■業績動向
3. 財務状況と経営指標
森六ホールディングス<4249>の2022年3月期末における流動資産は77,058百万円(前期比9,697百万円増)であった。これは主に、売上債権が2,348百万円、世界的な物流網の混乱および顧客の生産変動へ対応、新車量産の準備により、原材料及び貯蔵品が1,880百万円、商品及び製品が1,658百万円増加、仕掛品が1,558百万円増加したことなどによる。また、固定資産は60,066百万円(同5,460百万円減)であった。これは主に、政策保有株式の売却により投資有価証券が6,386百万円減少したことなどによる。これらの結果、資産合計は137,125百万円(同4,237百万円増)となった。
流動負債は55,961百万円(前期比4,912百万円増)であった。これは主に短期借入金等が3,741百万円増加したことなどによる。また、固定負債は9,095百万円(同2,606百万円減)であった。これは主に繰延税金負債が1,315百万円、長期借入金が1,127百万円減少したことなどによる。これらの結果、負債合計は65,057百万円(同2,306百万円増)となった。なお、長期借入金と短期借入金を合計した有利子負債残高は26,053百万円(同2,603百万円増)であった。
純資産合計は72,067百万円(前期比1,930百万円増)であった。これは主に、その他有価証券評価差額金が3,654百万円減少したこと、および株主還元と資本効率の向上を図るため自己株式を1,350百万円取得したこと、その一方で、為替換算調整勘定が3,674百万円、利益剰余金が2,983百万円増加したことなどによるものである。
以上から、2022年3月期末の自己資本比率は51.6%(前期比-0.2pt)で、2022年3月期の東証1部化学業界の平均(51.4%)並みの水準を確保している。またD/Eレシオ(有利子負債/自己資本)も0.37倍と低水準を維持し、同社の安全性は極めて高いと評価できる。一方、ROA(総資産経常利益率)は2.2%、ROE(自己資本当期純益率)は6.1%で、東証1部化学業界平均の8.1%、10.8%を下回っており、今後は収益性の改善が課題といえよう。また、政策保有株式の純資産対比は2019年3月期の24.4%、2021年3月期の26.0%から2022年3月期は16.5%にまで大きく低下し、20%以下の削減目標を達成した。株式持ち合いを維持することよりも、ROEなど資本効率の向上を図り、魅力ある製品・サービス提供を重視するという同社の経営姿勢を示すものと評価できよう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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3. 財務状況と経営指標
森六ホールディングス<4249>の2022年3月期末における流動資産は77,058百万円(前期比9,697百万円増)であった。これは主に、売上債権が2,348百万円、世界的な物流網の混乱および顧客の生産変動へ対応、新車量産の準備により、原材料及び貯蔵品が1,880百万円、商品及び製品が1,658百万円増加、仕掛品が1,558百万円増加したことなどによる。また、固定資産は60,066百万円(同5,460百万円減)であった。これは主に、政策保有株式の売却により投資有価証券が6,386百万円減少したことなどによる。これらの結果、資産合計は137,125百万円(同4,237百万円増)となった。
流動負債は55,961百万円(前期比4,912百万円増)であった。これは主に短期借入金等が3,741百万円増加したことなどによる。また、固定負債は9,095百万円(同2,606百万円減)であった。これは主に繰延税金負債が1,315百万円、長期借入金が1,127百万円減少したことなどによる。これらの結果、負債合計は65,057百万円(同2,306百万円増)となった。なお、長期借入金と短期借入金を合計した有利子負債残高は26,053百万円(同2,603百万円増)であった。
純資産合計は72,067百万円(前期比1,930百万円増)であった。これは主に、その他有価証券評価差額金が3,654百万円減少したこと、および株主還元と資本効率の向上を図るため自己株式を1,350百万円取得したこと、その一方で、為替換算調整勘定が3,674百万円、利益剰余金が2,983百万円増加したことなどによるものである。
以上から、2022年3月期末の自己資本比率は51.6%(前期比-0.2pt)で、2022年3月期の東証1部化学業界の平均(51.4%)並みの水準を確保している。またD/Eレシオ(有利子負債/自己資本)も0.37倍と低水準を維持し、同社の安全性は極めて高いと評価できる。一方、ROA(総資産経常利益率)は2.2%、ROE(自己資本当期純益率)は6.1%で、東証1部化学業界平均の8.1%、10.8%を下回っており、今後は収益性の改善が課題といえよう。また、政策保有株式の純資産対比は2019年3月期の24.4%、2021年3月期の26.0%から2022年3月期は16.5%にまで大きく低下し、20%以下の削減目標を達成した。株式持ち合いを維持することよりも、ROEなど資本効率の向上を図り、魅力ある製品・サービス提供を重視するという同社の経営姿勢を示すものと評価できよう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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