「小型原子炉」が13位にランクイン、首相の次世代型の原発の開発検討指示で関心高まる<注目テーマ>

配信元:みんかぶ
著者:MINKABU PRESS
投稿:2022/08/26 12:21
「小型原子炉」が13位にランクイン、首相の次世代型の原発の開発検討指示で関心高まる<注目テーマ> ★人気テーマ・ベスト10
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10 原子力発電部材・部品

 みんかぶと株探が集計する「人気テーマランキング」で、「小型原子炉」が13位にランクインしている。

 岸田文雄首相が24日、次世代型の原子力発電所について開発・建設を検討するよう指示したことがランク急上昇の背景にあるようだ。次世代型の原発とは、現在の原子炉よりも安全性が高く、効率よく発電できる原発のこと。同日行われたGX(グリーントランスフォーメーション)実行会議では、次世代革新炉の開発・建設の検討を行うとしたが、次世代型原発はこの「革新軽水炉」のほかに「小型モジュール炉」「高温ガス炉」「高速炉」「核融合炉」などがあり、「革新軽水炉」と並んで注目されているのが、出力30万キロワット以下とされ、従来型原発の100万キロワット超に比べて3分の1から4分の1程度の出力の原子炉である「小型モジュール炉」(小型原子炉)といわれている。

 原子力発電は、原子炉の中でウランが核分裂するときに出る熱で水を沸かして蒸気をつくり、その蒸気の力でタービンを回して発電していることから、万が一、原子炉が暴走した際には原子炉を冷やす必要があるが、従来型ではポンプで水を汲み上げて冷やさなければならず、福島第一原発で起こったように電気の供給が途絶えると冷却できないという問題を抱えている。これに対して小型原子炉は、小規模ゆえに大型炉よりも冷却が早く、また原子炉全体をプールの中に沈めておくことができるためメルトダウンを起こしにくいという。また、小型原子炉は、モジュール工法を採用するため工場でユニットを組み立て、現地で最終的に組み上げることで、工期の短縮やコストの圧縮が見込めるというメリットがある。従来型に比べて安全性や経済性に優れているとされていることから、日本でも導入議論が高まりつつある。

 世界的に見ても現在、各地で70基以上の小型原子炉の開発が進められているとされ、今後、開発競争の加速が見込まれている。日本では関連銘柄として、加圧水型炉技術に基づいた小型原子炉を開発中の米ニュースケール・パワーに出資する日揮ホールディングス<1963.T>IHI<7013.T>などがあるが、この日は、助川電気工業<7711.T>の上げが目立っている。

出所:MINKABU PRESS
配信元: みんかぶ

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