■要約
ナック<9788>は、「暮らしのお役立ち」を基本戦略として、多角化経営で発展してきた企業である。展開する事業は、住まいと生活に関わる分野で、それぞれが有機的に結合していることで、「暮らし」に関わる分野を網羅し、消費者に役立つサービスを提供している企業と言える。ストックビジネスで収益基盤を万全なものとしたうえでほかの事業投資を積極的に行い、新たな成長エンジンの構築かつ多角化によって、リスク分散も行っている。
1. 2022年3月期の業績概要
2022年3月期の業績は売上高が54,924百万円(前期比1.1%減)、営業利益が2,760百万円(同0.8%減)、経常利益2,792百万円(同4.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,708百万円(同7.0%減)と営業微減益となったが、営業人員の確保や販促活動の強化など、先行投資を加速したことが要因となっている。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)に関しては、消費者に直結する商品やサービスを手掛けるため影響を受けたのは当然のことながら、むしろコロナ禍がプラスに働いた事業もあったため、大きく落ち込むことはなかった。感染予防として、自社製の次亜塩素酸水溶液「ZiACO(ジアコ)」のニーズが高まったほか、子会社による空港の水際対策による隔離施設の消毒・除菌作業や新型コロナワクチン接種職域会場(以下、ワクチン職域接種会場)運営に関する事業などが収益に貢献した格好となった。
2. 2023年3月期の業績見通し
2023年3月期の業績見通しは、売上高が60,000百万円(前期比9.2%増)、営業利益が3,000百万円(同8.7%増)、経常利益が3,000百万円(同7.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,000百万円(同17.1%増)と増収増益を見込んでいる。クリクラ事業がやや伸び悩むものの、他のセグメントはおおむね順調に推移するものと想定されている。なかでも、レンタル事業のケアサービス部門が在宅需要や高齢者向けに拡大が見込まれるなど、収益をけん引することになりそうだ。高齢化社会の進展に合わせたビジネス展開を進めていく。
3. 収益構造が変化、25年3月期に営業利益5.000百万円へ
収益構造は、過去に損失計上が続き収益圧迫要因となっていた100%子会社の(株)レオハウスを2021年3月期にヤマダ電機(現 ヤマダホールディングス<9831>)へ譲渡したことにより、住宅事業への依存割合が低下するとともに、グループ全体として利益を生み出す筋肉質な構造となった。2025年3月期を最終年度とする中期経営計画を推進しており、目標としては売上高75,000百万円、営業利益5,000百万円を掲げている。これまで事業ごとに縦割りとなる傾向があったものの、顧客情報の共有化をはじめグループで「横櫛」を通すようなビジネスを展開する考えである。その実現に向け、同社は社長直下の部署を設置している。
■Key Points
・コロナ禍でもビジネスチャンスを掴む
・2023年3月期は増収増益を確保する見通し
・中期経営計画で2025年3月期に営業利益5,000百万円を目標に掲げる
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
<EY>
ナック<9788>は、「暮らしのお役立ち」を基本戦略として、多角化経営で発展してきた企業である。展開する事業は、住まいと生活に関わる分野で、それぞれが有機的に結合していることで、「暮らし」に関わる分野を網羅し、消費者に役立つサービスを提供している企業と言える。ストックビジネスで収益基盤を万全なものとしたうえでほかの事業投資を積極的に行い、新たな成長エンジンの構築かつ多角化によって、リスク分散も行っている。
1. 2022年3月期の業績概要
2022年3月期の業績は売上高が54,924百万円(前期比1.1%減)、営業利益が2,760百万円(同0.8%減)、経常利益2,792百万円(同4.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,708百万円(同7.0%減)と営業微減益となったが、営業人員の確保や販促活動の強化など、先行投資を加速したことが要因となっている。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)に関しては、消費者に直結する商品やサービスを手掛けるため影響を受けたのは当然のことながら、むしろコロナ禍がプラスに働いた事業もあったため、大きく落ち込むことはなかった。感染予防として、自社製の次亜塩素酸水溶液「ZiACO(ジアコ)」のニーズが高まったほか、子会社による空港の水際対策による隔離施設の消毒・除菌作業や新型コロナワクチン接種職域会場(以下、ワクチン職域接種会場)運営に関する事業などが収益に貢献した格好となった。
2. 2023年3月期の業績見通し
2023年3月期の業績見通しは、売上高が60,000百万円(前期比9.2%増)、営業利益が3,000百万円(同8.7%増)、経常利益が3,000百万円(同7.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,000百万円(同17.1%増)と増収増益を見込んでいる。クリクラ事業がやや伸び悩むものの、他のセグメントはおおむね順調に推移するものと想定されている。なかでも、レンタル事業のケアサービス部門が在宅需要や高齢者向けに拡大が見込まれるなど、収益をけん引することになりそうだ。高齢化社会の進展に合わせたビジネス展開を進めていく。
3. 収益構造が変化、25年3月期に営業利益5.000百万円へ
収益構造は、過去に損失計上が続き収益圧迫要因となっていた100%子会社の(株)レオハウスを2021年3月期にヤマダ電機(現 ヤマダホールディングス<9831>)へ譲渡したことにより、住宅事業への依存割合が低下するとともに、グループ全体として利益を生み出す筋肉質な構造となった。2025年3月期を最終年度とする中期経営計画を推進しており、目標としては売上高75,000百万円、営業利益5,000百万円を掲げている。これまで事業ごとに縦割りとなる傾向があったものの、顧客情報の共有化をはじめグループで「横櫛」を通すようなビジネスを展開する考えである。その実現に向け、同社は社長直下の部署を設置している。
■Key Points
・コロナ禍でもビジネスチャンスを掴む
・2023年3月期は増収増益を確保する見通し
・中期経営計画で2025年3月期に営業利益5,000百万円を目標に掲げる
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
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