ドルカナダ、レンジワーク主体の相場付きとなりそう

著者:津田隆光
投稿:2022/11/04 10:03

本日の米国とカナダの10月雇用統計結果にも要注目!

ドルカナダ・日足・複合チャート
ドルカナダ・日足・複合チャート出所:マネースクエアFXチャート

【注目ポイント】DMI(方向性指数)の動向
【シナリオ①】「+DI>-DIの乖離拡大」なら、「1.38760カナダドル」超えを試す動き
【シナリオ②】「-DI>+DIの乖離拡大」なら、「1.35000カナダドル」付近までの下押し
【シナリオ③】「+DI≒-DI≒ADXの継続」なら、レンジワーク主体の相場付き
【当面の“主戦場”(コアレンジ)】「1.35000~1.38760カナダドル」


米ドル/カナダドル(以下、ドルカナダ)の足もと注目点と見ていた「1.35000カナダドルでの下値サポート成否」。先月27日に一時的に同レート割れとなる「1.34943カナダドル」を付けたものの、概ね「1.35000カナダドルでの下値サポート」→「反発フロー」となっています。


上図にある各メルクマールを見てみると、1) 21日MA(移動平均線)が横向きであること、2) 遅行スパンがローソク足と絡み合う状態になっていること、3) ローソク足の下方に青色雲(=サポート帯、先行スパン)およびパラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)があること、4) BB(ボリンジャーバンド)・±2σラインが21日MAに対してパラレルとなっていること、そして5) DMI(方向性指数)でADX・+DI・-DIが収斂する状態(上図青色点線丸印)となっていることから、ドルカナダ・日足チャートは下値しっかりかつ方向性模索のレンジ相場を示すチャート形状であると判断します。

今後の注目ポイントは・・・DMI(方向性指数)の動向。(上図黄色矢印)

筆者が予想する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②、③)


[シナリオ①]
これからの時間にかけて、「+DI>-DIの乖離拡大」となった場合は、もう一段の上値切り上げとなりそうです。当該ケースでは、「ADXの上昇」や「BB・+1σライン(≒1.37911カナダドル)超え」、また「遅行スパンの“好転”」なども伴いながら、BB・+2σラインを基準とする「1.38760カナダドル」(上図Ⓐ赤色線)超えを試す動きとなりそうです。

[シナリオ②]
一方で、「-DI>+DIの乖離拡大」となった場合は、一旦の下押しとなりそうです。当該ケースでは、「ADXの上昇」や「BB・-1σライン(≒1.36226カナダドル)割れ」なども伴いながら、BB・-2σラインを基準とする「1.35000カナダドル」(上図Ⓑ水色線)付近までの下押しもあり得そうです。ただし、現時点では青色雲が厚い形状(=強い下値サポート帯)となっていることから、下値余地は限定的と言えるでしょう。

[シナリオ③]
他方、「+DI≒-DI≒ADXの継続」となった場合は、「方向性模索の継続」→「往って来いの動き」となりそうです。当該ケースでは、「遅行スパンのローソク足への絡み合い継続」を伴いながら、「1.35000~1.38760カナダドル」を“主戦場”(コアレンジ)とするレンジワーク主体の相場付きとなりそうです。


チャートのアナロジー(類比)分析をベースに勘案すると、筆者は上記[シナリオ③]となる蓋然性(がいぜんせい)が高いと考えます。よって、当面※の“主戦場”と想定する「1.35000~1.38760カナダドル」をターゲットに買い・トラリピを仕掛けるのも一案でしょう。(※ここでの「当面」は、1~2週間のスパンを想定しています。)


引き続き、ドルカナダについては、米FRBとBOC(カナダ中銀)の金融政策スタンス比の思惑が相場動意となりそうです。その意味でも、日本時間本日午後9時30分に予定されている米国およびカナダの10月雇用統計発表には要注目でしょう。

津田隆光
マネースクエア チーフマーケットアドバイザー
配信元: 達人の予想