今週は、米国株式の反発が続くかどうかみるために、13日の米8月消費者物価指数に注目

著者:出島 昇
投稿:2022/09/12 17:59

先週は、安値27268円をつけ、終値は28214円で終わりました

 先週は、9月20~21日のFOMCや週末のメジャーSQを前に上値重く、様子見が続くとしました。
結果的には、週半ばの7日(水)に米金融引締めの警戒感が続く中で、米国の主要3指標の下落の流れを受け、SQの週の水曜日はよくみられる仕掛け的な売りが出て、一時、▲357円の27268円まで下げ、終値では下げ渋って▲196円の27430円となりました。
注目としていた200日移動平均線を7月19日以来に割ったことで、いったん下値を探る展開もあると思われましたが、そうはなりませんでした。
それは、この日に下げ渋ったことや、この日のあとの米国市場で、NYダウが3日ぶりに大幅反発となり、S&Pも3日ぶりの反発、さらに7日続落中のナスダックも8日ぶりの大幅反発となりました。又、NY原油が1月以来の1バレル=81ドル台へ下げ、長期金利も下げたことで米株の上昇が支えとなりました。
そうなるとNYダウに連動する日経平均も大きく戻ることになり8日(木)は、△634円の28065円と8月31日以来の28000円台を回復しました。
そして週末の9日(金)も前日の米株式が主要3指標そろって続伸したことで、日経平均は28286円まで上昇し、後場、後半は28200円台でこう着状態となり終値は△149円の28214円となりました。9月オプションSQ値は28253円でした。
SQの週は荒い動きになるとしましたが、米国株の上昇もあり日経平均は週半ばは27268円まで下げ、週後半は米国株と円安にサポートされて、週末は28286円まで上昇しました。約1000円近い値幅の動きとなりました。
現状では、チャートは28300円水準に近づくと戻り売りが出るうえに、週末要因と戻り一服と円高気味になっていることで、上値の重い展開となるところです。欧米の金融引締めや景気後退が懸念され、ここをぬけても上を目指すことにはならず、基本的には調整局面でのリバウンド中とみた方がよいでしょう。

今週は、米国株式の反発が続くかどうかみるために、13日の米8月消費者物価指数に注目

先週、後半は、米国株が原油安や長期金利の低下を好感して、インフレ圧力の緩和が意識され、3日連続の急反発となり、これに連動して日経平均は、8日(木)にはメジャーSQを前にカラ売りの買い戻しもあり、600円を超える上昇となって、28000円台を回復しました。週末は28214円で引けましたが、目先は3月25日の28338円、6月9日の28389円の高値のフシがあり、28300円台は上値が重いところですが、米国市場の反発がどこまで続くかによります。
今週は、13日の日本時間の夜に米国の8月消費者物価指数(CPI)が発表されますが、ここでインフレ鈍化が確認されれば、米国市場は強気ムードが一段と増す可能性があり、そうなると日経平均にも追い風となります。
日経平均は、円安がサポート要因になっていることで、目先、円安一服となって円高方向が継続すれば、日経平均の上値は重くなりますが、これから外国人の受け入れが2万人から5万人に増えたことで、インバウンド(訪日外国人観光客)の受け入れ本格化も視野に入ってきますので、全体相場は相対的に堅調な動きも期待されます。

目先のチャートの動きをみると、8月17日の高値29222円から9月7日の27268円まで約3週間で1954円も下げて、27400円台に控えていた200日移動平均線と75日移動平均線に到達しました。このタイミングで7日のNYダウが△435ドルと反発し、ナスダックも8日ぶりに△246Pと反発したことで、8日の日経平均はメジャーSQを翌日に控えており、カラ売りの買い戻しや先物買いを交えに、△634円の28065円と大きく上昇し、週末は△149円の28214円で引けました。下げ幅の1/3戻しを超え半値戻し(28245円)に接近しており、この水準には25日線がありますので、ここをぬけると28300円台を試し、次に28500円台を試すことになります。このカギを握るのは米国株となりますので、このまま米国株の反発が継続するのかどうか、まずは13日の米8月消費者物価指数をみることになります。

(指標)日経平均

先週の動き

先週の予測では、9月20~21日のFOMCや週末のメジャーSQを前に上値の重い展開としました。
週始めは米株の下落が続いたことで、7日(水)はSQの週、特有の売り仕掛けもあって、一時▲357円の27268円まで下げ、終値では下げ渋って▲196円27430円でした。
この日の引け後の米国市場は、大幅反発となり日経平均も連動して8日(木)は△634円の28065円と1週間ぶりに28000円台を回復しました。週末も米国株の上昇に連動し、△149円の28214円で引けました。28300円台は上値が重くなるところです。

今週の動き

今週は、日本時間の13日の夜に発表される8月消費者物価指数が注目となります。インフレの鈍化が確認されれば米国市場は引き続きマーケットの強気ムードが増し、株価の反発が継続し日経平均にもプラス要因となります。
但し、円安一服が続くようだと株価の上値は重くなる可能性があります。目先はチャートみてわかりますように3月25日の28338円、6月9日の28389円の高値をぬいてくると28500円台を試すことになります。
 

 

(指標)NYダウ

先週の動き

先週の予測では、NYダウは年初の1月5日の36952ドルの高値から6月17日の29653ドルまで下げ、ここから8月16日に34281ドルまで反発して、ここで下げ幅の61.8%戻しとなって下落に転じて9月6日に31048ドルまで下げました。7月14日の30143ドルを試すかと思われましたが、9月7日(水)の米株式は、原油価格、長期金利の低下を受けて、NYダウの△435ドルの31581ドルをはじめ主要3指標が大幅上昇となりました。ナスダックも続伸しました。週末のNYダウは、ドル高の流れが一服したことで△377ドルの32151ドルと3日続伸しました。

今週の動き

今週は、FRBの金融政策を左右する消費者物価指数や生産者物価指数の重要インフレ指数に加え、小売売上高の発表が注目となります。原油価格が6月に高値をつけて下落傾向にあり、小売売上高で消費の低下が示されればインフレ高進が低下することになり、株価にとってプラスとなります。
但し、インフレ期待が後退してもインフレ抑制へのFRBの断固としたスタンスは変わらないとの見方が強く相場の上昇は限定的ともいえます。
 

 

(指標)ドル/円

先週の動き

先週は、週始めに140円近辺まで下げたものの、FRBによる大幅追加利上げ観測が広がったことから、9月7日(水)に欧米市場で1998年8月以来となる144.98円までドル高・円安が進行しました。
しかし、8日に日本政府・日銀が「あらゆる措置を排除せず準備している」と円安けん制をしたことで、ドル高は一服し、一時142円を下回る場面がありました。9日には142.82円まで買われまいたが、FOMCを前にリスク回避的なドル売り・円買いは縮小し、142.55円で週の取引を終えました。

今週の動き

今週のドル・円は、もみあいか、もしくは米インフレ高進受けFRBの金融引締めの長期化を織り込んだドル買いが継続する可能性があります。
一方で日本政府・日銀の円売りけん制もあり、FOMCを20~21日に控えて様子見となる可能性もあります。今週はリスク選好的なドル買い・円売りが大きく広がる可能性は低いとの見方が多いようです。
 

 

配信元: みんかぶ株式コラム