トリプルアイズ Research Memo(5):2021年8月期は両事業が堅調に推移し、営業黒字化を達成

配信元:フィスコ
投稿:2022/09/07 09:05
■業績動向

1. 2021年8月期の業績概要
トリプルアイズ<5026>の2021年8月期の連結業績は、売上高2,122百万円(前期比18.4%増)、営業利益60百万円(前期は174百万円の損失)、経常利益は83百万円(同166百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は38百万円(同260百万円の損失)となった。

国内経済の状況は、コロナ禍などにより急速に悪化した。同社の属する業界においても、緊急事態宣言により、AIソリューションに関する一部の需要は減少した。一方、ニューノーマル時代において、AIやIoT等の最先端技術への注目度がますます高まっている。

こうした社会情勢のなか、国内企業の設備投資全般が冷え込んだ影響で、同社の業績も停滞を余儀なくされた。新卒人材については、コロナ禍の影響から研修等が進捗せず、業務への従事が遅れた。また、同社の連結子会社であるシンプルプラン及び所司一門将棋センターは、コロナ禍による対面の制限等でセミナー開催に係る収入や将棋道場の集客に影響がみられた。

セグメント別の業績は、AIソリューション事業が、SI部門の事業の順調な伸長とAIZE部門の事業拡大により、売上高は2,079百万円(前期比18.1%増)、セグメント利益は50百万円(前期は167百万円の損失)となった。研修事業は、研修実施件数の増加等により、売上高は31百万円(前期比58.6%増)、セグメント利益8百万円(前期は1百万円の損失)となった。


2022年8月第3四半期は両事業が堅調に推移し、通期会社計画に対する進捗率は良好な水準
2. 2022年8月期第3四半期累計の業績概要
2022年8月期第3四半期累計の連結業績は、売上高が1,840百万円、営業利益が131百万円、経常利益が115百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が96百万円となった。セグメント別の業績は、AIソリューション事業が、売上高1,804百万円、セグメント利益121百万円となった。IT技術者の不足を背景としたAI、IoT、DXに係る開発やWebシステム開発、AIZE関連請負開発に関する売上が堅調に推移した。研修事業は、売上高が28百万円、セグメント利益が9百万円となった。季節性の要因で新卒研修等の実施件数が増加した。なお、2021年8月期第3四半期においては四半期連結財務諸表を作成していないため、前年同四半期との比較分析は行っていない。

通期会社計画に対する進捗率は、売上高で70.9%、営業利益で75.2%、経常利益で71.0%、親会社株主に帰属する当期純利益で69.5%であり、順調に推移している。


現金及び預金/純資産が大幅に増加し、高い財務健全性を維持
3. 財務状況
(1) 資産
2022年8月期第3四半期末における資産の合計は、1,743百万円(前期末比629百万円増加)となっている。流動資産は1,504百万円(同518百万円増加)で、現金及び預金が483百万円増加したことによる。固定資産は238百万円(同110百万円増加)で、AIZE技術開発を目的としたソフトウエア仮勘定が増加したこと及び、投資有価証券の売却により減少したことによる。

(2) 負債
2022年8月期第3四半期末における負債の合計は、672百万円(前期末比1百万円増加)となっている。流動負債は510百万円(同13百万円減少)で、法人税等の支払に伴い未払法人税等が減少したこと、短期借入金が15百万円増加したことによる。固定負債は162百万円(同14百万円増加)で、長期借入金が増加したことによる。

(3) 純資産
2022年8月期第3四半期末における純資産の合計は、1,070百万円(前期末比628百万円増加)となっている。増資等により資本金が269百万円、資本剰余金が269百万円増加したこと、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上等により利益剰余金が89百万円増加したことによる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 藤田 要)


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