リソー教育 Research Memo(1):異業種連携効果が徐々に顕在化、高付加価値型教育提供により2ケタ成長を目指す

配信元:フィスコ
投稿:2022/11/09 16:31
■要約

リソー教育<4714>は“完全個別指導”と“進学指導”とを組み合わせた独自の高付加価値型ビジネスモデルを構築し、事業領域を拡大している教育サービス企業である。幼稚園・小学校受験指導の(株)伸芽会や家庭教師派遣の(株)名門会、学校内個別指導の(株)スクールTOMAS、ツアー体験企画や体操教室などを運営する(株)プラスワン教育などを子会社に持つ。

1. 2023年2月期第2四半期累計業績の概要
2023年2月期第2四半期累計(2022年3月~8月)の連結業績は、売上高で前年同期比5.7%増の15,441百万円、営業利益で同24.3%減の1,007百万円と増収減益となった。2022年夏頃に新型コロナウイルス感染症が再拡大し、講師や生徒での感染者数が急増したことにより、予定していた授業が行えず売上高で数億円のマイナス影響が出たものの、完全個別指導塾の「TOMAS」や「スクールTOMAS」を中心に生徒数が着実に増加したことにより、売上高は過去最高を更新した。一方、利益面では人件費や採用広告費の増加に加えて、新規及びリニューアル校の開設費用や新規事業への投資、水道光熱費などが増加したことにより減益となった。

2. 2023年2月期の業績見通し
2023年2月期の連結業績は、売上高で前期比10.0%増の33,000百万円、営業利益で同19.1%増の3,610百万円と期初計画を据え置いた。第2四半期までの進捗率はやや低いものの、新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)で未消化となっていた授業を9月以降に実施するほか、経費の抑制に取り組むことにより計画達成を目指す。9月については予算を上回って進捗しているようで、第3四半期以降は増益に転じる見通しだ。なお、物価上昇や水道光熱費の値上げなどによる費用増分については、2023年3月以降に価格転嫁する予定で数%程度の値上げを想定している。このため、2024年2月期には生徒数増加に加えて、価格改定効果も業績面で寄与してくるものと予想される。

3. 中期経営計画の進捗状況
同社は、2023年2月期からスタートしている3ヶ年の中期経営計画において、異業種との業務提携による事業拡大と顧客の囲い込み戦略を推進する方針だ。2025年2月期には売上高で40,000百万円、営業利益で4,510百万円を目標に掲げており、3年間の年平均成長率は売上高で10.1%、営業利益で14.2%となる。異業種連携の取り組みとしては、コナミスポーツ(株)との協業で「コナミスポーツ 伸芽’Sアカデミー」(品川校)を2022年4月に開校したのに続き、2023年には関西に3校の開校を予定しており、当面20校を目標にコナミスポーツの拠点内に展開する予定となっている。また、ヒューリック<3003>、コナミスポーツとの連携による教育特化ビル「こどもでぱーと」についても、現在、首都圏で7棟の企画が進行中となっている。同一ビル内にて「伸芽会」や「伸芽’Sクラブ」「TOMAS」など各種教育サービスを提供することで、顧客の囲い込みとLTV(顧客生涯価値)の向上を進める戦略だ。2029年までに首都圏で20棟まで広げていく構想を描いており、中期的に同社の売上拡大と収益性向上につながる取り組みとして注目される。また、KDDIまとめてオフィス(株)との協業による「スクールTOMAS」の導入校開拓も順調に進んでいる。Kids Smile Holdings<7084>との連携では、Kids Smile Projectの会員(約4千人)に対して「伸芽会」「TOMAS」「名門会」等のサービスを紹介することで、顧客の囲い込み戦略を推進する予定となっている。少子化が進むなかで、高品質な教育サービスの提供に加えて異業種連携に取り組むことで効率的に生徒数を獲得し、持続的な成長を実現する考えだ。

■Key Points
・2023年2月期第2四半期累計業績は生徒数の増加により過去最高売上を更新
・2023年2月期業績は期初計画を据え置き、2ケタ経常増益を目指す
・異業種連携により効率的に事業を拡大、2025年2月期に売上高400億円、営業利益45億円を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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