多劇場」が2店舗あったところ、2号店を「韓国屋台 ハンサム」に業態変更した結果、爆発的に売上が上がったこともあります。
新橋エリアにも「屋台屋 博多劇場」が3店舗ありましたが、こちらも1号店を「韓国屋台 ハンサム」に業態変更しました。秋にかけて少しずつお客さまが増え、軌道に乗りつつあります。このように、既存店のリニューアルと新規出店の両面で伸ばしていこうと考えています。
婚礼のコロナ後の売上回復率について
婚礼の売上回復率についてです。先ほど髙橋からもお伝えしましたが、売上が回復しつつあります。要因としては、今まで結婚式ができなかった方、キャンセルしていた方、延期していた方々が結婚式をできる状況になったことにあります。
婚礼のコロナ後の組単価回復率について
婚礼の組単価回復率についてです。これまでコロナ禍で招待人数を絞り少人数で結婚式を行うことが多かったのですが、コロナ前のように仲がよい友達などを呼んで盛大に行えるようになってきました。そのため、1組あたりの来場ゲストが増え、客単価も回復しつつあります。
婚礼の成約率推移について
婚礼の成約率推移についてです。業界平均を上回る45パーセント近辺を推移しており、好調です。
下半期の新規出店予定
下半期の取り組みについてです。下半期の新規出店は3店舗を予定しています。従来は1年間で約10店舗以上の出店をしていましたが、情勢を鑑み今は足元をしっかり固めようと、リニューアルするべきお店はリニューアルし、テコ入れするべき店はテコ入れし、既存店はよりよい店に作っていくことに集中しています。
「大衆ジンギスカン酒場 ラムちゃん 亀戸店」は、2022年12月8日にオープンします。「韓国屋台 ハンサム 渋谷店」は、2023年1月16日にオープンする予定です。渋谷は若者の街ですので、「韓国屋台 ハンサム」がアンテナショップのような存在になっていくのではないかととても期待しています。
ラムちゃん業態の新モデルについて
「大衆ジンギスカン酒場 ラムちゃん 亀戸店」についてです。「大衆ジンギスカン酒場 ラムちゃん」は、従来はハイボールタワーをテーブルに設置し、お客さまご自身でハイボールを注いでいただくスタイルでした。30坪以上、70席から80席の大きな店舗で、このスタイルによりドリンカーが必要ないため、オペレーションコストが下がり、FL構造がよくなります。
問題点は、投資コストが高くなることです。全卓に強炭酸のハイボールタワーを設置すると非常にコストがかかります。また、「大衆ジンギスカン酒場 ラムちゃん」にはロースターやダクトが必要であり、そのコストもかかります。
そのため、なかなか出店できる立地が見つからないことや投資回収のことも考えると、たくさんの店舗を出すことはできないだろうというところがありました。
しかし、「大衆ジンギスカン酒場 ラムちゃん 亀戸店」の大きさは20坪になります。20坪くらいですと、ハイボールタワーが設置されていなくとも、我々のオペレーションからするとすぐにドリンクの提供ができます。したがって、投資コストも抑えることができます。
この2年ほどで「大衆ジンギスカン酒場 ラムちゃん」は11店舗まで拡大することができました。認知度もだいぶ高くなってきましたので、ここからはハイボールタワーなしの店舗も併せて出店していくことで、30店舗、40店舗と店舗数を拡大していけると考えています。
デジタル化による業務改善進捗
今期取り組んでいる、デジタル化による業務改善進捗についてご説明します。まず、セルフオーダーサービスについてです。最近はスマートフォンでQRコードを読み取り、自分で注文するお店が非常に増えたと、私も消費者の一人として感じています。
前までは少しわずらわしいと思う部分もありました。しかし、卓上にあるタッチパネルでオーダーするお店も多く、この仕様にもお客さまはだいぶ慣れてきているため、自分のスマートフォンを使って注文する仕方においても慣れてきている感覚があります。
世の中の流れに乗り、我々もセルフオーダーサービスを導入しました。ただし、我々が他のお店と違う点は、ファーストオーダーはしっかりとスタッフがオーダーを取るところです。
以前は追加注文の際、お客さまがベルで呼んでも忙しい状況の中ではなかなか店員が来てくれず、「追加のドリンクをすぐに持ってきて欲しいのに」と思うこともありました。
しかし、このセルフオーダーサービスを使用することで、お客さまも便利になっていると思います。
一方、デジタル化が進むにつれてお客さまと接する時間が少なくなってしまうと、我々らしいお店作りはできません。そこで、簡単な追加オーダーはモバイルオーダーを使い、効率化することで、お客さまとの接点を増やしていくようにしています。フェイス・トゥ・フェイスで、我々のおもてなしが発揮できる部分において力を入れていきます。
最近では、その部分について「屋台屋 博多劇場」でかなり力を入れています。アナログチックな従業員の総選挙というイベントを行い、看板男子、看板女子の神セブンをお客さまに選んでいただき、多くのお客さまに楽しんでいただきました。このようなデジタルを活用しつつ、我々ならではの「おもてなし」に注力しています。
次に、AI自動発注クラウドサービスについてです。AIにより売上・客数予測をすることで自動的に発注データを作成し、発注に係る人的工数を軽減し、人的な発注ミスの低減にもつながります。
ブライダル事業 繁忙期施策
ブライダル事業の繁忙期の取り組みです。クリスマスディナー施策ですが、毎年こちらに関しては非常に力を入れています。また、去年から始めたアフタヌーンティーも非常に好評ですので、併せて繁忙期の売上拡大に注力していきたいと思っています。
当社グループの今後のビジョン
当社グループの今後のビジョンです。2021年10月に一家ホールディングスを設立し、持株会社体制に移行しました。
「我々は何業なのか」を自らに問うた時に、飲食事業とブライダル事業を行っているため、1つにまとめるとサービス業になるのか、いや、我々はサービス業ではなく、「おもてなし」業であると考え、その「おもてなし」とは多くの人の喜びや感動、幸せに関わる事業だと考えています。
その中で、人材に関してはコロナ禍でも怯むことなく、毎年新卒を50名近く採用してきました。そのような人材を、時間をかけて大切に「おもてなし人」に育てています。その育った「おもてなし人」が、あらゆる「おもてなし」を必要とする分野で活躍していくことを大きな未来のビジョンとして持っています。
飲食事業は今後もあらゆるチャネルを持ちながら、さらに、グランピングやバーベキュー場などのさまざまなレジャーに関わるレジャー事業にチャレンジしていきます。
また、今後非常に楽しみなのはインバウンドにおける需要です。現在は円安の影響もあり、海外からの観光客が増えてきている状況です。
アフターコロナの世界では、今まで以上に日本という国が安いだけではなく、おもてなしが行き届いており、おいしい料理やサービスの良いスタッフがいて、日本ならではの四季折々のものがあり、非常に多くの魅力がある国だということが、再確認・再発見されていくのではないかと思います。そこに向けて、これから多くのチャンスがあるのではないかと思っています。
そのような大きなビジョンを持ちながら、ホールディングス体制に移行し、今後、アフターコロナの世界の中で我々が活躍できる舞台を、これからの未来に作っていけるように努力していきます。
簡単ではございますが、私からのご説明は以上とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
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